「格別」と「特別」の違いとは?意味から使い方までわかりやすく解説

違いのギモン

人生には谷があれば山もあります。あなたにとって忘れられない日や、最高に嬉しいことがあった日のことを、あなたは「格別な日」と言いますか?それとも、「特別な日」と言いますか?

今回は、「格別」と「特別」について詳しく解説します。

結論:「格別」は他より優れていること、「特別」は他と違うこと

「格別」は、他と比べて格(等級)が違うように優れていることを指します。

「特別」は、一般のものと異なっていることを指します。

「格別」を深掘り

格別には、大きく3つの意味があります。

一つ目に、ほかのものと比べて「格」が違うように良いことです。この場合、格とは等級・ランクのことを指します。これは、「実際は格が高くないけれど、高いように感じるほど良い」ということを表現したいときに使います。実際に格が高いときにも使えます。

二つ目に、「例外である」ということです。格別は、「他と違う」というだけの意味で使われることがあります。したがって、「優れている」という意味が含まれない場合でも使われます。

 

三つ目に、「それぞれ別である、一つ一つに違いがある」ということです。辞書の上では「各別」という漢字は「格別」とは同じ意味とされています。

しかし、一般的に「各別」を使う時には、「一つ一つに違いがあること」「それぞれが別であること」という意味で使われることが多いです。

「格別」の使い方の例

  1. 今日の君の料理は格別においしい。
  2. このウイスキーは値段が高かった割に、格別美味くもない。
  3. 雨の日は格別にバス通学をしても良いけれど、基本的に学校には自転車で行きなさい。
①の例文では、今までの料理と比べて、今日の料理が優れていたということです。

②の例文では、値段が高かったことから、他の安いものより格が違うようにおいしいことを期待していたけれど、さほど変わりがなくがっかりしていることがわかります。

③の例文では、雨が降れば、例外として、普段と違って自転車に乗らなくて良いことを示します。

「特別」を深掘り


特別は、他の一般的なものと明確に区別できて、一つだけの例外であることを指します。特別の対義語は、「一般・普通」です。

海外では、障害や病気をもった人を、特別(special)な子、もしくは特別な人と呼んでいます。これは、障害や病気がいわゆる健康な人に劣るものではなく、人と違った個性であるという認識を広めるためです。

また、障害や病気を持った人を特別と呼ぶことによって、彼らが健康な人より優れていると言ってはいません。

 

文脈によっては、特別が「他より優れている」という意味になることもあります。しかし、特別という言葉自体には、「他より優れている」という意味はないことを覚えておきましょう。

「特別」の使い方の例

  1. 今日は勉強を頑張ったから、特別にお菓子を買ってあげる。
  2. 彼は彼女に好意を寄せているために、彼女を特別扱いをする。
  3. お腹がすいたから食べただけで、バナナは特別好きなわけではない。
①の例文では、「勉強を頑張った」という、普段しないことをした結果、例外としてお菓子が買ってもらえる、ということです。

②の例文では、ある男の子が、好きな女の子には扱いを変えて、他の女の子とは区別している様子が読み取れます。

③の例文では、バナナを食べた理由はお腹がすいていただけで、特別にその食べ物に魅力を感じたわけではなかったということになります。

まとめ

以上、この記事では、「格別」と「特別」の違いについて解説しました。

  • 格別:他と格が違ってよいこと。例外であること、それぞれ別であること。
  • 特別:一般的なものと異なること。(文脈によって)優れていること。

「格別」と「特別」は、文脈によって意味が似通うことがあります。

その中でも、「格が違う様子」であるのか「他と異なっている様子」であるのかで、区別するといいですね。