今回ご紹介する言葉は、故事成語の「鶏口となるも牛後となるなかれ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ)」です。
この言葉は有名ですよね。
由来を知っている人も多いと思います。
しかし、その分、意味や由来を知っていないと、常識がない人だと思われてしまうかもしれません。
そこで、「鶏口となるも牛後となるなかれ」の意味、由来、例文、類義語、対義語、英訳についてわかりやすく解説します。
☆「鶏口となるも牛後となるなかれ」をざっくり言うと……
読み方 | 鶏口となるも牛後となるなかれ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ) |
---|---|
意味 | 大きな集団で末端にいるよりも、小さな集団の長となるほうがいいということ |
由来 | 蘇秦が6か国の王に、「鶏口となるも牛後となるなかれ」と説いてまわったことから |
類義語 | 芋頭でも頭は頭、大鳥の尾より小鳥の頭、鯛の尾より鰯の頭 |
対義語 | 犬になるなら大家の犬になれ、箸と主とは太いがよい、寄らば大樹の陰 |
英語訳 | Better be the head of a dog than the tail of a lion |
このページの目次
「鶏口となるも牛後となるなかれ」の意味をスッキリ理解!
「鶏口となるも牛後となるなかれ」の意味を詳しく
「鶏口となるも牛後となるなかれ」とは、大きな集団で末端にいるよりも、小さな集団の長となるほうがいいということです。
ちなみに、「鶏口」とは、そのまま鶏の口のことです。小さな集団のリーダーのたとえになっています。
そのため、リーダー以外の人には用いません。
また、「牛後」とは、牛の尻のことです。大きな集団に従って使われる人のたとえになっています。
そして、「鶏口」を「鶏頭」としたり、「牛後」を「牛尾」とするのは間違いなので注意が必要です。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」の由来
「鶏口となるも牛後となるなかれ」の出典は『史記』の「蘇秦(そしん)列伝」という章です。
詳しく見ていきましょう。
戦国時代、秦(しん)という国が強くなり、他の国を圧倒しつつありました。
そんな時、蘇秦という人物が韓(かん)・魏(ぎ)・趙(ちょう)・楚(そ)・斉(せい)・燕(えん)の6か国の王に自らの考えを説いて回りました。
その考えは、秦に従うのではなく、独立した一国の王として連合し、秦に立ち向かうべきだというものでした。
この考えを説明する時に使ったのが、「鶏口となるも牛後となるなかれ」という言葉だったのです。
蘇秦とは、戦国時代に活躍した学者のひとりです。
強国の秦に対抗するため、他の6か国が連合してあたるべきであるという合従策(がっしょうさく)を主張しました。
これにより、強国の秦も15年は動くことができず、平和が保たれました。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」の例文
- 鶏口となるも牛後となるなかれ、という教えに従い、小さな企業の社長をしている。
- 鶏口となるも牛後となるなかれを目標に、社長になるのが夢だ。
- 鶏口となるも牛後となるなかれ、という考えは自分には合わない。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」の類義語
「鶏口となるも牛後となるなかれ」には以下のような類義語があります。
- 芋頭でも頭は頭
- 大鳥の尾より小鳥の頭
- 鯛(たい)の尾より鰯(いわし)の頭
「鶏口となるも牛後となるなかれ」の対義語
「鶏口となるも牛後となるなかれ」には以下のような対義語があります。
- 犬になるなら大家の犬になれ
- 大所の犬となるも小家の犬となるな
- 箸(はし)と主とは太いがよい
- 寄らば大樹の陰
「鶏口となるも牛後となるなかれ」の英語訳
「鶏口となるも牛後となるなかれ」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Better be the head of a dog than the tail of a lion.
(ライオンの尾になるより犬の頭になるほうがいい) - Better be first in a village than second at Rome.
(ローマの2位より村の1位のほうがいい)
まとめ
以上、この記事では「鶏口となるも牛後となるなかれ」について解説しました。
読み方 | 鶏口となるも牛後となるなかれ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ) |
---|---|
意味 | 大きな集団で末端にいるよりも、小さな集団の長となるほうがいいということ |
由来 | 蘇秦が6か国の王に、「鶏口となるも牛後となるなかれ」と説いてまわったことから |
類義語 | 芋頭でも頭は頭、大鳥の尾より小鳥の頭、鯛の尾より鰯の頭 |
対義語 | 犬になるなら大家の犬になれ、箸と主とは太いがよい、寄らば大樹の陰 |
英語訳 | Better be the head of a dog than the tail of a lion |
「鶏口となるも牛後となるなかれ」はとても勉強になる言葉ですよね。
人生の参考にしてみてはいかがでしょうか。