「自責の念」とは?意味と使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

自責の念とは「行いを後悔し、自分を責める気持ち」という意味です。

少し難しい言葉であるため、正しい意味や使い方に自信がないという方もいるのではないでしょうか。

また、他の言葉への言い換え方も気になりませんか。

この記事では、自責の念の意味や使い方、類義語などについて詳しく解説します。

☆「自責の念」をざっくり言うと……

読み方自責(じせき)の念(ねん)
意味行いを後悔し、自分を責める気持ち
類義語後悔の念
呵責の念
良心の呵責 など
英語訳remorse
(自分を責める気持ち)
guilty conscience
(やましい気持ち)
blame onself
(自分を責める) など
中国語訳・韓国語訳罪己
自责
자책감

「自責の念」の意味

自責じせきねん

行いを後悔し、自分を責める気持ち

自責の念は、後悔して自分を責める気持ちを表します。

「自責」と「念」には、それぞれ以下のような意味があります。

  • 自責
    自分を責めること

  • 思い、気持ち

つまり、自責の念は「自分を責める思い」を指します。

なお、自責の念には、単に「自分を責める」という意味だけでなく、「自分がした行いを後悔している」という意味合いも含まれています。

たとえば下記のような後悔に対して使います。

「自責の念」の後悔の例
  • 良いことをしなかった後悔
    例1:やるべき習慣をサボった
    例2:相手を助けてあげられなかった
  • 悪いことをした後悔
    例1:相手を傷つけた
    例2:犯罪をしてしまった

「自責の念」の使い方

「自責の念」は、主に以下のような言い回しで使います。

例文と合わせて見てみましょう。

  1. 自責の念に堪えない(たえない)
    自分を責める気持ちを抑えることができない
    例:重要なデータを消してしまい、自責の念に堪えない
  2. 自責の念にとらわれる
    自分を責める気持ちで頭がいっぱいになる
    例:この1年間は、親孝行ができなかったという自責の念にとらわれる日々だった。
  3. 自責の念に駆られる
    自分を責める気持ちが高ぶる
    例:昨日は自責の念に駆られてなかなか眠れなかった。
  4. 自責の念を抱く
    自分を責める気持ちをもつ
    例:私のせいでチームが敗北してしまい、自責の念を抱いている
  5. 自責の念を覚える
    自分を責める気持ちを感じる
    例:毎日かかさずに行なっていたランニングをさぼってしまい、自責の念を覚える
  6. 自責の念に苛まれる(さいなまれる)
    自分を責める気持ちで苦しむ
    例:Aさんは昔、万引きをしてしまったことがあり、今だに自責の念に苛まれるそうだ。
  7. 自責の念に襲われる
    自分を責める気持ちに苦しむ
    例:親友を傷つけてしまったのではないかという自責の念に襲われ、泣いてしまった。
  8. 自責の念を込めて
    自分を責める気持ちを込めて
    ※過去の反省を踏まえる際に使うことが多い
    例:自責の念を込めて、今回こそはしっかりと働きます。

「自責の念」の類義語

自責の念には以下のような類義語があります。

  • 後悔の念
    自分の過ちを悔やむ気持ち
  • 呵責(かしゃく)の念
    自分を責めて苦しむ気持ち
    ※あまり使わない表現
  • 良心(りょうしん)の呵責
    悪いことをしたと自覚し、心を痛めること
  • 罪悪感
    悪いことをしたと自覚する気持ち
  • 罪の意識
    悪いことをしたと自覚する気持ち
  • 負目(おいめ)
    相手に申し訳ないことをしたという気持ち
  • 恥じ入る
    自分の失敗や未熟さを自覚して、恥ずかしく思う
  • 忸怩(じくじ)たる思い
    自らの行いを深く反省して、恥ずかしいと思う気持ち
  • 慙愧(ざんぎ)に堪えない
    自分の行いに失望して反省すること
  • 自己嫌悪(じこけんお)
    自分のことが嫌になってしまうこと
  • 悔悟(かいご)する
    自分が悪かったと認めて後悔する
  • 悔恨(かいこん)の情(じょう)
    自分が悪かったと認めて後悔する気持ち
  • 悔悛(かいしゅん)
    後悔し、反省して心を入れ替えること
  • 事態を重く受けとめる
    起きたことを重大なこととして認識すること
  • 責任感を覚える
    自分の責任を感じる
  • 痛恨(つうこん)
    とり返しがつかないことを後悔すること
  • 反省(はんせい)
    自分の良くなかったところを認め、改善しようとすること

