みなさんはオリンピック種目の一つ、「重量挙げ」を見たことがありますか?
ロンドンオリンピックでは、日本代表の三宅宏実選手が銀メダルをったことで大きな注目を浴びましたよね。
しかし、「重量挙げ」と似た競技である「パワーリフティング」は知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は、これでオリンピックがもっと楽しめるよう、「重量挙げ」と「パワーリフティング」の違いをわかりやすく解説します。
結論:違いは「種目」と「重さ」
「パワーリフティング」は「スクワット」「ベンチプレス」「デットリフト」という3種目を行い、持ち上げられるバーベルの総量を競いますが、「重量挙げ」より重いバーベルを扱います。
「重量挙げ」をもっと詳しく
「重量挙げ」は、海外では「ウエイトリフティング」と呼ばれています。その競技内容は、「スナッチ」と「クリーン&ジャーク」という2つの種目を行い、持ち上げられたバーベルの総量を競うというものです。
「スナッチ」とは、地面に置いてあるバーベルを一気に頭上まで持ち上げるものです。
一方で、「クリーン&ジャーク」はクリーンと呼ばれる第一動作でバーベルを肩まで持ち上げ、その後ジャークと呼ばれる第二動作で頭上まで持ち上げるというものです。
また、男子は1896年のアテネオリンピックから、女子は2000年のシドニーオリンピックから正式種目となりました。
競技内容をもっと詳しく
重量挙げでは、先程の「スナッチ」と「クリーン&ジャーク」をそれぞれ3回ずつ行います。そして、各種目の最高挙上重量の合計で順位を決めていきます。なお、バーベルは1kg単位で増量できます。ちなみに、同重量の選手がいた場合は、体重が軽い選手の方が順位が上になります。
いずれかの種目、もしくは両方で3回連続で失敗すると、合計は0kgとなり、失格となります。また、オリンピックでは、スナッチで失格になると、クリーン&ジャークには参加できません。
階級は男女ともに10階級ずつあります。ちなみに三宅宏実さんは女子48kg級です。
「パワーリフティング」をもっと詳しく
「パワーリフティング」は「スクワット」「ベンチプレス」「デットリフト」という3種目を行い、持ち上げられるバーベルの総量を競いますが、「重量挙げ」より重いバーベルを持ち上げられることが特徴です。
「スクワット」とは、ラックからバーベルを肩に担ぎ、しゃがんでから立ち上がるものです。
「ベンチプレス」とは、フラットベンチと呼ばれるベッドのようなものに仰向けになって、バーベルを持ち上げるものです。筋トレで馴染みのある人も多いのではないでしょうか。
「デッドリフト」とは、地面に置いてあるバーベルを、1回の動作で持ち上げて立ち上がることものです。「ウエイトリフティング」と違って頭上までは持ち上げず、あくまで直立できればOKです。
残念ながらオリンピック競技ではありませんが、パラリンピックの正式種目になっています。
競技内容をもっと詳しく
競技はラウンド制で行われます。つまり、「スクワット」の1回目を全員が終わってから、2回目、3回目と順番に行っていきます。その後、「ベンチプレス」と「デッドリフト」を行います。
バーベルの増量は基本的に2.5kg刻みですが、世界記録などが掛かった試合のみ、1kg単位や0.5kg単位での増量が認められます。
パラリンピックにおいて、階級は男女ともに10階級に分かれています。また、下半身に障害を持つ人が対象であるため、「ベンチプレス」のみが行われます。
まとめ
以上、この記事では、「重量挙げ」と「パワーリフティング」の違いについて解説しました。
- 重量挙げ:バーベルを地面から頭上に上げる2種目を行い、その総重量を競うもの
- パワーリフティング:「重量挙げ」とは異なる3種目行い、総重量を競うもの
これでオリンピックとパラリンピックをもっと楽しめること間違いなしです。
ぜひ、観戦して見てください。