心理学用語「確証バイアス」とは?意味と具体例をわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、心理学用語の「確証バイアス(かくしょうばいあす)」です。

言葉の意味・具体例・対策・英語訳についてわかりやすく解説します。

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「確証バイアス」の意味をスッキリ理解!

確証バイアス(かくしょうばいあす):自分の考えや信念を裏付ける理論や情報だけを、積極的に集めてしまう心理傾向

「確証バイアス」の意味を詳しく

「確証バイアス」とは、自分の考えや信念を裏付ける理論や情報だけを、積極的に集めてしまう心理傾向のことです。反対意見などの異なる思想に対しては、抵抗感を持ち、無意識に軽視・排除するようになります。

「確証バイアス」がかかると、自分にとって都合のよいデータをもとに、自分の意見や思想を補強します。結果的に、自分自身の正しさに、さらに強い自信・確信を持つようになります。

逆に、都合のよくないデータについては、そもそも知ることを避けようとしますし、知っても疑ってかかるようになります。

 

一言でいうと、先入観にとらわれ、視野が狭くなっている状態です。一度納得し、確信してしまうと、それ以外の意見が耳に入らなくなり、客観的な判断ができなくなるということです。

物事を判断する際に、人間が無意識にしてしまう非合理選択を、「認知バイアス」といいます。「確証バイアス」も、「認知バイアス」の一種です。

「確証バイアス」が起こる原因の1つは、「自分が正しいと思いたい」「自分の考えが否定されたくない」という想いです。

 

インターネットやSNSが普及した現代では、「フィルターバブル」「エコーチェンバー」の影響で、「確証バイアス」が強まるという指摘もあります。

「フィルターバブル」とは、インターネット空間において、利用者が好む情報ばかりが提示され、得られる情報が偏ってしまう状態のことです。周囲が「泡の膜(まく)」に包まれている様子に、たとえられています。

 

「エコーチェンバー」とは、SNS等において、同じ考えを持つ人同士が交流を重ねることで、特定の思想が増幅・強化されることです。「自分の考えは絶対に正しい」という確信を持つようになります。

「フィルターバブル」や「エコーチェンバー」に陥ると、自分にとって都合のよい情報ばかりに触れることになります。結果的に、「確証バイアス」の強化につながります。

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「確証バイアス」の具体例

➀「就活人気ランキング上位の、大手企業に入社するのが正解」というバイアス

少なくない学生が、「大手だから生活が安心」「人気だから待遇がよいはず」といった理由から、大手人気企業を志望します。

一度「大手人気企業への就活が正しい」と思いこみ、「確証バイアス」にはまると、そのような企業で働くメリットばかりに目が向くようになります。

 

「人手不足により、多くの中小企業が倒産している」といったニュースを見つけると積極的に読み、自分の考えにさらに自信を持つようになります。また、同様の考えを持った就活生やOBと、積極的に話すようになります。

逆に、認知度が低い優良企業に関しては、情報を得ようとしなかったり、「何か裏があるのでは」と過度に疑ったりします。

 

確かに、大手人気企業は、「倒産しずらい」「給料や福利厚生がよい」といった傾向にありそうです。

しかし、2010年には、大手航空会社JALが事実上の経営破たんに陥りました。大手銀行も人員削減の方針を打ち出しています。また、「人気だからこそ、給料や福利厚生を低く設定できる」ということもあるかもしれません。

しかし、「確証バイアス」にはまった人は、そもそもこうした情報は耳に入らなくなってしまいます。

➁「自分は詐欺に引っかからない」というバイアス

「自分は詐欺に引っかからない」と思っている人ほど、詐欺に引っかかりやすいと言われています。これも、「確証バイアス」の効果です。

「自分は詐欺に引っかからない」という「確証バイアス」をもった人が、一度相手を信用してしまうと、そこから「詐欺かも」と疑うのが非常に難しくなります。

 

たとえば、オレオレ詐欺で、息子を名乗る男が「事故を起こしたから、100万円を用意してほしい」と電話したとします。その後、警察官を名乗る男からも、お金を求める電話がかかってきます。

この時、「確証バイアス」を持った人が電話を一度信じてしまうと、自分から信じる理由ばかりを探すようになります。

 

「自分のことを母さんと呼んだから」「電話番号を知っていたから」「息子の名前を言ったから」「警察官を名乗る人から、電話がかかってきたから」といった都合のよい根拠を踏まえ、自分の考えの正しさに確信をもちます。

