今回ご紹介する言葉は、熟語の「形骸化(けいがいか)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「形骸化」をざっくり言うと……
読み方 | 形骸化(けいがいか) |
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意味 | 実質的な意味を失い、形式だけになっていること |
類義語 | 空洞化、形式化、有名無実化など |
対義語 | 活性化、実用化 |
英語訳 | becoming a mere shell(形骸化する) |
「形骸化」の意味をスッキリ理解!
「形骸化」の意味を詳しく
「形骸化」とは、実質的な意味を失い、形式だけになっていることです。
物事が作られた当初の意味・意義・内容などが失われたり忘れられたりして、形ばかりのものになっていることを言います。
したがって、「形骸化」と言うとネガティブな印象を与えます。
- 「形」:ありさま、姿、体
- 「骸」:骨組みだけ残った体
これらの意味が合わさり、「形骸」は、骨組みだけ残った姿という意味になります。転じて、外の形だけを残して、実質的な意味を失っているものを意味しています。
したがって、「形骸化」は、「実質的な意味を失い、形式だけになること」を表すのです。
たとえば、規則を作ったとしても、実質的に効力を発揮していなかったり、誰もそれに従おうとしていないような場合に「規則が形骸化している」と言います。
そのほかにも、毎年恒例で地域のイベントが開催されていると仮定します。初めは地域を盛り上げるという目的のために行われていたにも関わらず、年月が経つにつれて、ただ目的もなく開催するようになってしまったとすると、この状況は「この地域イベントは形骸化している」と言えます。
「形骸化」の使い方
「形骸化」は、以下のように使うことができます。
- 1年前に立てられた会社の目標は、すでに形骸化している。
- 以前勤めていた会社では、「定時退社」という規則の形骸化が著しかった。
- 手帳に予定を書き込んでいるのだが、書いても見直していないため形骸化しているような気がする。
上記の例文のように、「形骸化」は、何かが中身のない形だけのものになっていることを表す際に使われます。
①の例文からは、1年前に立てた目標が早くも「あってないようなもの」になっている様子が伺えます。
②の例文では、「定時退社」という規則があったものの、ほとんどの人は定時に退社できていなかったという状況が表されています。目に見て分かるほどに形ばかりになっている様子を「形骸化が著しい」と言います。
③の例文は、手帳に予定を書いても結局は役立てられていないことを「形骸化している」と言っています。
「形骸化」の類義語
「形骸化」には以下のような類義語があります。
- 空洞化:実質を失って形だけが残ること
- 形式化:形だけで実質を伴わないこと
- 有名無実化(ゆうめいむじつか):名目ばかりで、実質が伴わないさま
- 死文化(しぶんか):条文だけがあり、実際の効力を失った法令や規則
- 空文化(くうぶんか):条文だけがあり、実際の効力を失った法令や規則
- 骨抜き:意見・計画などの肝心な部分を除き去ること
「空洞化」は、中身がなくなり空っぽになってしまうことを表す言葉です。
「形式化」には、ただ物事をこなすだけになっていて「おざなりだ」というニュアンスが含まれます。
「死文化」と「空文化」は、法令や規則に限定した言い方です。同じ意味を表す言葉であるため、それぞれ言い換えることができます。
「骨抜き」を簡単に言い換えると、「重要な部分が失われている」ことを言います。
「形骸化」の対義語
「形骸化」には以下のような対義語があります。
- 活性化:組織などの活動を活発にすること
- 実用化:実際に使ったり、役立つようにすること
「形骸化」の英語訳
「形骸化」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- becoming a mere shell
(形骸化する) - becoming a dead letter
(形骸化する) - losing substance
(形骸化)
“mere shell” は、単なる骨組みという意味です。また、 “dead letter” を直訳すると死文となります。転じて、形ばかりになるという意味を表しています。
substanceは、実質、実体、中身という意味です。 “losing substance” は、実質や実体、中身が失われていることを表しています。
まとめ
以上、この記事では「形骸化」について解説しました。
読み方 | 形骸化(けいがいか) |
---|---|
意味 | 実質的な意味を失い、形式だけになっていること |
類義語 | 空洞化、形式化、有名無実化など |
対義語 | 活性化、実用化 |
英語訳 | becoming a mere shell(形骸化する) |
「形骸化」は少し難しく聞こえる言葉ですが、日常的に使われる場面も多々あります。
意味をきちんとおさえ、正しく使いこなせるようにしましょう。