「描き下ろし(かきおろし)」とは?意味と使い方を例文付きで解説

言葉

描き下ろし(かきおろし)とは「その媒体のために描かれた新作」という意味です。

漫画やイラスト本が発行されたり、アニメのグッズなどが売り出されるときによく使われる言葉です。

「描き下ろし収録」などのうたい文句を見て、単語の意味が気になった人も多いのではないでしょうか。

この記事では、「描き下ろし」の意味や使い方を詳しく解説していきます。

「描き下ろし」の意味

ろし

その媒体のために描かれた新作

描き下ろしとは、ある媒体/グッズなどのために描かれた新しい絵や漫画などのことです。

出版関係の用語ですが、一般的にもよく使われます。

 

描き下ろしは、ファンにとっては「その媒体/グッズを買うことでしか入手できない新作」です。

その結果、描かれているキャラクターのファンや、描いた漫画家のファンなどは、描き下ろしに特に高い付加価値を感じます。

そのため、描き下ろしをつけることで人々の購買意欲をかき立てることができます。

「描き下ろし」が使えない例

仮に新しい商品であっても、すでにどこかで発表されている作品を使った場合は、描き下ろしにはなりません。

例えば、アニメのワンシーンを使ってグッズを作ったり、Web上に投稿されているイラストを本にして出版した場合は、描き下ろしと呼ぶことはできません。

「書き下ろし」との違い

「描き下ろし」と「書き下ろし」には、以下のような違いがあります。

「描き下ろし」と「書き下ろし」の違い
  • 描き下ろし
    イラストや漫画など、新しく絵を描いた場合
  • 書き下ろし
    小説や脚本、楽曲など、新しく絵以外のものを書いた場合
描き下ろしと書き下ろしの違いは、「新しく作った作品が何か」です。

絵に関するものであった場合は「描き下ろし」を使い、それ以外は「書き下ろし」を使います。

意味そのものは同じです。

「描き下ろし」の使い方

描き下ろしは、以下のような場面でよく使われます。

  1. 漫画などが書籍化されたとき
  2. 新しいグッズが販売されたとき

それぞれ実際の使用例とともに見ていきましょう。

漫画などが書籍化されたとき

こちらのツイートは、これまでWebで連載していた漫画が書籍化されたことを告知しています。

描き下ろし、つまり書籍にしか載っていない新作があることをアピールすることにより、ファンの購買意欲をかき立てようとしています。

新しいグッズが販売されたとき

こちらのツイートでは、グッズの宣伝をしています。

こちらも、描き下ろし、つまり全く新しい絵を使ったグッズであることをアピールして、ファンが買いたくなるようにしているわけですね。

「描き下ろし」の由来

描き下ろしの由来は、言葉を分解するとわかりやすいです。

「描き下ろし」を構成する言葉
  • 描く
    絵に関する作品を生み出すこと
  • 下ろす
    高いところから低いところに移すこと、中にあるものを外に出すこと
ここから、今まで秘めていた絵を新しく発表する、というニュアンスになり、「その媒体のために描かれた新作」という意味合いになりました。

「描き下ろし」の類義語


描き下ろしには以下のような類義語があります。

  • オリジナル作品
    独自に創作した作品
  • 新作
    新しく作られた作品
  • 原作
    脚本や翻訳、アニメ化などの加工のもとになった作品
  • 原著
    脚本や翻訳、アニメ化などの加工のもとになった作品
  • 新刊
    一番新しく発行された作品
  • 初版
    出版されている書物などの最初の版

「描き下ろし」と間違われやすい単語


以下の単語は、描き下ろしと間違われやすい単語です。

  • 描き起こし
    すでに存在する写真などから絵を描くこと
  • 書き起こし
    ①音声を聞いて文字にすること
    ②文章を書き始めること
    ③日本画における、最後の仕上げの工程
  • 書き下し(かきくだし)
    漢文を日本語文法の語順に並べ替えること
  • 掻き下ろし(かきおろし)
    雪などを下に向かってかき出して下ろすこと
  • 書き崩し(かきくずし)
    省略して文字を書くこと。崩し書き

いずれも語感が描き下ろしと似ているため、同じ意味だと思われやすいです。

しかし、意味は全く異なるため、注意が必要です。

「書き下ろし(かきおろし)」と「書き下し(かきくだし)」の違い

よく「書き下し」と「書き下ろし」を混同し、「書き下ろし(かきおろし)文」という単語を使う人がいます。

正しくは「書き下し(かきくだし)文」です。

「書き下し文」とは、漢文を読む際に日本語文法の語順に並べ替えて作った文のことです。漢文は日本語とは語順が異なるため、読む前に並べ替える必要があります。

使われる漢字が同じであるため混同しやすいですが、意味も読み方も異なります。注意しましょう。

「描き下ろし」の対義語

描き下ろしには以下のような対義語があります。

  • 掲載
    新聞や雑誌、Webメディアなどに文章などを載せること
  • 連載
    新聞や雑誌、Webメディアなどに続きものの文章などを載せること
どちらの言葉も「すでにどこかの媒体に作品を発表している」という意味合いを持つため、出版業界において描き下ろしと対になる概念として扱われています。

掲載や連載をしていない作品を新しく描いてもらうということが描き下ろしの意味であるため、掲載や連載は描き下ろしの対義語と捉えることができます。

「描き上げる」「書き上げる」について

描き上げる」「書き上げる」は、描き下ろしの対義語ではありません。

描き上げるとは、絵などの作品を完成させることで、書き上げるは小説など絵以外の作品を完成させることです。

一見対義語のように見えますが、意味が全然違います。注意しましょう。

「描き下ろし」の英語訳

描き下ろしを英語に訳すと、次のような表現になります。

  • specially written/drawn
    (特別に描かれた)
  • a newly written/drawn 〜
    (新しく描かれた〜)
  • written/drawn by
    (〜さんの描いた作品)
  • writing/drawing a piece at the request of a publisher
    (このために描かれた)
  • to draw for a specific purpose
    (特定の目的のために描くこと)
  • to draw for the occasion
    (その場のために描くこと)

雑誌に短編が収録されているときなど、描き下ろしだとわかりやすい状況下では、簡潔に “written/drawn by” のみだけで描き下ろしを表すことがあります。

例文
Drawn by Diana.
(ダイアナさんの描き下ろしです)
ただし、 “drawn by” には「〜に引かれて」という別の意味もあるため、通常の文章では “specially drawn” などのフレーズが好まれます。
「描き下ろし」の中国語訳

なお、中国語では描き下ろしを「新写的作品」と言います。

中国発のアニメなどの本やグッズを買うときは、参考にしてみてください。

「描き下ろし」のまとめ

以上、この記事では「描き下ろし」について解説しました。

読み方描き下ろし(かきおろし)
意味その媒体のために描かれた新作
由来「描く」に、中から外に出すという意味の「下ろす」がついた形
類義語オリジナル作品、新作、新刊など
対義語掲載、連載
英語訳specially written/drawn(特別に描かれた)など

意味を覚えておくと、本やグッズを買うときなどに役に立ちます。

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日英バイリンガル東大生。 10年間小説を書き続けているため、文章力には自信があります。 いくつかの小説投稿サイトで掲載/連載している他、教育系NPOでもライターをしています。