「受難」の意味とは?読み方は?使い方から英語や類語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「受難(じゅなん)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「受難」をざっくり言うと……

読み方受難(じゅなん)
意味苦しみや災いを受けること
語源キリスト教における「受難」
類義語遭難
英語訳ordeals(辛く恐ろしい試練)など

「受難」の意味をスッキリ理解!

受難(じゅなん):苦しみや災いを受けること

「受難」の意味を詳しく

「受難」は、「苦しみや災いを受けること」を意味する熟語です。

「受」という漢字には「こうむる」や「被害に遭う」という意味があります。もう一つの「難」は、「災難」や「苦難」という熟語に用いられているように、「わざわい」や「うれい」、「苦しみ」を意味する漢字です。

したがって、「受難」という熟語は、「わざわいを被(こうむ)ること」を指すとわかります。つまり、2番目にくる漢字が 1番目の漢字の目的語になっているということです。

「受難」の使い方

  1. 雨が少なかった今年は、農家にとっては水不足で受難の年となった。
  2. 誰か私を、この受難から救ってはくれないものだろうか。
  3. 次々と降りかかる問題も、受難と思って受け入れるしかない。
  4. 彼の受難の原因も、よく考えてみれば彼自身の行動によるものだ。

「受難」の語源

「受難」はもともと、キリスト教の用語です。

イエス・キリストは、宣教の旅の最後に逮捕されてしまいます。そこで彼は裁かれ、虐待され、最後には十字架の上で亡くなります。この過程でキリストが受けた苦難のことを「受難」と言うのです。

ちなみに、キリストが受難を経たことで、人間の原罪は償(つぐな)われたと考えられています。原罪とは、人間が生まれながらに背負っている罪のことを指します。

「受難」の類義語

受難には以下のような類義語があります。

  • 遭難(そうなん):災難にあうこと
「遭難」も「受難」と同じく、災いを被ることを意味します。ですが、「遭難」は物質的な災いや命に関わることを指すものです。一方、「受難」は精神的苦痛を指す場合にも用いられます。

また、「遭難」は、「受難」に比べて一時的もしくは偶発的であるというニュアンスがあります。

「受難」の英語訳

受難を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • ordeals
    (辛く恐ろしい試練)
  • a severe trial
    (厳しい試練)
  • suffering
    (苦しみ、災難)
  • the Passion
    (キリスト教における受難)

the Passion の語源は、ラテン語の pati や patio だと言われています。これらの単語は「苦しむ」という意味を持っています。

まとめ

以上、この記事では「受難」について解説しました。

読み方受難(じゅなん)
意味苦しみや災いを受けること
語源キリスト教における「受難」
類義語遭難
英語訳ordeals(辛く恐ろしい試練)など

「受難」は、日常生活でも宗教的文脈でも使われる熟語です。類語の「遭難」との違いもきちんと理解し、正しく使えるようにしましょう。