普段、なんとなく使い分けている言葉はたくさんありますが、「受験」と「受検」もそのうちの一つだと思います。
使い方を間違えることはあまりないけれど、ふたつの意味の違いを正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、「受験」と「受検」の意味や使い方の違いについて、徹底解説していきます。
結論:「受験」とは、試験を受けること。「受検」は検査、検定を受けること。
「受験」は、試験を受けることを指します。
「受検」は、検査・検定を受けることを指します。
ではなぜ、受ける対象によって「受けん」も変化するのでしょうか。
ここからは、「試験」、「検査/検定」の違いに触れながら、「受験」と「受検」の違いについて、より詳しく解説していきます。
「受験」をもっと詳しく
「受験」とは、試験を受けることです。とはいえ、「試験」とはそもそもどういうものを指すのでしょうか。
「受験」をより深く理解する為に、まずは「試験とは何か」について解説していきます。
- 試験:ある物事の能力や性質を試し、測定すること。学力、知識、能力などを判断・評価するために行う行為のこと。
大学入試の場合、被験者はテストを通じてその大学が求めるレベルに達しているかどうかを判断、評価され、合否が決定します。
一方、企業に就職する際に行われる面接も、面接を受ける者がその会社の求める人材であるかどうかを判断、評価され、採否が下されます。
ただし、これらの場合、大学や企業が定める基準はいつも同じとは限らず、年度や担当する面接官によってそれらの基準は変動します。
そして、「受験」とは評価を伴う試験を受けることであるといえます。
「受検」をもっと詳しく
「受検」とは、検査や検定を受けることです。
ここでもまずはじめに、「検査/検定」がなんであるかを説明していきます。
- 検査:(ある基準に基づいて)異常や欠陥の有無、適不適を調べること。
- 検定:(ある基準に基づいて)検査をし、合格・不合格、または等級を決定すること。
たとえば、視力を調べるときには視力「検査」といいますね。
これは、ある定められた基準に基づいて視力を検査することで、どの程度の度のメガネが適しているのかを調べたり、目に異常がないかを調べることから「検査」という漢字が使われます。
血液検査も同様で、ある定められた基準に基づいて、血液に異常がないかどうかを調べることから、「検査」という漢字が使われます。
一方、運転免許や資格などを取得するときには「検定」が使われます。これは、被験者がその資格を所有するのにふさわしい人間であるかを、ある一定の基準に基づいて検査したうえで、合格・不合格が決定するからです。
英語検定や漢字検定なども、合格・不合格が伴うため「検定」が使われます。「検定」とは、結果を伴う検査と考えれば良いでしょう。
つまり、両者はある一定の基準を設けている点で共通していて、結果(合格や判定)が伴わないという点で異なるということを押さえておきましょう。
そして、「受検」とは、ある基準に基づいた検査/検定を受けることを指します。
しかし、どちらを受検するかによって、合否を伴う場合とそうでない場合がある、ということになります。
まとめ
以上、この記事では「受験」と「受検」の違いについて解説しました。
- 受験:試験を受けること(絶対的な判断基準はない)。
- 受検:検査・検定を受けること(一定の判断基準を持つ)。
今までなんとなく使い分けていた両者ですが、定められた判断基準の有無に違いがあることがわかりましたね。この違いをわかっていれば、相手がどのように評価をくだすのか、またその判断の仕方についても理解して「受けん」することができますね。