「感銘を受ける」とは?意味と使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

「感銘を受ける」は「この先も忘れられないほど、心を大きく動かされる」という意味です。

漢字が少し難しいため、「感銘を受ける」という言葉を普段の生活のなかで使っていいのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

また、「他の表現への言い換え方を知りたい」と思っている方もいるでしょう。

この記事では、「感銘を受ける」の意味や使い方、類語を詳しく解説します。

「感銘を受ける」の意味

感銘かんめいける

この先も忘れられないほど、心を大きく動かされる

「感銘を受ける」は、「この先も忘れられないほど、心を大きく動かされる」という意味です。

「感銘」という熟語を用いた慣用表現です。

素晴らしいものに心を動かされた際に、非常にポジティブな意味合いで使われます。

ここからは、「感銘」の意味を詳しく解説します。

「感銘」の意味を詳しく

「感銘」は、「心を動かされる」という意味の名詞です。

「感銘」は「感」と「銘」の二語から成り立っています。

  • :心を動かされる
  • :一流で優れているもの

これらの二語を組み合わせると、「優れたものに心を動かされる」となります。

したがって、「感銘」は「素晴らしいものに触れて、心を動かされる」という意味になるのです。

能動態は「感銘を与える」など

「感銘を受ける」は、何かから感動を得るという “受動態” の表現です。

一方で、相手の心を動かすという “能動態” の表現としては、以下のようなものがあります。

  • 感銘を与える
  • 感銘をもたらす

参考までにおさえておきましょう。

「肝銘を受ける」と書く場合もある

「感銘を受ける」は、「肝銘を受ける」と書く場合もあります

「肝」には、以下のような意味があります。

 音読み:カン / 訓読み:きも

  1. 肝臓
  2. 物事の重要な部分

上記3つの表現のうち、②の「心」という意味が、「肝銘を受ける」の「肝」に含まれています。

「感銘を受ける」のほうが一般的な表記

「感銘を受ける」のほうが、「肝銘を受ける」よりも一般的な表記です。

そのため、表記に迷った際には「感銘を受ける」と書くのが無難です。

「感銘を受ける」の使い方・例文


「感銘を受ける」は、主に以下のようなかたちで使います。

「感銘を受ける」の使い方
  • 〇〇に感銘を受ける
  • 感銘を受けた〇〇

〇〇部分には、心を動かされた物事が入ります。

具体的な例文を見てみましょう。

例文
  1. 最後まで諦めない選手の姿に、感銘を受けた
  2. 私が感銘を受けた映画は、黒澤明監督の『生きる』です。

「感銘を受ける」は、すでに見聞きした出来事について使うことが多いです。

そのため、「〇〇に感銘を受ける」は、「〇〇に感銘を受けた」というように過去形で使われる傾向があります。

目上の人との会話で使うことが多い

「感銘を受ける」は、目上の人との会話や手紙などで使うことが多いです。

「感動する」などの表現に比べると、あらたまった印象の言葉であるからです。

目上の人に対して使う際は、「感銘を受ける」の「受ける」部分を、以下のような丁寧なかたちに変えましょう。

「感銘を受ける」を丁寧にしたかたち
  • 感銘を受けます
  • 感銘を受けました

目上の人との会話しているシチュエーションを思い浮かべながら、以下の例文を見てみましょう。

例文
  1. 校長先生のスピーチには、毎回感銘を受けます
  2. 課長からいただいた本を拝読したのですが、感銘を受けました

「感銘を受ける」を使うときの注意点

「感銘を受ける」を使うときには、以下の点に気をつけましょう。

注意点
  1. 自分に対して使うのは不自然
  2. 敬語ではない
  3. ネガティブな意味合いでは使わない
  4. 自然・風景にはあまり使わない

以下、それぞれについて解説します。

①自分に対して使うのは不自然

