今回ご紹介する言葉は、ことわざの「稼ぐに追いつく貧乏なし」です。
言葉の意味・例文・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「稼ぐに追いつく貧乏なし」をざっくり言うと……
意味 | 常に精を出して働けば、貧乏に苦しむことはないということ |
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由来 | 一生懸命働いていれば貧乏神が追いつかれることはないということから |
類義語 | 稼げば身立つ、鍬(くわ)をかたげた乞食は来ない、精出せば凍る間もなし水車、辛抱に負いつく貧乏なしなど |
対義語 | 稼ぐに追いつく貧乏神など |
英語訳 | Poverty is a stranger to industry.(勤勉は貧乏を知らない) |
このページの目次
「稼ぐに追いつく貧乏なし」の意味をスッキリ理解!
「稼ぐに追いつく貧乏なし」の意味を詳しく
「稼ぐに追いつく貧乏なし」は、一生懸命に働けば、貧乏で困るようなことはない、という意味を表すことわざです。
遊ぶ暇がないほどまじめに働いていれば、それだけのお金が入ってくるので、貧乏になることはない、ということです。
また、貧乏だ、お金が足りない、などといって悩んでいる暇があるなら働くべきだ、という意味でもあります。
したがって、働かなければ貧乏になり苦労をするから、人は働かなければいけない、という戒めの言葉でもあります。
「稼ぐに追いつく貧乏なし」の例文
- 稼ぎに追いつく貧乏なしとは言うが、安い給料じゃギリギリの生活だ。
- 安定した生活を送りたいなら、まじめに働くことだ。稼ぎに追いつく貧乏なしと言うだろう。
「稼ぐに追いつく貧乏なし」の由来
「稼ぐに追いつく貧乏なし」は、貧乏神が追いかけて来ても、一生懸命仕事をしていれば追いつかれることはない、ということからきています。
「貧乏神」という言葉が出てきましたが、「貧乏神」は別名「窮鬼(きゅうき)」といい、「いきすだま」という意味があります。
「いきすだま」とは、「生きている人の怨念(おんねん)から生ずる雰囲気や性格のようなもの」を意味します。
この「いきすだま」に追いつかれないように働くべきだということを言っています。
つまり、人を怨まず、怨まれることなく、世の中の役立つ仕事をするべきだということです。
そうすれば、「いきすだま」が寄りつかない、つまり「貧乏神」に追いつかれない、ということを表します。
「稼ぐに追いつく貧乏なし」の類義語
「稼ぐに追いつく貧乏なし」には以下のような類義語があります。
- 稼げば身立つ
- 鍬(くわ)をかたげた乞食は来ない
- 精出せば凍る間もなし水車
- 辛抱に負いつく貧乏なし
「稼ぐに追いつく貧乏なし」の対義語
「稼ぐに追いつく貧乏なし」には以下のような対義語があります。
- 稼ぐに追い抜く貧乏神:いくら働いても貧乏から抜け出せないことのたとえ
「稼ぐに追い抜く貧乏神」は、「稼ぐに追い付く貧乏なし」をもじったことわざです。
稼ぐ速さよりも、 貧乏神のほうが速いという意味があります。
「貧乏神(びんぼうがみ)」とは、人にとりついてその人を貧乏にすると考えられている神のことです。
別名で「窮鬼(きゅうき)」と呼ばれ、「いきすだま」という意味があります。
「いきすだま」とは、「生きている人の怨念(おんねん)から生ずる雰囲気や性格のようなもの」を意味します。
「怨念(おんねん)」とは、怒りや妬み、恨みなどが長い時間をかけ寄り集まったものをいいます。
つまり、このことわざは「人から怨まれるような仕事をしていると、その人のところへ貧乏神が集まって来る」という意味だと考えることもできます。
「稼ぐに追いつく貧乏なし」の英語訳
「稼ぐに追いつく貧乏なし」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Money does not grow on trees.
(金は木に育たない) - Poverty is a stranger to industry.
(勤勉は貧乏を知らない)
まとめ
以上、この記事では「稼ぐに追いつく貧乏なし」について解説しました。
意味 | 常に精を出して働けば、貧乏に苦しむことはないということ |
---|---|
由来 | 一生懸命働いていれば貧乏神が追いつかれることはないということから |
類義語 | 稼げば身立つ、鍬(くわ)をかたげた乞食は来ない、精出せば凍る間もなし水車、辛抱に負いつく貧乏なしなど |
対義語 | 稼ぐに追いつく貧乏神など |
英語訳 | Poverty is a stranger to industry.(勤勉は貧乏を知らない) |
「稼ぐに追いつく貧乏なし」は昔から言われてきたことわざですが、いくら働いても生活が楽にならないワーキングプアも問題視されています。
仕事は人生に欠かせないものですから、生活のためにも自分に合った仕事を見つけることが大切だといえます。