今回ご紹介する言葉は、熟語の「干渉(かんしょう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「干渉」をざっくり言うと……
読み方 | 干渉(かんしょう) |
---|---|
意味 | 他人の事情に立ち入り、自分の意思に従わせようとすること |
類義語 | 介入、妨害、支配など |
対義語 | 放任 |
英語訳 | interference(口出し、干渉) |
「干渉」の意味をスッキリ理解!
「干渉」の意味を詳しく
「干渉」は、「干」と「渉」という2つの単語から構成されています。
「干」は、「おかす」、「かかわる」という意味をもっており、「干犯(かんぱん)」、「干与(かんよ)」等の熟語にも用いられています。
「渉」は、「わたる」、「かかわる」という意味をもっており、「渉外(しょうがい)」、「交渉(こうしょう)」等の単語に用いられています。
これらの単語から、「干渉」は、「相手に必要以上に立ち入り、相手の意思を侵(おか)す」という意味をもつことがわかります。
専門用語としての「干渉」
「干渉」は、専門用語としても用いられます。
国際法における「干渉」
「干渉」は国際法において、「一国が他国の内政・外交に介入すること」という意味で用いられます。国際法とは、国家間の秩序を保つための法律です。
たとえば、「内政干渉」という言葉があります。他国の政治や外交に介入して、その国の主権を侵害することを指します。国際法では、内政干渉は禁じられており、そのことを内政不干渉の原則と言います。
物理学における「干渉」
「干渉」は、物理分野において、「2つ以上の同じ種類の波が重なって、互いに強め合ったり、弱め合ったりする現象」という意味で使われます。
たとえば、2つの小石を水面に投げ込むとします。2つの石が落ちた地点から、それぞれ波が広がっていきます。
ある場所で2つの波はぶつかり、それぞれを合計した高さの波ができ上がります。これを、波の干渉と言います。
「干渉」の使い方
- 他人の行動にまで、干渉する。
- 子供の友人関係にも口を出すなど、私の親には過干渉なところがある。
- 他国の内政に、武力干渉する。
①の例文で「干渉」は、「干渉する」という形で使われており、「必要以上に口出しし、自分の意思に従わせる」という意味で用いられています。
②の例文では、「干渉」は、「過干渉」という熟語として使われており、「干渉」の程度が強いことを表しています。このように、「干渉」は、他の漢字と合わさった 1つの熟語として使われる場合もあります。
③の例文の「武力干渉」とは、「他国の政治に武力で介入する」という意味で使われています。
「干渉」の類義語
干渉には以下のような類義語があります。
- 介入(かいにゅう):当事者以外の者が入り込むこと
- 妨害(ぼうがい):妨(さまた)げること
- 支配(しはい):ある地域や国家を自らの権力下におくこと
- 邪魔(じゃま):妨げること
「支配」は、「干渉」の「他国の政治に介入する」という意味に対する類義語です。
「干渉」の対義語
干渉には以下のような対義語があります。
- 放任(ほうにん):干渉せず、したいようにさせること
「干渉」の英語訳
干渉を英語に訳すと、次のような表現になります。
- interference
(口出し、干渉) - meddling
(おせっかい、干渉) - intervention
(干渉、仲裁)
intervention は、armed intervention(武力干渉) 等の形で使われ、「他国の政治に介入する」という意味の英語訳です。
まとめ
以上、この記事では「干渉」について解説しました。
読み方 | 干渉(かんしょう) |
---|---|
意味 | 他人の事情に立ち入り、自分の意思に従わせようとすること |
類義語 | 介入、妨害、支配など |
対義語 | 放任 |
英語訳 | interference(口出し、干渉) |
他人が自分と反する意見をもっていたり、意に反する行動をすることはよくあることです。
しかし、必要以上に自分の主張を押し付けることは、相手との関係を壊すことにもつながりかねません。
自分の意思は伝えながらも、相手の考えを尊重することも大切です。