祝詞「かしこみかしこみ」の意味とは?漢字表記は?わかりやすく解説

言葉

「かしこみかしこみ」とは「最大限に畏れ敬い、心から祈りを捧げさせていただく」という意味です。

神様に関するアニメ作品や歌の中で、「かしこみかしこみ」を聞いたことはありますか?

ひらがなだけの言葉なので、意味が想像しにくいですよね。

神社に参拝するときなどのためにも知っておきたい言葉ですので、意味や使い方を覚えておきましょう。

☆「かしこみかしこみ」をざっくり言うと……

読み方かしこみかしこみ
意味最大限に畏れ敬い、心から祈りを捧げさせていただく

「かしこみかしこみ」の意味

かしこみかしこみ
最大限に畏れ敬い、心から祈りを捧げさせていただく

「かしこみかしこみ」は「神様を最大限に畏れ敬い、心から祈りを捧げさせていただく」という意味です。

日本神道において、神様にお願い事をするときにもつ「心から敬意をもつ気持ち」を表します。

「かしこみかしこみ」は、「かしこみ」を2回繰り返した言葉です。

「かしこみ」の意味
  • 恐れる
  • 恐れ多く思う
  • 畏(かしこ)まる
  • 謹(つつし)んで承(うけたまわ)る

1回目の「かしこみ」が「恐れ多くも敬意を示す気持ち」を意味し、2回目の「かしこみ」が1回目の「かしこみ」の意味を強調しています。

ここでいう「恐れ」は単なる「恐怖」ではなく、神様を偉大な存在として「恐れ多くも敬意を示したい気持ち」です。

「かしこみかしこみ」の表記

「かしこみかしこみ」は、基本的にはひらがなで表記します

「かしこみかしこみ」は、以下のように表記することもあります。

  • 恐み恐み
  • 畏み畏み
  • 恐み畏み
  • 恐美恐美

「恐美恐美」は、神前の結婚式で使われます。

結婚が良いものとなるように、「恐み恐み」に「美」という縁起の良い漢字を入れているのです。

「かしこみかしこみ」の使い方

「かしこみかしこみ」は以下のような場面で使われます。

  • 神社に参拝するとき
  • 神棚に祈りを捧げるとき
  • 神前の結婚式
  • お宮参り
  • 七五三
  • 地鎮祭(じちんさい)
  • お祓(はら)い
  • 厄払(やくばら)い

つまり、「かしこみかしこみ」は神様にお願い事をするときに使うのです。

参拝する際は、以下の手順で「かしこみかしこみ」を使います。

参拝の手順
  1. 2礼・2拍手
  2. お願い事やご報告を口に出す
  3. 「かしこみかしこみ」を使った言葉を口に出す
  4. 最後に1礼

「かしこみかしこみ」の例文

「かしこみかしこみ」は以下のように使います。

  • かしこみかしこみもまおす
    恐れ多くも申し上げました
  • かしこみかしこみももうす
    恐れ多くも申し上げました
  • かしこみかしこみももうさく
    恐れ多くも申し上げさせていただきますが〜

「かしこみかしこみもまおす」の意味

「かしこみかしこみもまおす」は、以下のような意味があります。

読みかしこみかしこみもまおす
意味恐れ多くも申し上げました
表記かしこみかしこみ+接続詞「も」+まおす(白す)
使い方(主に神社で)お願い事を言った後に続けて言う

「かしこみかしこみももうす」の意味

「かしこみかしこみももうす」は、以下のような意味があります。

読みかしこみかしこみももうす
意味恐れ多くも申し上げました
表記かしこみかしこみ+接続詞「も」+もうす(白す)
使い方(主に神棚に)お願い事を言った後に続けて言う
『もののけ姫』に「かしこみかしこみ申す」という台詞がある

スタジオジブリの長編アニメ『もののけ姫』の中に、「かしこみかしこみ申す」という台詞があります。

これは、「かしこみかしこみももうす」から接続詞「も」が抜け落ちたものだと考えられます。

「かしこみかしこみももうさく」の意味

「かしこみかしこみももうさく」は、以下のような意味があります。

読みかしこみかしこみももうさく
意味恐れ多くも申し上げさせていただきますが〜
表記かしこみかしこみ+接続詞「も」+もうさく(白さく)
使い方お願い事の文をつなぐときに言う

「かしこみかしこみ」の注意点

「かしこみかしこみ」はふざけて使ってはいけません

「かしこみかしこみ」は、神様に捧げる「祝詞」のひとつです。

そのため、日常生活で人に対して使うことはありません。

たとえば、立場が上の人から怒られたときに、わざと「かしこみかしこみ」と皮肉まじりに使うことなどは、相手に対して失礼です。

「祝詞(のりと)」とは

「かしこみかしこみ」は「祝詞」のひとつです。

「祝詞」とは、日本神道において「神様に何かをお伝えするときの言葉」です

人間が、神様という恐れ多い存在に何かを伝える際には、失礼にあたらないように最大限の注意を払う必要があります。

「祝詞」は神主(かんぬし)や巫女(みこ)だけではなく、一般の人も使います。

「祝詞」をささげる手順

「祝詞」をささげる際は、以下のような手順で行います。

「祝詞」をささげる手順
  1. 手と口を水で洗う
  2. 2拝
  3. 「祝詞」をささげる
  4. 2拝2拍手1拝

「かしこみかしこみ」のまとめ

以上、この記事では「かしこみかしこみ」について解説しました。

読み方かしこみかしこみ
意味最大限に畏れ敬い、心から祈りを捧げさせていただく

「かしこみかしこみ」は、神様に対する「祝詞」のひとつです。

日常的に使うことは少ないかもしれませんが、今度神社に参拝するときには、お願い事を言った後に続けて言ってみたいですね。

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まや
自称、誤字キラー。 Web記事でも誤字脱字を見逃しません。言葉が大好きです。 大学では言葉遊びについて研究していました。マイブームは日本語ラップを聴くこと。