今回ご紹介する言葉は、ことわざの「金(かね)は天下(てんか)の回り物」です。
言葉の意味、使い方、由来、類義語、対義語、英語訳について分かりやすく解説します。
☆「金は天下の回り物」をざっくり言うと……
読み方 | 金(かね)は天下(てんか)の回り物 |
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意味 | お金は、一箇所にとどまっているのではなく、世の中を巡っているということ |
由来 | お金のない人たちへ向けて植えつけられた考え方が由来 |
類義語 | 金は浮き物、金は湧き物、金銀は回り持ち、貧乏難儀は時の回りなど |
対義語 | 金と子供は片回り、金は片行きなど |
英語訳 | Money is a great traveller in the world.(金は世界の旅人である。) |
このページの目次
「金は天下の回り物」の意味をスッキリ理解!
金(かね)は天下(てんか)の回り物:お金は、一箇所にとどまっているのではなく、世の中を巡っているということ
「金は天下の回り物」の意味を詳しく
「金は天下の回り物」は、お金は、一箇所にとどまっているのではなく、世の中を巡っているという意味のことわざです。
「天下」とは、世の中のことです。今はお金持ちでも、将来貧乏になるかもしれません。逆に、今は貧乏でも将来お金持ちになることもあり得ます。
だからこそ、どんな立場の人であっても真面目に働こうといういましめの意味が込められているのです。
「金は天下の回り物」の使い方
- 先輩が、「金は天下の回り物だからね」と言いながら、夕飯を奢ってくれた。
- 金は天下の回り物とは言うが、一生懸命働いていない人にはきっと回ってこないだろう。
「金は天下の回り物」の由来
昔は、今の世の中より貧富の差がありました。どんなに努力しても、もともとお金持ちではない人がお金持ちになるのは大変なことだったのです。
そこで、お金のない人たちへ向けて植えつけられた考え方が「金は天下の回り物」でした。
「お金は、一箇所にとどまっているのではなく、世の中を巡っているのだから、みんな真面目に働いてそのチャンスを待とうね」という励ましの言葉でもあったのです。
ちなみに、この考え方は、江戸初期の井原西鶴(いはらさいかく)の浮世草子(うきよぞうし)、「日本永代蔵(にっぽんえいたいぐら)」にも記されています。
「金は天下の回り物」の類義語
「金は天下の回り物」には以下のような類義語があります。
- 金は浮き物:金は一箇所にとどまらず、巡っているものだということ
- 金は湧き物:金銭は思いがけなく手に入ることがあるということ
- 金銀は回り持ち:お金は、一箇所にとどまっているのではなく、世の中を巡っているという意味
- 貧乏難儀(びんぼうなんぎ)は時の回り:貧乏であったり、苦労することは時の巡り合わせに過ぎないから、悲観することはないということ
「金は天下の回り物」の対義語
「金は天下の回り物」には以下のような対義語があります。
- 金と子供は片回り:お金や子供は、ある一定のところには集まるが、集まらないところには一向に集まらないということ
- 金は片行き:お金は、あるところにはたくさんあるのに、無いところには全く無いということ
「金は天下の回り物」の英語訳
「金は天下の回り物」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Money is a great traveller in the world.
(金は世界の旅人である。) - Money changes the hands.
(金は手を変える。)
まとめ
以上、この記事では「金は天下の回り物」について解説しました。
読み方 | 金(かね)は天下(てんか)の回り物 |
---|---|
意味 | お金は、一箇所にとどまっているのではなく、世の中を巡っているということ |
由来 | お金のない人たちへ向けて植えつけられた考え方が由来 |
類義語 | 金は浮き物、金は湧き物、金銀は回り持ち、貧乏難儀は時の回りなど |
対義語 | 金と子供は片回り、金は片行きなど |
英語訳 | Money is a great traveller in the world.(金は世界の旅人である。) |
情報社会ではない時代の考え方のコントロールはすごいですね。