「膾炙(かいしゃ)」とは?意味や使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「膾炙(かいしゃ)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「膾炙」の意味をスッキリ理解!

膾炙(かいしゃ):世の人々に広く知れ渡ること

「膾炙」の意味を詳しく

「膾炙」とは、世の人々に広く知れ渡ることです。

「膾炙」は、中国の儒教の教書である『礼記』にも登場することからもわかるように、和製の熟語ではなく、大陸由来の言葉です。

「膾」という字には「かい」の他に「なます」という読み方もあります。「なます」とは、もともと生肉を細く切ったもののことです。現代の日本のなますは肉や魚を酢につけたもののことを指しますが、古代にはそのような調理法はありませんでした。

また、「炙」という字には「あぶった肉」という意味があります。なますも炙った肉も万人に好まれることから、「広く知れ渡る」という意味になるのです。

「膾炙」の使い方

  1. その漫画は、人口に膾炙した作品である。
  2. 彼の名が世間に膾炙していると思い込んでいたが、実際には大して有名でもなかったようだ。

上記の例文のように、「膾炙」は「膾炙する」「膾炙している」という形で使われます。

①の例文では、「その漫画」が広く知られ、親しまれていることを「人口に膾炙した」と表現しています。このように、「膾炙」はほとんど「人口に膾炙する」という表現で使われます。「人口」を「人工」と書いてしまう間違いが多いので注意しましょう。

②の例文は、「人口に膾炙している」ではなく「世間に膾炙している」と表現したものです。一般にはあまり見られませんが、このように「人口」以外の言葉と結びついたり、膾炙が単体で使われる例もあります。

  • 人口膾炙:広く世間にもてはやされること

「人口に膾炙すること」を表す言葉に「人口膾炙」があります。「膾炙人口」と言う場合もあります。

「人口」とは、「人の数」という意味の他に、「人の口」すなわち「世間のうわさ」という意味を持つ言葉です。「膾炙」そのものに「世間に知られている」という意味がありますが、「人口」とセットにして使われるのが一般的です。

「膾炙」の語源

「人口に膾炙する」の出典は林嵩(りんすう)の『周朴詩集序』です。

その中に「一篇一詠、人口に膾炙す」という言葉があり、「どの編もどの詩も、人々の口に上る」という意味を表しています。

「膾炙」の類義語

膾炙には以下のような類義語があります。

  • 人気:世間一般の評価
  • 口の端に上る:うわさになる

「人気」は、世間の評価が高いことを表す言葉です。知名度があるという意味では「膾炙」と共通します。

「膾炙」は世間の評価が低い場合には使われませんが、「人気」ほど評価が高いというイメージで使われるわけでもありません。「人気がある」と「膾炙している」では微妙にニュアンスが異なります。

「口の端に上る」は、「世間の噂になる」という意味の言葉です。いい意味でも悪い意味でも使われます。「膾炙」はいい噂が広まる場合には使えますが、「口の端に上る」の場合のように、ネガティブな意味で使われることはないので注意しましょう。

「膾炙」の英語訳

膾炙を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • well-known
    (よく知られた)

well-knownは「よく知られている」という意味の英語表現です。形容詞になるので、 “be well-known” で「膾炙している」というニュアンスになります。be動詞の代わりにbecomeを使うこともできます。

間の-(ハイフン)を書き忘れると文法的に破綻してしまうので気をつけましょう。

まとめ

以上、この記事では「膾炙」について解説しました。

読み方膾炙(かいしゃ)
意味世の人々に広く知れ渡ること
語源林嵩『周朴詩集序』
類義語人気、口の端に上る
英語訳well-known(よく知られた)

「膾炙」は読み方の難しい言葉ですが、「人口に膾炙する」と決まった表現でよく使われるので、正しく覚えましょう。