故事成語「河は委蛇を以ての故に能く遠し」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「河は委蛇を以ての故に能く遠し(かわはいいをもってのゆえによくとおし)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語についてわかりやすく解説します。

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「河は委蛇を以ての故に能く遠し」の意味をスッキリ理解!

河は委蛇を以ての故に能く遠し(かわはいいをもってのゆえによくとおし):
川が地形に沿って遠くへ流れるように、状況に柔軟に対応すれば物事を成し遂げられるというたとえ

「河は委蛇を以ての故に能く遠し」の意味を詳しく

「河は委蛇を以ての故に能く遠し」は、川の流れにたとえて人生の教訓を教える故事成語です。

意味を説明する前に、読みと単語の意味から確認しましょう。

「委蛇」は、「いい」もしくは「いだ」と読みます。ここでは、川が曲がりくねりながら流れる様子を意味しています。「能く」は、「よく」と読みます。「~~ができる」という意味の、古い表現です。「可能」「能力」の「能」ですね。

 

ちなみに、「河」という文字は、中国では黄河を指します。中国の二大河川といえば黄河と長江ですが、長江は「江」と書きます。黄河は、「黄河九曲」という言葉があるほど曲がりくねった川です。平坦な砂漠の中を流れているため、砂交じりの黄色い水が、曲がりくねって流れます。

川が地形に沿って流れなければ、流れは止まってしまいます。水は高いところから低いところへと流れ、海まで到達します。

「物事を成し遂げるにも、自然の摂理に逆らうことはできない」というのが、「河は委蛇を以ての故に能く遠し」の意味です。無理をして不自然なことをしようとしても、先に進むことができないということです。

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「河は委蛇を以ての故に能く遠し」の使い方

  1. 河は委蛇を以ての故に能く遠し。いきなり難問に手をつけず、基礎的な問題から始めよう。
  2. 河は委蛇を以ての故に能く遠しだと言うように、改革をするには入念な根回しが肝心だ。
  3. 河は委蛇を以ての故に能く遠しとは言うが、ひらめきによって革新が起こることもある。

「河は委蛇を以ての故に能く遠し」の由来

「河は委蛇を以ての故に能く遠し」は、古代中国の書物の一節に由来する言葉です。

今からおよそ2000年前の漢の時代に、時の皇帝を戒めるために、さまざまな話が集められました。それらは、儒教を研究していた劉向(りゅうこう)によって『説苑(ぜいえん)』としてまとめられました。

その一説に、次のような文があります。

河は委蛇を以ての故に能く遠く、山は陵遅(りょうち)を以ての故に能く高く、道は優游(ゆうゆう)を以ての故に能く化し*、徳は純厚(じゅんこう)を以ての故に能く豪(つよ)し。

*化す=~~になる。ここでは、道が道としてなりたつこと

4つのたとえがあげられていますね。どれも、自然にコツコツと積み重ねていくことで、大きな結果を残すことを意味しています。たとえば、2番目の山のたとえでは、ゆるやかな斜面が続いて高い山ができていると言っています。とがった岩山も、ふもとはなだらかですよね。

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「河は委蛇を以ての故に能く遠し」の類義語

「河は委蛇を以ての故に能く遠し」には、以下のような類義語があります。

  • 千里の道も一歩から:長い道のりも、一歩を踏み出すことで踏破できるというたとえ
  • 高きに登るには卑(ひく)きよりす:高い山に登るにも低いところから登り始めるというたとえ

無理せずコツコツと積み重ねることが、大きな成功を勝ち取るために必要なことですよね。

ただし、ここで挙げた2つの例では、「状況に逆らわなずにコツコツと」というよりも、ただ「地道にコツコツと」という意味合いが強いといえます。「河は委蛇を以ての故に能く遠し」はあまり使われない故事成語ですが、独自のニュアンスを持っています。

まとめ

以上、この記事では「河は委蛇を以ての故に能く遠し」について解説しました。

読み方 河は委蛇を以ての故に能く遠し(かわはいいをもってのゆえによくとおし)
意味 状況に柔軟に対応することで物事を成し遂げられるというたとえ
由来 古代中国で書かれた『説苑』の一節から
類義語 「千里の道も一歩から」「高き山も卑きよりす」

大きな目標を達成するには、焦ってしまうこともあるかもしれません。しかし、曲がりくねって悠々と流れる黄河のように、一つ一つの状況に対応していくことで成功に至るのです。

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