お金を手に入れることを指す表現としては、「稼ぐ」と「儲ける」の 2 種類があります。
これらの言葉を私たちはなんとなく使いわけていますよね。「稼ぐ」にしないとおかしい場面もありますし、「儲ける」にしないとおかしい場面もあります。
しかし、「稼ぐ」と「儲ける」の違いについてはなかなか答えられないという人が多いでしょう。
そこで、今回は「稼ぐ」と「儲ける」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:ニュアンスが違う
一方、「儲ける」とは予想外な利益が出たり、うまく利益を得たりすることを表します。
つまり、「稼ぐ」と「儲ける」ではニュアンスが異なるのです。
「稼ぐ」をもっと詳しく
稼ぐとは精を出して働くことやその働きでお金を得ることを表します。
そのため、株やギャンブルなどで金を得た時にはあまり使われません。
しかし、その場合でも継続的に利益が出ている場合は、地道に利益を得ていることになるため、「稼ぐ」を使っても間違いではありません。
また、稼ぐという言葉にはそのほかにも 4 つ意味があります。
まず、「試合などで得点をあげること」を稼ぐと表現します。
例えば、「彼はヒットで打点を稼いだ」などと使います。
また、「自分の立場が有利になるように行動をすること」も表します。
例えば、「彼は課長を持ち上げて点数を稼いだ」などのように使います。
次に、「都合のよい状態になるまで何かをして時間を経過させること」も稼ぐで表現することができます。
例えば、「その司会は歌手がステージに登場するまで時間を稼いだ」などと言うことがあります。
また、これは現代ではあまり使われませんが、「探し求める」という意味もあります。
そして、「稼」という漢字は紡いだ糸を巻き取る道具である「かせ」からできているという説が有力です。
糸を巻き取る作業はもともと「かせぐ」と呼ばれており、こつこつと働くさまと糸が同じペースで巻き取られる様子が似ていたため、このような使われかたをするようになったのです。
「儲ける」をもっと詳しく
儲けるとは予想外な利益が出たり、うまく利益を得たりすることを表します。
また、儲けるにはこの意味のほかにも 3 つほど意味があります。
まず、儲けるという言葉は「子どもを得る」という意味で使われることがあります。
例えば、「彼は年下の妻との間に子を儲けた」などのように使われます。
次に、これは古風な意味ですが、「夫や妻や義理の親を持つ」という意味もあります。
また、これも古い意味ですが、「病気にかかる」という意味で使われることもあります。
ちなみに、「儲」という漢字は「信」と「者」からできているので、顧客を信者にしてお金を得ることだと言われることもありますが、これは後付けであり、正しくありません。
「儲」は正しくは「人」と「諸」からできており、このうち「諸」は芝を集めてもやす様子を表しており、のちにこの漢字は「貯める」という意味を表すようになりました。
つまり、「儲」という漢字と「信者」との間に関係はないのです。
まとめ
以上、この記事では、「稼ぐ」と「儲ける」の違いについて解説しました。
- 稼ぐ:精を出して働くことやその働きでお金を得るこ
- 儲ける:予想外な利益が出たり、うまく利益を得たりすること
「儲ける」ことをずっと考えていると、思わぬところで足をすくわれてしまうかもしれません。
お金を得ようというときには「稼ぐ」という気持ちでやったほうがいいのかもしれません。