ジャネーの法則とは「ある時点での時間の心理的長さは年齢に反比例する」という意味の法則です。
小さい頃に比べて、時が過ぎるのが早くなったように感じる人も多いのではないでしょうか。
どうしてそうなるのか、他の人もそう感じているのかなど、不思議に思いますよね。
この記事では、ジャネーの法則の意味や根拠、提唱者などについて、詳しく説明します。
☆「ジャネーの法則」をざっくり言うと……
読み方 | ジャネーの法則(ほうそく) |
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意味 | ある時点での時間の心理的長さは年齢に反比例する |
提唱者 | ポール・ジャネー |
英語訳 | Janet’s law |
このページの目次
「ジャネーの法則」の意味
ある時点での時間の心理的長さは年齢に反比例するという法則
ジャネーの法則とは、「ある時点での時間の心理的長さは、年齢に反比例する」という法則です。
これは、人々が感じる時間の長さが、年少者にはより長く、年長者にはより短く感じられることを言い表した法則です。
根拠としては、歳を重ねると、今まで過ごしてきた時間の中で「1年」というものが占める割合が小さくなることが挙げられます。たとえば、10歳からの1年はこれまでの人生の1/10ですが、60歳からの1年はこれまでの人生の1/60にしかなりません。
ただし科学的根拠はなく、法則というよりは仮説に近いため、検証が必要だと言われています。
ジャネーの法則にもとづいて、体感的な人生の折り返し地点を計算すると、おおよそ20歳前後になります。
これは記憶が3歳から始まっていることを前提とした計算で、もし生まれたばかりの頃から計算すると10歳前後、逆に5歳から記憶が始まっているとするなら20代となります。
ただし、他の説では36歳くらいが折り返し地点だと言われているなど、はっきりと判明しているわけではありません。
「ジャネーの法則」の具体例
ジャネーの法則は、以下のような状況で感じることが多いです。
- 気がついたら勤続十年を迎えていた
- 最近まで小さかった親戚の子どもが、いつの間にか成人していた
- 自分の子ども時代の思い出を振り返って、当時よりも今の方が時の流れが早いと感じた
「ジャネーの法則」の提唱者
ジャネーの法則の提唱者は、19世紀のフランスの哲学者、ポール・ジャネーです。
甥の心理学者、ピエール・ジャネーの著書において紹介されました。
「ジャネーの法則」の英語訳
ジャネーの法則を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Janet’s law
(ジャネーの法則)
「ジャネー」のスペルはJanetです。
「ジャネーの法則」への主な批判
ジャネーの法則には、次のような批判や注釈があります。
- 主観的加速の描写であって、説明ではない
アメリカの哲学者ウィリアム・ジェイムズによる批判 - 同じ個人でもさまざまな要因によって感じられる時間の長さが変わる
一川誠『大人の時間はなぜ短いのか』より - 現在は感じられる時間についての予測の精度の向上が試みられている
一川誠『時計の時間、心の時間、退屈な時間はナゼ長くなるのか』より
補足:人生を長く感じる方法
歳を取ったあとも人生を長く感じるためには、以下のような方法があります。
- 新しい体験をする
- ストレスを感じるチャレンジをする
方法①:新しい体験をする
人生を長く感じるための1つ目の方法は、新しい体験をするというものです。
同じことを繰り返していると、「今日も特に新しいことはなかった」と脳に処理され、記憶に残らなくなります。そうすると、時間があっという間に過ぎた感覚になりやすくなります。
逆に、新しい体験をすると記憶に残り、振り返った際に充実していたと感じられるようになります。
また、新しいことを行うとドーパミンが分泌されるため、脳の活性化にもつながります。
方法②:ストレスを感じるチャレンジをする
同様に、何かストレスを感じるようなチャレンジも時間を長く感じさせます。
いろいろと試行錯誤を行う必要があり、記憶に残りやすくなるためです。
自分の1年を振り返ったときに思い出せる出来事が増えると、その1年は長い時間だったように感じることができます。
「ジャネーの法則」のまとめ
以上、この記事では「ジャネーの法則」について解説しました。
読み方 | ジャネーの法則(ほうそく) |
---|---|
意味 | ある時点での時間の心理的長さは年齢に反比例する |
提唱者 | ポール・ジャネー |
英語訳 | Janet’s law |
科学的な根拠があるわけではないことも、合わせて覚えましょう。