今回ご紹介する言葉は、故事成語の「快刀乱麻を断つ(かいとうらんまをたつ)」です。
「快刀乱麻を断つ」の意味、例文、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「快刀乱麻を断つ」をざっくり言うと……
読み方 | 快刀乱麻を断つ(かいとうらんまをたつ) |
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意味 | 複雑な問題や紛糾している事態を見事に解決することのたとえ |
由来 | 高洋が複雑にからみあった糸を一刀両断してほどいたことから |
類義語 | 一刀両断、一剣両断、飛鳥の早業 |
英語訳 | To cut the Gordian knot |
このページの目次
「快刀乱麻を断つ」の意味をスッキリ理解!
「快刀乱麻を断つ」の意味を詳しく
「快刀乱麻を断つ」とは、複雑な問題や紛糾している事態を見事に解決することのたとえです。
ちなみに、「快刀」とは、切れ味が鋭い刃のことを表しています。
また、「乱麻」とは、もつれた麻糸のことを表しています。
つまり、「快刀乱麻を断つ」とは、もともとはよく切れる刀でもつれた麻の糸を見事に断ち切るという意味を表していたのです。
そして、単に「快刀乱麻」と表記されることもあります。
しかし、「怪盗乱麻を断つ」と表記するのは間違いなので注意が必要です。
また、物事を解決するのではなく、単に「鮮やか」という意味で使うのは誤りです。
例えば、「彼の包丁さばきは快刀乱麻を断つようだった」などと使うことはできません。
「快刀乱麻を断つ」の例文
- 彼は数学の難題を快刀乱麻を断つように解決した。
- 彼は取引先にまで拡大した厄介な問題を快刀乱麻を断つようにスムーズに処理した。
- その探偵は快刀乱麻を断つように難事件を解決した。
このように、「快刀乱麻を断つ」は「解決する」という言葉と一緒に使われることが多いです。
「快刀乱麻を断つ」の由来
「快刀乱麻を断つ」の出典は『北斉書(ほくせいしょ)』の「文宣帝紀(ぶんせんていき)」という章です。
詳しく見ていきましょう。
中国の南北朝時代、北斉(ほくせい)という国の基礎を作った高歓(こうかん)は自分の子どもひとりひとりの判断力を試そうと考えました。
そして、彼は子どもたちに、からまった麻糸のかたまりを渡し、麻糸を元に戻すように命じました。
その時、次男の高洋(こうよう)だけは刀を抜いて、からまった麻糸のかたまりを斬り、「乱れたものは斬らなければならない」と言ったのです。
これに高歓は感心しました。
ちなみに、高洋はこの後、北斉の初代皇帝になりました。
「快刀乱麻を断つ」の類義語
「快刀乱麻を断つ」には以下のような類義語があります。
- 一刀両断(いっとうりょうだん)
- 一剣両断(いっけんりょうだん)
- 飛鳥の早業(ひちょうのはやわざ)
「快刀乱麻を断つ」の英語訳
「快刀乱麻を断つ」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- act decisively to solve a complicated problem
(大胆な態度で行動し、問題を解決する) - To cut the Gordian knot.
(ゴルディオンの結び目を切断する)
昔、権力争いにより殺し合いが起こり、後継ぎがいなくなってしまったフルキア王国は、預言によってゴルディアスという貧しい農民を次の王にしました。
このように突然王になったゴルディアスですが、彼は特別な方法で結んだ結び目を柱に結び付け、「この結び目を解くことができた者はアジアの王になるだろう」という予言を残しました。
その後、この結び目は「ゴルディアスの結び目」ととして知られ、何人もの人が結び目を解こうとしたが、決して解けることはありませんでした。
その数百年後、この地に遠征に来ていたアレクサンドロス大王もこの結び目に挑みましたが、なかなかほどくことができません。
すると、彼は剣を抜き、ゴルディアスの結び目を一刀両断してしまいました。
このことから、「ゴルディアスの結び目」は「難題をすばやく解決する者」のたとえとして用いられるようになりました。
まとめ
以上、この記事では「快刀乱麻を断つ」について解説しました。
読み方 | 快刀乱麻を断つ(かいとうらんまをたつ) |
---|---|
意味 | 複雑な問題や紛糾している事態を見事に解決することのたとえ |
由来 | 高洋が複雑にからみあった糸を一刀両断してほどいたことから |
類義語 | 一刀両断、一剣両断、飛鳥の早業 |
英語訳 | To cut the Gordian knot |
物事を「快刀乱麻を断つ」ように解決していく人はかっこいいですよね。
このような人を目指していきたいものです。