上記の類義語のなかで、自責の念と最も意味が近いのは、後悔の念です

文中での使い方も、自責の念の言い回しと同じように用いることができます。

ただし、厳密には、両者には以下のような違いがあります。

自責の念後悔の念
重視する感情自分を責める気持ち自分の行いを悔やむ気持ち
深刻度深刻な場面深刻な場面だけでなく、些細な場面でも使う
英語訳
  • remorse
    (自分を責める気持ち)
  • guilty conscience
    (やましい気持ち)
  • blame onself
    (自分を責める)
  • penitence
    (後悔する)
  • regret
    (後悔する)
  • compunction
    (自分の欠点を認めて悔やむこと)

自責の念は、自分を責める気持ちがメインになっている言葉です。

一方で、後悔の念では、自分を責める気持ちというよりも、悔やむ気持ちのほうが全面に出ています。

また、自責の念はどちらかというと深刻な状況で使いますが、後悔の念は、些細な失敗に対しても使うことができます。

例文
  1. 昨日、部活の先輩に挨拶をしないまま下校してしまい、後悔の念にとらわれている。
  2. ストッキングが破れてしまい、予備をもっておけばよかったと後悔の念を抱いた

さらに、英語訳も異なりますから、参考までにチェックしておきましょう。

「自責の念」の英語訳

自責の念を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • remorse
    (自分を責める気持ち)
  • guilty conscience
    (やましい気持ち)
  • blame onself
    (自分を責める)
  • guilt-ridden
    (自分を責める気持ちで溢れる)
  • self-condemnation
    (自分を非難すること)

「自責の念」の中国語訳・韓国語訳


自責の念を中国語に訳すと、以下のようになります。

  • 罪己(ツウィジー)
    (自分を責める)
  • 自责(ツーヅァー)
    (自分を責める)

また、自責の念を韓国語に訳すと、以下のようになります。

  • 자책감(チャチェッカム)
    自分の行動を責めて後悔すること

「自責の念」にとらわれやすい人の特徴


自責の念にとらわれ、自分を責めがちな人には、以下のような特徴があります。

  • 完璧主義である
  • 責任感がある
  • 自己肯定感が低い
  • 真面目すぎる
  • 自信がない
  • 考えすぎる
  • 神経質
  • ネガティブ思考
  • 負けず嫌い
  • 人と自分を比べる癖がある
  • 悩みを1人で抱えてしまう
  • 周りから責められる前に自分で自分を責める

つまり、自責の念を感じやすい人には、細かいところまで考え、責任感があります。

しかし、真面目すぎるぶん、自己肯定感が低かったり、気持ちを溜め込んだりすることで、必要以上に深く自分を責めてしまうことがあります。

「自責の念」に苦しまないための心がけ

自責の念を感じて、反省をすることは誠実な行為であり、次の成長につなげることができます。

しかし、自分を責めすぎると、うつ病などにつながってしまいます

そのため、自責の念に苦しまないために、以下のような点を心がけましょう。

  • 次にどうすべきかを前向きに考える
  • 自分のことを許す
  • 自分の良い部分を褒める
  • 人から褒めてもらう
  • 過去のことを考えすぎない
  • 気分転換をする
  • 今日起きたよかったことに目を向ける

このように、自分肯定感を高め、前向きな気持ちになることが大切です。

「自責の念」のまとめ

以上、この記事では自責の念について解説しました。

読み方自責(じせき)の念(ねん)
意味行いを後悔し、自分を責める気持ち
類義語後悔の念
呵責の念
良心の呵責 など
英語訳remorse
(自分を責める気持ち)
guilty conscience
(やましい気持ち)
blame onself
(自分を責める) など
中国語訳・韓国語訳罪己
自责
자책감

自分を責めて反省することは、行動の改善につながります。

しかし、自分のことを嫌に思ってしまうと、苦しい気持ちになってしまいます。

日々の生活のなかで、自責の念と適度に向き合いましょう。

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