「警鐘」の意味とは?使い方から類語や英語や対義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「警鐘(けいしょう)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「警鐘」をざっくり言うと……

読み方警鐘(けいしょう)
意味危険を予告して警戒を促すもの
語源災害をいち早く知らせる鐘から
類義語警告、喚起など
対義語不注意、油断
英語訳alarm(警報、警報器)、warning(警告)など

「警鐘」の意味をスッキリ理解!

警鐘(けいしょう):危険を予告して警戒を促すもの

「警鐘」の意味を詳しく


「警鐘」には以下の2つの意味があります。

「警鐘」の意味
  1. 火災や洪水などの危険を知らせて警戒を促すために鳴らす鐘
  2. 危険を予告して警戒を促すもの

もともとは❶の意味で用いられていましたが、現在では❷の意味で使うことがほとんどです。

ちなみに、「警鐘」はあくまで「危険を知らせるもの」であり、「危険」そのものや、「危険を伝える」ことではないため注意しましょう。

「警鐘」を構成する漢字には以下のような意味があります。

「警鐘」を構成する漢字
  • :過ちが起きないよう注意を促すこと
  • :音で相手に気づかせる道具

「警鐘」の読み方

「警鐘」の読み方は以下のとおりです。

一般的な読み方けいしょう
誤った読み方けいりん
けいかね
けいてき

間違った読み方をしないように注意しましょう。

「警鐘」の使い方

「警鐘」の使い方の例として、以下のような文が挙げられます。

  1. 専門家は、過度なダイエットは健康に悪いと警鐘を鳴らしている。
  2. そのニュース番組は様々な社会問題を取り上げ、警鐘を鳴らすことを大事にしている。
  3. 監督によると、この映画を制作した目的は高齢化に悩む現代日本への警鐘だそうだ。

上記の例文のように、「警鐘」は「警鐘を鳴らす」という動詞の形で使われるのが一般的です。

❸の例文のように「警鐘だ」という形で用いられることもあります。

主に、専門家や芸能人、そしてメディアなど、多くの人に対して発信力のある人や組織が注意を促す際に用いられます。

そのため、取り上げられる危険も広く社会に大きな影響があるものの場合が多いです。

「警鐘する」は誤用

「警鐘」は、「警鐘する」という形で使うのは誤用です。

「警鐘」は、警戒を促す「もの」という意味です。「もの」をする、とは言いませんよね。

「警鐘」の語源

「警鐘」は、もともと「火災や洪水などの災害が起こった際に、人々に警戒を促すために鳴らす鐘」のことです。

災害が発生したら避難をするためにも、なるべく速く多くの人に情報を伝えることが大事ですよね。

その情報を伝える役割を持っていたのが鐘でした。別名で「早鐘(はやがね)」ともいいます。

ここから、この鐘の役割のようにいち早く広く危険を伝えることを「警鐘を鳴らす」と表現するようになったのです。

「警鐘」の類義語

警鐘には以下のような類義語があります。

  • 警告(けいこく):よくない事態が生じそうな際、注意を促すこと
  • 喚起(かんき):呼び起こすこと
  • 注意(ちゅうい):気をつけること
  • 忠告(ちゅうこく):相手の悪いところを指摘し、直すように勧めること
  • 警戒を促す(けいけいをうながす):何かについて意識を向けることを呼びかける
  • 警告する(けいこくする):前もって他人をいましめる
  • 釘を刺す(くぎをさす):あらかじめ相手に念押しして注意しておくこと

これらの熟語の意味は、「注意を呼びかける」ことを表している点で共通しています。

ただ、「警鐘」とは違い、どれも「警告する」や「喚起する」のように、動詞の形で用いることができます。

「警笛」は類義語ではない

「警笛」は「警鐘」と似た言葉ですが、類義語ではないので注意しましょう。

「警笛」は「電車などが近づいてくることを知らせる警告音」です。

「人に注意を促すもの」である点は「警鐘」と似ていますが、使われるのは交通機関だけです。

「専門家が警笛を鳴らす」などとは言わないので注意が必要です。

「警鐘」の対義語

「警鐘」には以下のような対義語があります。

  • 不注意(ふちゅうい):うかつなこと
  • 油断(ゆだん):気をゆるめること

「警鐘」の英語訳

警鐘を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • alarm
    (警報、警報器)
  • warning
    (警告)
  • alert
    (注意)

「警鐘を鳴らす」という動詞の形を表す場合は、 “sound an alarm” や “raise an alarm ” という表現が使えます。

また、 “warning” の動詞形を用いて “warn about ~” とすれば、「~について警鐘を鳴らす」という意味になります。

また、「警鐘」の原義である「鐘」自体のことは英語で、 “alarm bell” や “warning bell” といいます。

まとめ

以上、この記事では「警鐘」について解説しました。

読み方警鐘(けいしょう)
意味危険を予告して警戒を促すもの
語源災害をいち早く知らせる鐘から
類義語警告、喚起など
対義語不注意、油断
英語訳alarm(警報、警報器)、warning(警告)など

人々は災害が起こってもしばらく経つと、その恐ろしさを忘れてしまいがちです。

専門家の人が鳴らす警鐘を無視するのでなく、きちんと受け止めて日ごろから準備をしておきたいものですね。