本や雑誌、新聞やネットなど様々な媒体で、多岐にわたるジャンルの記事を読むことができると思います。そして、これらの記事を書く人々を色々な言葉で表すことができます。
その中に、「新聞記者」と「ジャーナリスト」があると思いますが、この二つの仕事の違いをご存知でしょうか。両者とも同じような業務内容なので混同している方も多いと思います。それでは、「新聞記者」と「ジャーナリスト」の二つの違いについて解説していきたいと思います。
このページの目次
【1】仕事内容の違い
新聞記者の仕事
新聞記者とは、社会で起きた出来事を正確かつ素早く記事にまとめる仕事です。記事の内容は、最新の事件や事故、政治や経済、国際情勢やスポーツなど私たちの生活と密接に関わる分野です。
読者が知りたいと思うような事柄、あるいは読者にぜひ知ってもらいたい事柄についての情報を取材等で集め、記事にするのが新聞記者の役割です。取材だけでなく、紙面のレイアウトや校正や校閲を中心とした編集作業を主に行う記者もいます。
ジャーナリストの仕事
ジャーナリストとは、社会で起きた出来事に加えて、その解説やそれに対する批評や見解も記事にまとめる仕事です。事実の正確さや素早さよりも、ジャーナリスト自身の見解を含めたわかりやすい解説や批評に重きを置かれるのが特徴です。
新聞と同様に記事の内容は様々な分野に渡るので、政治、経済、スポーツ、文化などに専門化したジャーナリストが多いです。
例えば、経済ジャーナリストであれば新聞やテレビニュース、専門誌やインターネットから丹念に情報を拾い出し、そこで探し出したニュースの取材を行なって解説を書きます。
【2】仕事に就く方法の違い
新聞記者になる方法
新聞記者になるには、新聞社に就職することが一般的です。応募資格が「大卒」であるため、四年制の大学を卒業している必要があります。
大学のメディア学科や新聞学科でマスコミ業界について勉強することも可能ですが、採用試験において、学部学科は問われません。それ以上に、一般常識や時事問題の知識、文章能力が求められます。
最近では、IT や金融、工学などの専門知識を持つ学生や、語学力の高い学生などを積極的に採用する新聞社も増えています。
就職後の流れ
全国新聞で就職した場合、研修を終えた後、地方局または校正や校閲部、紙面編集部などの内勤記者として配属されます。
地方局に配属された場合、県や市、警察などを主に担当し、取材を行います。それぞれから発表された内容を記事にまとめるのですが、朝刊や夕刊の締め切り時刻に間に合う原稿執筆の能力が求められます。さらに、発表の裏付けを取ることも非常に重要です。
ジャーナリストになる方法
ジャーナリストとして活躍される多くの方は、フリーランスです。特別な資格を必要としませんが、ジャーナリズムの世界を理解していないと仕事をするのは非常に困難です。そのため、まずメディアを扱う企業で報道について学ぶのが一般的です。
また、新聞や雑誌、報道の記者の業務内容と酷似しているので、記者として経験を積んだ人がジャーナリストとして独立する事が多いです。
日本では資格はないですが、欧米ではジャーナリズム教育が盛んで、専門課程を卒業した者にのみジャーナリストの免許が与えられる国もあります。
「ジャーナリスト」の由来
ジャーナリストという言葉の、「ジャーナル」は元々ラテン語の「日刊」が語源で、週刊誌や月刊誌の「定期刊行物」という意味を持ちます。言い換えれば、ジャーナリストとは本来、新聞や雑誌などの媒体に定期的に記事を提供する人を指していたのです。
また、社会で起きた事件や事故をメディアを介して広く伝えることを報道といい、その活動や業界を総じて「ジャーナリズム」と言います。
まとめ
- 新聞記者:世の中で起きた出来事を素早く、正確に記事にまとめあげる
- ジャーナリスト:社会情勢に加えて、自身の見解や批評を加えた解説も記事にまとめる
- 新聞記者:新聞社に就職する
- ジャーナリスト:経験を積んだ後、フリーランスとして独立する
「新聞記者」と「ジャーナリスト」の二つの違いはお分りいただけたでしょうか。私たちが普段目にする本や新聞、雑誌などに書かれている文章には、必ず作者が存在します。
これからは、誰が作者なのか想像しながら読み進めてみてください。そうすれば、書かれていた文章の理解がより深まる事でしょう。