今回ご紹介する言葉は、熟語の「寒心(かんしん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳・同音異義語についてわかりやすく解説します。
☆「寒心」をざっくり言うと……
読み方 | 寒心(かんしん) |
---|---|
意味 | 恐れを感じ、ぞっとすること |
類義語 | 震え、慄き、恐怖など |
英語訳 | shudder(ぞっとする) |
「寒心」の意味をスッキリ理解!
「寒心」の意味を詳しく
「寒心」とは、恐れを感じてぞっとした思いをすることです。
「寒」という字には「さむい」「つめたい」という意味のほかに「ぞっとする」という意味もあります。
また、「心」という字は記憶や感覚など、脳の働きによる作用全体を表します。
これらが組み合わさり、「ぞっとする気持ち」という意味になるのです。
「寒心」の使い方
- 自分がいつも歩いている道で事故が起こるなんて、寒心に堪えないことだ。
- 部屋の様子を盗撮されていたと知って、寒心しない人はいないだろう。
上記の例文のように、「寒心」は「寒心に堪えない」「寒心する」の形で使われます。
①の例文では、事故が起こったという事実に対し、「寒心」という言葉が使われています。
ただ事実を述べるのではなく、「寒心に堪えない」と表現することで、暗に「もしかしたら、自分が事故に巻き込まれていたかもしれない」という気持ちが込められているのがわかります。
②の例文では、「盗撮されていた」ということに対し、気づいた瞬間のぞっとするような感覚を「寒心する」という言葉で表現しています。
「寒心に堪えない」「寒心する」のどちらも、同じ場面で使われる表現です。しかし、表現としては「寒心に堪えない」の方が慣用的なので、文の形にこだわりがなければこちらを使いましょう。
「寒心」の類義語
寒心には以下のような類義語があります。
- 震え(ふるえ):体が小刻みにぶるぶるゆれること
- 慄き(おののき):恐怖・寒さなどによる震え
- 戦慄き(わななき):恐怖・寒さなどによる震え
- 恐怖:恐れ、怖がる気持ち
「震え(ふるえ)」とは、小刻みに体などがゆれることです。
「慄き(おののき)」と「戦慄き(わななき)」はどちらも、恐怖や寒さを感じたときや興奮したときの、ぶるぶるとした震えのことです。
「慄き」は「戦き」とも書きます。
「慄き」と「戦慄き」は、同じ言葉の音が変わった形だと考えられており、明確の意味の使い分けはされていません。
「恐怖」とは、恐れたり怖がったりすることです。心の動きとして、なにかに怖がる感覚について言い表すことができます。
「恐怖」と同様に「寒心」は、実際の体の震えがあるかどうかにかかわらず、ぞっとした思いをすることを表します。それに対し「震え」「慄き」「戦慄き」は、どれも実際に体を震わせる場合に使う言葉です。
震えていること自体に焦点を当てるのであれば「震え」「慄き」「戦慄」、ぞっとした思いに焦点を当てるのであれば「寒心」「恐怖」を使うとよいでしょう。
「寒心」の英語訳
寒心を英語に訳すと、次のような表現になります。
- shudder
(ぞっとする)
「寒心」に近い意味のある英単語はshudderです。
shudderには「ぞっとする」という意味と、「恐怖などにより震える」という意味があります。「寒心」には「震える」という意味はありませんが、うまく使えば「ぞっとする」というニュアンスが伝わるでしょう。
「関心」「感心」「歓心」の意味
「関心」とは、物事に興味を持つことです。「関心を持つ」という表現が一般的です。
「感心」とは、相手の態度や行いに心が動くことです。ただし、「感心」する対象は自分より目下の相手でなければいけません。
「歓心」とは、嬉しさを感じたり、喜ぶような気持ちを持ったりすることです。
同音異義語が多く混乱しがちですが、混同せずに使い分けられるようにしましょう。
まとめ
以上、この記事では「寒心」について解説しました。
読み方 | 寒心(かんしん) |
---|---|
意味 | 恐れを感じ、ぞっとすること |
類義語 | 震え、慄き、恐怖など |
英語訳 | shudder(ぞっとする) |
同音異義語が多く混乱しがちな「寒心」ですが、身近な感覚を言い表わせる便利な言葉でもあります。ぜひ覚えておきましょう。