今回ご紹介する言葉は、熟語の「回顧(かいこ)」です。
言葉の意味・使い方・回顧がつく言葉・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「回顧」をざっくり言うと……
読み方 | 回顧(かいこ) |
---|---|
意味 | 過去を思い起こすこと |
類義語 | 回想、懐古、追想など |
対義語 | 予想、展望 |
英語訳 | review(振り返る) |
「回顧」の意味をスッキリ理解!
「回顧」の意味を詳しく
「回顧」には、大きく以下のような意味があります。
- 過去の出来事を客観的に思い起こすこと
- (物理的に)後ろを振り返ること
①がメインの意味です。「回顧」とは、過去の出来事を客観的に思い起こすことであり、そこに感情は関係しません。
これらの意味は、以下の漢字の組み合わせによって生まれました。
- 回:めぐる、めぐらせる
- 顧:かえりみる、思う
また、自分自身の過去だけではなく社会の出来事や事件などついて思い出す場合にも使用することができます。
「回顧」の使い方
- 新元号になってから、平成を回顧するテレビ番組が多く放送されている。
- ある作家の回顧展に、多くの著名人が参加した。
- 久しぶりに地元に帰り、学生時代を回顧した。
①の例文では、「~を回顧する」というもっとも一般的な使われ方をしています。「回顧する」の対象には、人や時代、事件などさまざまな事象が該当します。
②の例文では、「回顧」が修飾語として使われています。「回顧」には「回顧する」という言い回しの他に、修飾語として使用する場合があります。
③の例文は、「久しぶりに地元に帰り、学生時代を思い出す」という意味の例文です。「回顧する」と表現した場合、「学生時代を懐かしむ」のような感情に関するニュアンスを含みません。「学生時代を懐かしむ」ことを表現したい場合は、類義語の「懐古」を使用するのが無難です。
「回顧」がつく言葉
「回顧」のつく言葉は、以下のようなものがあります。
- 回顧展:特定のアーティストの生涯において制作された作品を概観する展覧会
- 回顧録:過去の出来事振り返って記述した文書や文学作品のこと
- 回顧談:過去を振り返り話すこと、過去の物語
「回顧展」とは
「回顧展」は、かつて販売とプロモーションを目的とした小さな規模のイベントでした。しかし最近では、美術館の主催でさまざまな回顧展が至るところで開かれるようになりました。
「回顧録」とは
「回顧録」は、単純に「記録したもの」というよりも「時間を経てから、当時を振り返る」というニュアンスがあります。また、「回顧録」は「メモワール」とも言います。
「回顧談」とは
「回顧談」とは、「過去の出来事を振り返り話すこと」「過去の出来事に関する物語」という意味です。「懐古談」とは異なり、過去を懐かしむという意味はありません。注意しましょう。
「回顧」の類義語
「回顧」には以下のような類義語があります。
- 回想:過去に思いを巡らすこと
- 顧みる:過ぎ去ったことを考えること
- 懐古:懐かしいという気持ちとともに思い出す
- 追想:過去を思いしのぶこと
- 追憶:過去のことを思い出ししのぶこと
一方で、「懐古」「追想」には以下のようにニュアンスが若干異なります。
「回顧」と「懐古」の違い
- 回顧:過去を思い出す
- 懐古:過去を思いだし懐かしく思う
また、「回顧」と「懐古」の違いについて、もっと詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
「回顧」と「追想」の違い
- 回顧:過去を思い出す
- 追想:過去を思い出しのぶ、故人を思い出ししのぶ
また、「懐古」が「懐かしく思う」のに対し、「追想」は「しのぶ」「慕う」というニュアンスです。
「回顧」の対義語
「回顧」には以下のような対義語があります。
- 予想:物事の成り行きや結果について前もって見当をつけること
- 展望:社会の動き、人の行く末などを見渡すこと
「回顧」の英語訳
「回顧」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- review
(振り返る、思い出す) - look back
(過去を振り返る)
まとめ
以上、この記事では「回顧」について解説しました。
読み方 | 回顧(かいこ) |
---|---|
意味 | 過去を思い起こすこと |
類義語 | 回想、懐古、追想など |
対義語 | 予想、展望 |
英語訳 | review(振り返る) |
「回顧」は日常会話でもよく使用する言葉です。「懐古」「追想」などの類義語と混同しないよう、意味や使い方をしっかり確認しましょう。