自分自身の行動に対して「感銘を受ける」を使うのは不自然です。

「自分に大きく心を動かされた」という意味合いになってしまい、「自分で自分を褒めていて、厚かましい」という印象になるからです。

②敬語ではない

「感銘を受ける」そのものに、敬語としての役割はありません。

③ネガティブな意味合いでは使わない

「感銘を受ける」は、ネガティブな意味合いでは使いませんから、注意しましょう。

感銘の「銘」には、「一流で優れているもの」という良い意味が含まれています。

したがって、「感銘を受ける」はポジティブな意味合いで用いられるのです。

素晴らしい物事に心を動かされるときに使いましょう。

④自然・風景にはあまり使わない

「感銘を受ける」は、自然・風景に心を動かされた場面では、あまり使いません

自然や風景の美しさが深く印象に残った場合は、「感動する」などの表現を使います。

このルールに明確な理由はありませんが、慣例として覚えておきましょう。

「感銘を受ける」は就職活動でも使う


「感銘を受ける」は、就職活動において、見聞きしたり、使ったりすることが多い表現です。

具体的な場面としては、以下の2つに分かれます。

  • 企業側が使う場面
  • 入社を志望する側が使う場面

以下、それぞれについて詳しく解説します。

企業側が使う場面

企業側は、「感銘を受けたもの」を質問することが多いです。

「この人は何に心を動かされるのだろうか」ということを聞くことで、入社志望者の内面を知ることができるからです。

たとえば、面接やエントリーシートのなかで、以下のような質問があります。

  • あなたが感銘を受けた言葉は何ですか。
  • 最近感銘を受けた出来事を教えてください。

入社を志望する人が使う場面

就職活動では、入社を志望する人が、企業に対して「感銘を受ける」を使うことも多々あります。

具体的には、面接やエントリーシートで、入社したい企業に強く共感した際に使います。

  • 私は御社の企業理念に感銘を受け、入社を希望いたしました。
  • 御社が様々な慈善事業をしていることを知り、感銘を受けました
就職活動で「感銘を受けた」の多用はNG

就職活動の際、企業に対しては、「感銘を受けました」「感銘を受け、〜」という表現を使いすぎないようにしましょう。

しつこい印象を与えてしまうからです。

「感銘を受ける」の類語

「感銘を受ける」には、たくさんの類語があります

これらの類語は、以下4つのパターンに分けることができます。

類語のパターン
  1. 「感銘」を用いた類語
  2. 心を動かされるという意味の類語
  3. とても印象的という意味の類語
  4. ずっと忘れないという意味の類語

次の見出しからは、それぞれのパターンに分けて、「感銘に受ける」の類語を紹介します。

類語①「感銘」を用いたもの

「感銘」を用いて、「感銘を受ける」と似た意味を表すことができます。

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 感銘を味わう
  • 感銘を覚える
  • 感銘する

これらはすべて、「感銘を受ける」と同じく「この先も忘れられないほど、心を大きく動かされる」という意味を表します。

しかし、厳密には、以下の表のように、細かいニュアンスの違いがあります。

 厳密なニュアンス
感銘を受ける強く心を動かされる
感銘を味わうしみじみと感動の気持ちを噛みしめる
感銘を覚える自然と心を動かされる
感銘する単純に心を動かされたことのみを表す

類語②心を動かされるという意味のもの


「感銘を受ける」には、「心を動かされる」という意味合いがあります。

このニュアンスに当てはまる類語には、以下のようなものがあります。

  • 感動(かんどう)する
  • 感激(かんげき)する
  • 琴線(きんせん)に触れる
  • 感心(かんしん)する
  • 共感(きょうかん)する
  • 感服(かんぷく)する
  • 敬服(けいふく)する
  • 脱帽(だつぼう)する
  • 胸に響く
  • 心を打たれる
  • 魂(たましい)が震える
  • 感化(かんか)される

