従事の意味とは?使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

従事とは「何かの業務に取り組むこと」という意味です。

「なんとなく使ってしまっているけれど、実際の意味はよくわからない」「正しい使い方がわからない」という人が多いのではないでしょうか。

この記事では、従事の意味や使い方の注意点などについて、詳しく解説します。

「従事」の意味

じゅう

何かの業務に取り組むこと

従事は、仕事において、何かの業務に取り組むことを表します。

また、「他のことには取り組まずに、その仕事だけに専念する」というニュアンスがあります。

このため、従事という言葉は、「仕事や研究で、成果を出すために誠実に取り組む様子」を指すことができます。

「従事」の使い方・例文

従事は、おもに以下のようなかたちで使います。

「従事」の使い方
  • 〇〇に従事する
    (〇〇の仕事に取り組む)
  • 〇〇従事者
    (〇〇の仕事に取り組む人)

〇〇には、仕事の業務内容が入ります。

具体的な例文を見てみましょう。

例文
  1. 私は長いあいだ、農業に従事してきた。
  2. この仕事に就く前は、教育関係の仕事に従事していた。
  3. 息子は、教育に従事しています。
  4. 医療従事者の皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。
  5. 航空従事者は、定期的に非常事態の訓練をしている。

「〇〇従事者」というかたちは、「医療従事者(医療に携わる人)」という表現で使われることが多いです。

証明書の名称に使われることも

従事は、公的な証明書の名称のなかで使われることもあります。

具体的な例を見てみましょう。

証明書で使われる「従事」
  • 実務従事証明書
    (じつむじゅうじしょうめいしょ)

    薬剤師として2年以上働いたことを証明する書類
  • 販売従事登録
    (はんばいじゅうじとうろく)

    一般医薬品販売を2年以上行なったことを証明する書類

「従事」を使うときの注意点


従事を使うときには、以下の点に気をつけましょう。

「従事」を使うときの注意点
  1. 趣味に対しては使えない
  2. 会社に対しては使えない
  3. 仕事の役割に対しては使えない
  4. さらに補足説明を加えると丁寧

以下、それぞれの注意点について詳しく解説します。

注意点①趣味に対しては使えない

まず、従事は業務内容に対して使います。

このため、趣味や家事に対しては使えません。

誤用例

× 私は、家の断捨離に従事しています。

× 昔は散歩に従事していた。

注意点②会社に対しては使えない

「組織に従事する」という表現は誤用です。

誤用例

× 私は株式会社△△に従事しています。

(※)ただし、「株式会社△△で、〜という業務に従事しています」という表現であれば問題ありません。

注意点③仕事の役職に対しては使えない

従事は、仕事の役職に対しては使えません。

あくまでも仕事の「内容」に対して使うのです。

誤用例

× 私は課長に従事しています。

(※)ただし、「株式会社△△で、課長として〜という業務に従事しています」という表現であれば、問題ありません。

注意点④さらに補足説明を加えると丁寧

「〇〇に従事しています」などと言ったあとには、〇〇に入る業務内容を、さらに具体的に説明すると、相手に伝わりやすくなります

「〇〇に従事する」という表現は、抽象的になってしまいがちだからです。

たとえば次のような場合があります。

具体例
「私は医療に従事しています」と言った場合、その人が医師なのか、看護師なのかわかりません。

また、具体的に、どのような医療に携わっているのかも判断できませんね。

このため、「私は医療に従事しています。小児科医として、町の子どもたちを診療しています。」などと補足すると、業務内容がより明確に伝わります。

会話のなかで、相手が「〇〇に従事しています」などと言ったときには、さらに踏み込んで、具体的な内容を聞いてあげることも大切です。

「〇〇に従事する」の敬語表現


「〇〇に従事する」は、敬語にして使う場合が多いです。

謙譲表現・尊敬表現にする場合について、主な言い回しを知っておきましょう。

「〇〇に従事する」の謙譲表現

「〇〇に従事する」を、へりくだって使う場合は、以下のように変えましょう。

「〇〇に従事する」の謙譲表現
  • 〜に従事しております
  • 〜に従事いたしております
  • 〜に従事させていただきます
  • 〜に従事させていただきました
  • 〜に従事しておりました

「〇〇に従事する」の尊敬表現

「〇〇に従事する」は自分に対して使うことが多いものの、まれに相手に対して使うことがあります。

目上の人に対して「〇〇に従事する」を使う場合、以下のような尊敬語の表現を使いましょう。

「〇〇に従事する」の尊敬表現
  • 〜に従事なさっています
  • 〜に従事されています
  • 〜従事していらっしゃいます

「従事」を就職活動で使う場合


「〇〇に従事する」という表現は、就職活動や転職活動でよく用いられます。

具体的には、自分の経歴をアピールをする際や、志望動機を伝える際に、面接や履歴書のなかで使うのです。

例文を見てみましょう。

「従事」を就職で使う場合の例
  • 前職では、アパレル業務に従事しておりました。
  • 私は、運送業に従事したいと思い、貴社の新卒採用にエントリーいたしました。

