あなたは「新聞記者」という仕事を知っていますか。日夜メモとペンを片手に町を走り回り、新聞に載せる記事を執筆する仕事、というイメージでしょうか。
それでは「報道記者」という仕事は知っていますか。記者といえば新聞、というイメージが強いため、正直「新聞記者」との違いが良く分からない人も多いでしょう。
今回は、なかなか違いが分からない「新聞記者」と「報道記者」の違いを解説していきます。将来記者にあこがれている人は、是非読んでみてください。
結論:「新聞記者」は新聞社、「報道記者」は放送局。
一方「報道記者」とは、テレビ局で働く記者のことです。
そもそも「記者」とは?
記者とは、人々の需要があるニュースを取材し、記事を書き、編集する仕事です。通常、新聞や雑誌、放送などの報道機関に所属しています。
英語では、 “newsperson” “press” “hack” “press person” といいます。
「新聞記者」をもっと詳しく
「新聞記者」とは、新聞社に勤める記者のことです。取材を通して情報を集め、朝刊・夕刊の〆切に間に合うように記事を執筆します。
大手の新聞社では、「政治部」「経済部」「社会部」「運動部」「生活報道部」「科学環境部」などの専門の部署に分かれ、活動しています。そのため、多くの場合、取材分野に深い知識を持った記者が取材をします。
また、日本全国に記者を派遣しています。そのため突発的な事件が起こっても、すぐに現地へ駆けつけ、情報を集めることができます。
全国紙の大手新聞社の「新聞記者」の数は大手放送局の「報道記者」よりも多いです。そのため、0から情報をつかむことや、規模の大きな問題を調査することに強みがあります。
また、新聞社で働く人の仕事として一般的にイメージされるのは、取材と執筆を行う記者ですが、それ以外に次のような仕事があります。
- 写真・映像記者:写真や映像を撮る記者
- 整理記者:取材記者が書いた原稿をまとめ、レイアウトする記者
- 校閲記者:出来た新聞紙面の間違いをチェックする記者
- デザイナー:記事にいれるイラストやグラフ、地図を描く人
近年、新聞各社はネットメディアによる情報発信に力を入れています。そのため、写真・映像記者によるネットメディア用の映像の需要は以前よりも高まっています。
新聞社への就職の多くは、大学卒業が条件となります。採用試験では、一般常識や時事問題の広い知識の他に、文章力なども問われます。
「報道記者」をもっと詳しく
報道とは、事実を知らせることです。具体的には、新聞やテレビなどのマスメディアで情報を一般に公表し、知らせることを指します。
新聞を発行することも報道の1つですが、新聞の記者は通常「新聞記者」といいます。そのため「報道記者」とは、一般にテレビ局に勤める記者のことを指します。
つまり、「報道記者」になるためには、テレビ局へ入社する必要があります。
テレビ局に勤める記者は、大きく放送記者といいます。放送記者は、大きく外勤の「報道記者」と、内勤の「編集記者」に分けられます。
「報道記者」は、取材記者とも呼ばれます。現地で取材を行い、仕入れた情報を元に原稿をつくります。また、緊急性の高い事件の場合は、現場に中継車が来て、報道記者自身が現場の状況を生中継で説明することもあります。
そのため、素早く情報をまとめる頭の回転の速さが求められます。仕事の幅としては、「新聞記者」よりも幅広いです。
朝刊・夕刊という明確な期限のある新聞とは異なり、テレビは緊急性が高い事件・事故・発表などがあれば、昼夜問わずにすぐに報道することができます。
そのため、「報道記者」は、24時間いつでも現地に赴きます。そして必要に応じて記事を書き、テレビカメラの前でリポートします。また、そのまま長時間現場に張り付くこともあります。
取材対象は、その人の担当によって異なります。同じ「報道記者」でも芸能担当・スポーツ担当・政治担当・経済担当など、多様な専門分野があります。
「報道記者」がつくった原稿を、テレビ局で修正するのが「編集記者」です。整理記者、ニュースディレクターとも呼ばれます。「編集記者」が確認した情報がテレビで流れ、報道されることになります。「編集記者」は記者という名前がついていますが、番組制作に直接関わる仕事です。
「報道記者」が取材した内容は、局全体の様々な番組に使用されます。一方「編集記者」は、特定のニュース番組を担当している場合が多いです。
まとめ
以上、この記事では、「新聞記者」と「報道記者」の違いについて解説しました。
- 新聞記者:新聞社の記者
- 報道記者:放送局の記者
このように「新聞記者」と「報道記者」は、同じ記者でも異なる点がいくつもあります。
何か事件が起こった時に、カメラの前で状況を解説しているのは、アナウンサーではなく「報道記者」かもしれません。生中継の緊張感の中、現場の状況を正確に伝え、スタジオからの質問に即興で答えるのは、高い技術と経験が必要となるでしょう。
一方、「新聞記者」もジャーナリストの代表的存在として、重要な役割を担っています。自分が少しでも気を抜いていたり、業務を怠ったりすると、伝えるべき事実を見逃してしまうかもしれません。すると、国民全体はその事実を知ることができなってしまいます。
どちら仕事内容は決して楽ではありません。将来記者に憧れている人は、両者の業務内容を踏まえ、後悔のない道を選びましょう。