「傾奇者」の意味とは?使い方から英語や類語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「傾奇者(かぶきもの)」です。

言葉の意味、使い方、語源、類義語についてわかりやすく解説します。

☆「傾奇者」をざっくり言うと……

読み方傾奇者(かぶきもの)
意味戦国時代末期から江戸時代初期にかけての社会風潮のこと、異風を好んだ変わり者のこと
語源茶道や和歌などを好む数寄者から
類義語伊達男、型破り、破天荒など

「傾奇者」の意味をスッキリ理解!

傾奇者(かぶきもの):戦国時代末期から江戸時代初期にかけての社会風潮のこと、異風を好んだ変わり者のこと

「傾奇者」の意味を詳しく

「傾奇者」は「戦国時代末期から江戸時代初期にかけての社会風潮のこと」または、「異風を好み、派手な身なりをして変わった行動をする者たちのこと」を指します。

漢字の意味からもわかる通り、「奇抜へと傾倒する者」という意味で、戦国時代末期から江戸時代初期で流行った風潮、およびその影響を受けた人たちのことです。

 

当時の一般的な男性の服装は、紺系統の色合いで地味な印象でした。「傾奇者」と言われる人々は、女物の鮮やかな着物を羽織るなど常識外れの派手な服装を好んでいました。「傾奇者」の外見的特徴を以下にまとめました。

  • ビードロ、ベルベット生地の襟(えり)を立てる
  • 髪やひげを長く伸ばす
  • 額を広くそる
  • 長く伸ばした髪の毛先を茶筅(ちゃせん)のように仕立てた茶筅髷(まげ)を結う
  • 大振りの刀や脇差を差す
  • 刀や脇差のさやを赤く染め上げる
  • 大きいキセルを持つ
彼らの多くは徒党を組み、無銭飲食や辻斬りなどの無法行為をはたらいていました。しかし、犯罪グループというより現代におけるデモ行為といった意味合いがあったと言われています。

また、仲間との絆を重んじ、信念のためには命をも惜しまないという生き方の美学を持っていたとして前向きなニュアンスを持って使われる場合があります。

 

「傾奇者」は「歌舞伎者」と書かれる場合もあります。時代とともに廃れた「傾奇者」ですが、その風潮は歌舞伎に受け継がれていきました。

「傾奇者」の使い方

  1. あの政治家の信念は傾奇者に通じるところがある。
  2. 彼氏のバンドマンは、髪を伸ばして派手な柄シャツを好んで着ているため、傾奇者のようだ。
  3. 戦国末期の傾奇者にまつわるエピソードは非常に興味深い。

上記の例文のように、「傾奇者」は歴史用語や人の様子を表す言葉として使われます。

①の「傾奇者」は「異風を好み、派手な身なりをして変わった行動をする者たちのこと」を指します。彼らの「信念のためには命をも惜しまない」姿勢のニュアンスが含まれています。

②は「異風を好み、派手な身なりをして変わった行動をする者たちのこと」という意味で「傾奇者」が使われています。現代の派手な服装に当てはめて使っています。

③の「傾奇者」は「戦国時代末期から江戸時代初期にかけての社会風潮のこと」を意味します。

「傾奇者」の語源

元々、茶道や和歌などを好む人々を数奇者(すきしゃ)と呼んでいました。数寄者は「物好きな人」という意味を持ち、変わり者というニュアンスを持っていました。

そのニュアンスをより強め、さらに数寄に傾いたという意味で「傾奇者」が使われるようになりました。

「傾奇者」の類義語

傾奇者には以下のような類義語があります。

  • 伊達男:身なりが派手で男気がある男性傾奇者として有名だった伊達政宗のような男を指す言葉
  • 型破り:一般的な常識にや型に当てはまらないこと
  • 破天荒:今まで誰もしなかったようなことをすること
  • ばさら者:奇抜な恰好を好む鎌倉末期から南北朝時代にかけての風潮
    指す時代は違うが、「傾奇者」とほとんど同じ意味

まとめ

以上、この記事では「傾奇者」について解説しました。

読み方傾奇者(かぶきもの)
意味戦国時代末期から江戸時代初期にかけての社会風潮のこと、異風を好んだ変わり者のこと
語源茶道や和歌などを好む数寄者から
類義語伊達男、型破り、破天荒など

「傾奇者」は現代にも息づく風潮です。

織田信長や前田慶次など、歴史上に「傾奇者」と呼ばれた偉人たちについて調べてみるのも面白いでしょう。

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シェスカ
公的文章に詳しい大学院生。 学術論文や特許の執筆を得意としています。 スッキリではその知識を活かし、専門用語の解説を担当しています。