「従事」の成り立ち


従事は、「従」と「事」の2文字から成り立っています。

「従」と「事」には、以下のような意味があります。

「従事」の成り立ち
  • :物事に取り組む
  • :仕事

2つの漢字が合わさって、「仕事に取り組む」という意味になっています。

以下、「従」と「事」の意味を詳しく解説します。

「従」の意味

ジュウ

  1. 後について行く
    例:追従(ついじゅう)、従軍(じゅうぐん)など
  2. したがう
    例:主従(しゅじゅう)など
  3. 相手の言いなりになる
    例:従順(じゅうじゅん)、従属(じゅうぞく)など
  4. 物事に取り組む
    例:従事、従業(じゅうぎょう)など
  5. 親等(しんとう)が遠いこと
    例:従弟(いとこ)、従祖父(おおおじ)など
  6. 起点(きてん)
    例:従来(じゅうらい)など

上記のうち、④の「物事に取り組む」という意味が、従事の「従」に含まれています。

「事」の意味

  1. 物事
    例:事件・事情・火事・記事など
  2. 仕事
    例:事業・事務など
  3. つかえる
    例:師事など

上記のうち、②の「仕事」という意味が、従事の「事」に含まれています。

「従事」の類義語

従事には以下のような類義語があります。

厳密には、「〇〇に従事する」の類義語になります。
  • 業務にあたる
    業務を引き受ける
  • 携わる(たずさわる)
    物事に関わる
  • つかさどる
    職務に取り組む
  • 遂行(すいこう)する
    仕事をやり遂げること
  • 服務(ふくむ)する
    仕事に携わること
  • 就業(しゅうぎょう)する
    仕事に就く
  • 勤務(きんむ)する
    働く
  • 勤める(つとめる)
    会社などで働く
  • 労働(ろうどう)する
    働く
  • 出仕(しゅっし)する
    働きに出る
  • 在勤(ざいきん)する
    ある仕事に就いている
  • 在職(ざいしょく)する
    ある職業に就いている
  • 在任(ざいにん)する
    ある役職に就いている
  • 就職(しゅうしょく)する
    仕事に就く
  • 事(こと)に当たる
    担当する
  • 関与(かんよ)する
    物事に関わる
  • 事業(じぎょう)をする
    仕事を営む
  • 仕える(つかえる)
    目上の人のために働く。
    または、公的機関に務める
  • 侍する(じする)
    目上の人のそばで働く
  • 奉仕(ほうし)する
    国家や社会、主人のために働く
  • 献身(けんしん)
    わが身を犠牲にして、懸命に働く
  • 尽くす(つくす)
    他の人のために懸命に働く
  • 身を奉じる(ほうじる)
    相手のために働く
  • 身を捧げる(ささげる)
    自分のすべてを相手に捧げる
  • 身を尽くす(つくす)
    自分のすべてを何かに捧げる

「従事」と「携わる」の違い

「従事」と「携わる」は、どちらも「仕事に取り組む」という意味をもつ点が共通しています。

ただし、「携わる」には、「手と手を取り合う」という別の意味もあります。

意味①
意味②
従事
仕事に取り組む
携わる
手と手を取り合う

「従事」と「つかさどる」の違い

「従事」と「つかさどる」には、以下のような違いがあります。

  • 従事
    業務の内容に取り組むことを表す
  • つかさどる
    業務の役目を担うことを表す

「つかさどる」は、業務の内容ではなく、役目に対して使うのです。

「従事」と「遂行」の違い

従事と遂行には、以下のような違いがあります。

  • 従事
    仕事に取り組むこと
  • 遂行
    仕事をやりとげること

従事は、単に仕事に取り組むことを表します。

一方で遂行には、「仕事を完了させる」という意味合いがあります。

「従事」と「服務」の違い

従事と服務には、どちらも仕事に取り組むことを表します。

厳密には、以下のような違いがあります。

  • 従事
    業務内容に対して使う
  • 服務
    公的な機関で役割を担うときに使う

「従事」の対義語

従事には以下のような対義語があります。

  • 放棄(ほうき)
    責任や権利、モノを捨てること
  • 怠慢(たいまん)
    仕事や義務をさぼること

「従事」の英語訳

従事を英語に訳すと、次のような表現になります。

「従事」の英語訳
  • engage in〜
    (〜に従事する)
  • work
    (働く)

それぞれの英語訳を用いた例文を見てみましょう。

例文
  • I will engage myself in study.
    (私は研究に従事する予定だ。)
  • She works in education.
    (彼女は教育業に従事している。)

「従事」のまとめ

以上、この記事では「従事」について解説しました。

読み方従事(じゅうじ)
意味何かの業務に取り組むこと
成り立ち従(物事に取り組む)と事(仕事)
類義語「業務にあたる」「携わる」など
対義語放棄、怠慢
英語訳engage in〜(〜に従事する)、work(働く)

就職活動などを成功させるためにも、従事を正しく使いこなせるようになりましょう。

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Chinatsu
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新卒1年目でWebライター3年目。 学生時代からWebライターの仕事を始め、多くの記事を執筆・編集してきました。 丁寧な解説に定評があります。