「ジャム」と「マーマレード」の5つの違いとは?味や語源を解説

違いのギモン
パンやヨーグルトを食べるときに「ジャム」と「マーマレード」使う方は多いでしょう。「ジャム」は左の画像、「マーマレード」は右の画像に当たります。

どちらも、果物に砂糖やハチミツを加えてゼリー状になるまで煮込んだものです。とても甘くなり、長期保存に適します。

作り方も複雑ではないため、消費しきれない果物を家庭で「ジャム」または「マーマレード」にすることも可能です。

 

突然ですが、「ジャム」と「マーマレード」、なぜ名前が違うか知っていますか?

実はこの二つには明確な違いがあります。今回は「ジャム」と「マーマレード」の違いを5つに分けて解説します。

☆「ジャム」「マーマレード」の違いをざっくり言うと……

ジャムマーマレード
原料果肉果肉と果皮
甘い苦味もある
栄養価低い高い
語源チャムマルメラーダ
起源旧石器時代中世のポルトガル

【1】原料の違い

「ジャム」の原料

「ジャム」は、果肉と果汁に砂糖を加えて作られています。

主に使われる果物を以下に示しました。

  • イチゴ
  • ブルーベリー
  • オレンジ
  • ブドウ
  • アンズ
  • リンゴ
  • キウイ

甘味と酸味をどちらも持っている果物が使われています。

「マーマレード」の原料

「マーマレード」は、果肉と果汁に加えて、果物の皮も使用します。したがって、ある程度皮がしっかりしている柑橘系の果物に限られます。

主に使われる果物を以下に示しました。

  • オレンジ
  • ゆず
  • グレープフルーツ
  • レモン
ほかにも、はっさくや夏みかんなど、様々な柑橘系の果物で作ることができます。

「ジャム」で人気のイチゴやブルーベリーは、皮がほとんどないため「マーマレード」にはなりません。

 

ちなみに、果肉も入れずに果汁のみで作られたものをゼリーと呼びます。ゼラチンで作られたお菓子のゼリーとは違うため、注意してください。

【2】味の違い

「ジャム」は、原料の果物によって異なりますが、甘くて果肉のジューシーさが感じられる味になります。

一方、「マーマレード」は、皮のほろ苦さがアクセントとして加えられた味です。柑橘系の果物が使われているため、酸味が強く感じられます。「ジャム」より甘くなく、あっさりとしています。

【3】栄養素の違い

一般的に、「マーマレード」に多くの栄養素が含まれています。

果物の皮は栄養素が集中するところであるため、果物の皮が含まれる「マーマレード」の方が栄養素を多く含みます。

柑橘系の皮にはビタミンPが含まれています。ビタミンPは、コレステロール値を下げ脂肪を分解したり、体を温めて冷え性を改善したりする効果があります。

【4】語源の違い

「ジャム」の語源

ジャム」の語源は、くちゃくちゃかむという意味のチャム(cham)にあります。

ただ、”cham”は古い英語の方言で、現在は使われなくなりました。

「マーマレード」の語源

「マーマレード」の語源は諸説ありますが、ポルトガルで作られたマルメラーダ(marmelada)だとする説が有力です。

マルメラーダはマルメロという柑橘系の果物が原料です。

【5】起源の違い

「ジャム」の起源

「ジャム」の起源は非常に古く、今から1万~1万5千年前の旧石器時代までさかのぼります。

スペインの洞窟にて、果物をハチミツで煮込む壁画が発見されました。また、土器でハチミツを煮込んだ跡も見つかっています。

「ジャム」は、人類最古の保存食だと考えられているのです。一般に普及したのは、1200年頃です。十字軍のオリエント遠征で、大量の砂糖が流通したことをきっかけにジャム作りが盛んになりました。

「マーマレード」の起源

語源でも紹介したように、ポルトガルでマルメロを原料に作られた、マルメラーダが起源だと考えられています。

まとめ

以上、この記事では、「ジャム」と「マーマレード」の5つの違いについて解説しました。

ジャムマーマレード
原料果肉果肉と果皮
甘い苦味もある
栄養価低い高い
語源チャムマルメラーダ
起源旧石器時代中世のポルトガル

「ジャム」と「マーマレード」の違いと自分の好みを知って、好きな方をオーダーしましょう。

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シェスカ
公的文章に詳しい大学院生。 学術論文や特許の執筆を得意としています。 スッキリではその知識を活かし、専門用語の解説を担当しています。