今回ご紹介する言葉は、ことわざの「会稽の恥(かいけいのはじ)」です。
言葉の意味・使い方・由来・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「会稽の恥」をざっくり言うと……
読み方 | 会稽の恥(かいけいのはじ) |
---|---|
意味 | 他人から受けた屈辱的なはずかしめ。 |
由来 | 『史記』「越王勾踐世家」 |
英語訳 | a disgrace(不名誉、はずかしめ、恥)など |
「会稽の恥」の意味をスッキリ理解!
「会稽の恥」の意味を詳しく
「会稽の恥」とは、「他人から受けた屈辱的なはずかしめ」を意味することわざです。「会稽」は、「かいけい」と読みます。間違えられやすい読みなので、きちんと覚えましょう。
この「会稽の恥」ということわざは、もともと「戦いに負けた屈辱」を意味していました。この意味が転じて、「それまでに受けたことがないほどの恥」や「他人から受けた屈辱的なはずかしめ」を指すようになりました。
「会稽の恥」の使い方
- あいつには会稽の恥を受けた。もう絶対に許さない。
- 前回受けた会稽の恥を晴らすためにも、より一層練習に励まなければいけない。
- これまで必死に努力してきたのだから、絶対に会稽の恥を雪(すす)ぐことができるに違いない。
「会稽の恥」は、「会稽の恥を雪ぐ」という形で使われることが多いです。これは、「恨みを晴らす」ということを意味しています。
「会稽の恥」の由来
「会稽の恥」ということわざは、中国の歴史書である『史記(しき)』に由来を持っています。『史記』は、数ある歴史書の中でも非常に高く評価されており、国家に公認された歴史書として権威がある書物です。
そんな『史記』のなかの「越王勾踐世家(えつおうこうせんせいか)」という巻に、「会稽の恥」が登場します。
越(えつ)の王である勾践(こうせん)は、呉(ご)の王である夫差(ふさ)に会稽山で敗れ、その召使いとして働かされます。勾践がこの敗戦によるはずかしめを忘れず、いつか復讐を果たすと自らを奮い立たせる際に呟いたとされるのが、この「会稽の恥」です。
原文において「会稽の恥」は「曰、女忘會稽之恥邪」という一文の中に出てきます。これを現代語に訳すと「汝(なんじ)は、会稽の恥を忘れたのか」となります。
「会稽の恥」の英語訳
会稽の恥を英語に訳すと、次のような表現になります。
- a disgrace
(不名誉、はずかしめ、恥) - past humiliation by others
(過去に他人から受けたはずかしめ) - shame of an unendurable disgrace
(耐え難い不名誉による恥ずかしさ) - humiliation of defeat in battle
(戦いに負けることによる屈辱)
disgrace は「他人からの尊敬や好意を失う」というニュアンスを持っています。一方、shame には「他人から見下される屈辱」というニュアンスが含まれています。
まとめ
以上、この記事では「会稽の恥」について解説しました。
読み方 | 会稽の恥(かいけいのはじ) |
---|---|
意味 | 他人から受けた屈辱的なはずかしめ。 |
由来 | 『史記』「越王勾踐世家」 |
英語訳 | a disgrace(不名誉、はずかしめ、恥)など |
「会稽の恥」は、古代中国の有名な書物に由来することわざです。意味だけでなく、その由来もきちんと理解しておくと、周りに差をつけられます。