一方、「自分は詐欺に引っかからない」という前提があるため、「声がおかしい」「警察が電話をかけてくるタイミングがおかしい」といった疑問が、切り捨てられてしまいます。そのため、「念のため、息子に確認しよう」という考えに至らなくなってしまいます。

また、たとえATMの近くに「オレオレ詐欺に注意」という張り紙があったとしても、自分のことであると気がつくことができません。

➂「血液型占いはあたる」というバイアス

血液型占いは、知名度の高い占いの一つです。「根拠はないかもしれないが、実際あたることが多い」と考える人も多いです。

「血液型占いはあたる」と心のどこかで思っていると、「確証バイアス」が発生します。

たとえば「B型はマイペース」という情報を、マイペースな人が聞いたとします。すると、自身の血液型におうじて、以下のような感想を持ちます。

  • A型:「B型じゃないのに、マイペースだ」
  • B型:「やっぱりB型だから、マイペースなんだ」
  • O型:「B型じゃないのに、マイペースだ」
  • AB型:「B型じゃないのに、マイペースだ」

この結果は、B型の人にとっては占いを信じる根拠の1つになります。また、それ以外の人にとっては、占いを信じない根拠になります。

B型の人には、「血液型占いはあたる」という自身の考えに沿った結果が出ています。そのため、占いがあたった記憶が強く残ります。結果的に、「血液型占いはあたる」という自身の考えへの確信を強めます。

 

一方、それ以外の人には、「血液型占いはあたる」という自身の考えに反する結果が出ています。そのため、この結果を見すごし、忘れやすくなります。

このようにして、「確証バイアス」によって、「血液型占いはあたる」という考えがつくられていきます。

「確証バイアス」の対策

➀クリティカルシンキング

「クリティカルシンキング」とは、先入観にとらわれず、客観的にものごとを吟味する思考プロセスのことです。「批判的思考」と訳されます。

自分の感覚に偏りがあることを前提に、「自分の意見の根拠は、本当に正しいか?」「反対意見はないか?」といった反論を自分自身で考え、思考します。結果的に、物事を多様な側面から見つめなおすことができます。

ただ、「確証バイアス」にとらわれると、「クリティカルシンキングをしよう」という考えすら生まれなくなります。そのため、日頃から「クリティカルシンキング」をするクセをつけておくことが大切です。

➁信頼している第三者に意見を求める

家族や友人など信頼している第三者に、客観的な意見を求めることで、「認知バイアス」を乗り越えられる可能性があります。

重要なのは、「その人に対する信頼度の高さ」です。その人の知識・経験を一目おいていて、とりあえず耳を傾けようという気持ちになる必要があります。

また、話を聞く人数が多いほど、自分自身の思考の偏りに気づきやすくなります。

➂信頼性の高い情報に幅広く触れる

日頃から、信頼性の高い情報に幅広く触れることも有効です。具体的には、本や新聞をはじめとする信頼性の高いメディアに、複数触れることが挙げられます。

本にも思想の偏りが見られる場合が多々あります。しかし、基本的に編集者という第三者が内容を確認した上で出版しているため、一定の客観性を期待できます。

 

また、新聞は世の中の出来事が網羅的に載せられているため、「自分が見たくない」と思っている記事についても、目に入ってきます。「どの記事を載せるか」というのも、長年ニュースに触れてきた記者が考え、決めています。

新聞社によっても編集方針に違いがある場合があるので、複数の紙面を読み比べると、さらに効果的です。

ネット検索でばかり情報を仕入れていると、先述した「フィルターバブル」により、得られる情報が偏る可能性があります。

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「確証バイアス」の英語訳

「確証バイアス」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • confirmation bias
    (確証バイアス)

“comfirmation”は「確証、確認」、“bias”は「偏見」「偏見から起きる不公平な判断」という意味です。

まとめ

以上、この記事では「確証バイアス」について解説しました。

読み方確証バイアス(かくしょうばいあす)
意味自分の考えや信念を裏付ける理論や情報だけを、積極的に集めてしまう心理傾向
対策クリティカルシンキング、信頼している第三者に意見を求めるなど
英語訳confirmation bias(確証バイアス)

「確証バイアス」は、誰しもがとらわれるものです。だからこそ、「自分はもしかしたら、確証バイアスにとらわれているかもしれない」という想いを、常に持つことが重要です。

特に自分にとって重要な意思決定をする際には、「確証バイアス」にまどわされないよう、注意しましょう。

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