上記の表現はすべて、「何かに心を動かされる」という意味をもちます。

「感銘を受ける」と「感動する」の違い

「感銘を受ける」と「感動する」には、次のような違いがあります。

使う場面持続性自然・風景への使用
感銘を受けるややあらたまった表現ずっと続く感情
感動する日常会話でもよく使う一時的な感情

「感銘を受ける」と「感激する」の違い

「感銘を受ける」と「感激する」には、以下のような違いがあります。

自分への使用その後の変化
感銘を受ける
✖️
感激する
自分のモチベーションが上がる

「感銘を受ける」と「琴線に触れる」の違い

「感銘を受ける」と「琴線に触れる」には、使い方において以下のような違いがあります。

  • 感銘を受ける
    「〇〇に感銘を受ける」と使う
  • 琴線に触れる
    「〇〇が琴線に触れる」と使う

なお、「琴線に触れる」の「琴線」とは、琴(こと)の弦(げん)のことを表します。

素晴らしいものに触れ、感動することの例えなのです。

琴とは
日本の伝統的な弦楽器のこと。

「感銘を受ける」と「感心する」の違い

「感銘を受ける」と「感心する」は、使うことができる相手について、以下のような違いがあります。

  • 感銘を受ける
    誰に対しても使える
    (特に、目上の人に使うことが多い)
  • 感心する
    目上の人には使えない

「感心する」は、目上の人に使うことができませんから、気をつけましょう。

目上の人に「感心しました」という表現を使うと、「相手に対して偉そうな態度をとっている」「敬意を欠いている」という印象になってしまいます。

「感銘を受ける」と「共感する」の違い

「感銘を受ける」と「共感する」は、どちらも心を大きく動かされることを表します。

ただし、「他人に対して同じ気持ちをもっているか」という点において、以下のような違いがあります。

  • 感銘を受ける
    単に心を大きく動かされることだけを表す
  • 共感する
    他人の気持ちや意見に、「その通りだ」と思うことを表す

「感銘を受ける」は、他人の気持ちと同じ気持ちになることを表しています。

この点に注意しましょう。

類語③とても印象的という意味のもの


「感銘を受ける」は、何かに強く心を動かされたときに使う表現です。

ですから、「印象に強く残る経験をした」という意味合いが含まれています。

このニュアンスに当てはまる類語には、以下のようなものがあります。

  • 強烈(きょうれつ)な
  • インパクトの強い
  • 衝撃を受ける
上記の類義語は悪い場面でも使う

ただし、上記の表現はすべて、悪い場面でも使います。

この点は、良い意味で使う「感銘を受ける」とは異なるポイントですから、気をつけましょう。

類語④ずっと忘れないという意味のもの


「感銘を受ける」には、「心を大きく動かされる」という意味合いだけでなく、「ずっと忘れないだろう」という意味合いも含まれます。

このニュアンスに当てはまる類語には、以下のようなものがあります。

  • 心に刻む
  • 心に留める(とめる)
  • 胸に刻む
  • 肝に銘じる
  • 脳裏(のうり)に焼き付く
  • 目に焼き付く
  • 留意する
  • 銘記(めいき)する
  • 印象に残る

これらの表現はすべて、「何かを記憶に残しつづける」という意味合いがあります。

「心に刻む」「心に留める」「胸に刻む」は、ポジティブな意味で使います。

この3つ以外の表現は、ネガティブな場面でも使う場合があります。

「感銘を受ける」の対義語

「感銘を受ける」には以下のような対義語があります。

  • 失望(しつぼう)する
    がっかりする
  • 幻滅(げんめつ)する
    現実と現実が違うことがわかり、がっかりする
  • 無感動(むかんどう)
    感動しないこと
  • 無感心(むかんしん)
    感心をもたないこと

「感銘を受ける」の英語訳

「感銘を受ける」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • be impressed by〜
    (〜に感銘を受ける)
  • be impressed with〜
    (〜に感銘を受ける)
  • be moved by〜
    (〜に感動する)
  • be touched by〜
    (〜に心を動かされる)

「感銘を受ける」のまとめ

以上、この記事では「感銘を受ける」について解説しました。

読み方感銘(かんめい)を受ける
意味この先も忘れられないほど、心を大きく動かされる
類語感銘を味わう、感銘を覚える、感銘するなど
対義語失望する、幻滅するなど
英語訳be impressed by〜(〜に感銘を受ける)など

類語のパターンなどを正しく理解して、「感銘を受ける」を使いこなしましょう。

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Chinatsu
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新卒1年目でWebライター3年目。 学生時代からWebライターの仕事を始め、多くの記事を執筆・編集してきました。 丁寧な解説に定評があります。