「情緒」の意味とは?読み方は?使い方から英語や類語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「情緒 (じょうちょ)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「情緒」をざっくり言うと……

読み方情緒(じょうちょ)
意味ある物事にふれたときに起こるしみじみとした感情。また、怒りや喜び、悲しみなどの一時的な感情。
類義語風情、情調など
英語訳quaint atmosphere(古風で趣がある)

「情緒」の意味をスッキリ理解!

情緒(じょうちょ):ある物事にふれたときに起こるしみじみとした感情。また、怒りや喜び、悲しみなどの一時的な感情。

「情緒」の意味を詳しく


「情緒」とは、「ある物事にふれたときに起こるしみじみとした感情。また、怒りや喜び、悲しみなどの一時的な感情」を意味する熟語です。

「情緒」はもともとは「じょうしょ」と読まれていました。しかし、慣用(かんよう)読みである「じょうちょ」と読むことが一般的になっています。慣用読みとは、「正式ではない読み方のこと」です。

「情緒」の「情」は、「ある物事に感じて起こる心の動き」や「あるものから感じられる趣(おもむき)」という意味です。そして「緒」はもともと「紐(ひも)」を意味しました。そこから転じて、「あることから引き出される思い」を意味するようになりました。

 

また、「情緒」には、「ある感情を誘い起こす気分や雰囲気」という意味もあります。

「情緒がある街並み」といった使い方は、このような意味で「情緒」が使われています。

「感情」と「情緒」の違い

「感情」とは、「物事に対して生じる、快・不快、喜怒哀楽(きどあいらく)などの気持ち」のことです。

「感情」は、単に心に生じる感覚のことを言います。

一方で、「情緒」は瞬間的に起伏がある感情を指します。心に抱く感情というより、心に抱かせられた感情というニュアンスで使われます。たとえば、「異国情緒あふれる景観」と言う使い方があります。異国に来たと思わされるような景観という意味です。

「情緒不安定」とは

「情緒」は、「情緒不安定」という言葉として使われることも多くあります。

この場合の「情緒」の意味は、「怒りや喜び、悲しみなどの一時的な感情き」という意味です。そういった「一時的な感情」が、定まらず「不安定」であることを、「情緒不安定」と言います。

嬉しくなったかと思えば怒りがこみ上げてきたり、そして悲しくなってまったりという、感情の起伏が極端な様子を「情緒不安定」という言葉で表します。

「情緒」の使い方

  1. この街は異国の情緒が溢れていて、美しい。
  2. 水面(みなも)に映った満月は、とても情緒的だ。
  3. 彼女は情緒が定まらず、何を考えているのか分からない。
①では、「情緒」が「しみじみとした感情を呼び起こす雰囲気」という意味で使われています。一方で、②では「情緒的」という形容詞として「情緒」が使われています。この場合の「情緒的」とは、「しっとりとしていて風情(ふぜい)がある」という意味です。

そして③では、「情緒」が「喜怒哀楽などの一時的な感情の動き」という意味で使われています。

「情緒」の類義語

「情緒」には以下のような類義語があります。

  • 風情(ふぜい):風雅(ふうが)な趣。あじわい。
  • 情調(じょうちょう):おもむき。気分。喜怒哀楽などの感情。

「情緒」の英語訳

「情緒」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • quaint atmosphere
    (古風で趣がある)
  • tasteful
    (趣味の良い、上品な)
  • emotion
    (感情)
「情緒」には意味が大きく分けて 2つあります。「ある物事にふれたときに起こるしみじみとした感情、そしてそれを誘う雰囲気」、また「怒りや喜び、悲しみなどの一時的な感情」です。

quaint atmosphere と tasteful は前者の英語訳、emotion は後者の英語訳です。

まとめ

以上、この記事では「情緒」について解説しました。

読み方情緒(じょうちょ)
意味ある物事にふれたときに起こるしみじみとした感情。また、怒りや喜び、悲しみなどの一時的な感情。
類義語風情、情調など
英語訳quaint atmosphere(古風で趣がある)

日常で生活をしていて、多くの「情緒」ある風景に出会います。「情緒」ある景観は、大切にして守るべきでしょう。

一方で、「情緒」は喜怒哀楽などの感情を表す言葉でもあります。

本来は「じょうしょ」と読んでいました。本来の読み方も大切にして、「情緒」という熟語を味わいましょう。