「一族郎党」の意味とは?誰まで含める?使い方まで例文付きで解説

言葉

一族郎党とは「血のつながりがある家族」「血のつながりがない家臣や関係者」「組織や団体」という意味です。

3つも意味があって、驚いた人も多いのではないでしょうか。

文章中に一族郎党が出てきた時に、正しい意味で読みたいですよね。

この記事では、一族郎党の意味や使い方を詳しく解説します。

「一族郎党」の意味

一族郎党いちぞくろうとう

  1. 血のつながりがある家族
  2. 血のつながりがない家臣や関係者
  3. 組織や団体

一族郎党は、以下の2語から成り立っています。

  • 一族
    血のつながりがある人々
  • 郎党
    ①主君に従う人
    ②主君と血のつながりがない家臣

一族郎党は、「いちぞくろうどう」と読むこともあります。

一族郎党の3つの意味を、それぞれ詳しく解説します。

意味①血のつながりがある家族

一族郎党の1つ目の意味は、血のつながりがある家族や親戚です

血のつながりの濃さには関係がなく、同じ祖先をもつ人々の総称です。

意味②血のつながりがない家臣や関係者

一族郎党の2つ目の意味は、血のつながりがない家臣や関係者です

血のつながりがなくても、家族のように利益を分け与える人々を指します。

意味③組織や団体

一族郎党の3つ目の意味は、組織や団体の総称です

血のつながりがあるかどうかは関係なく、宗教団体や、その中の宗派を指します。

「一族郎党」の表記

一族郎党は、一族郎 “等” と表記することもあります。

この表記でも、「いちぞくろうとう」と「いちぞくろうどう」のどちらで読んでも問題はありません。

「一族郎党」の使い方

一族郎党は、以下のような言い回しでよく使います。

  • 一族郎党を引き連れる
    家族や関係者を一緒に連れて行く
  • 一族郎党を率(ひき)いる
    家族や関係者を一緒に連れて行く
  • 一族郎党力を合わせる
    家族や関係者が同じ目的のために協力する
  • 一族郎党から追われる
    家族や関係者から捕まえようとされる
  • 一族郎党を手中に収める
    家族や関係者を全て自分のものにする
  • 一族郎党皆殺し
    家族や関係者をひとり残らず殺す

3つの意味ごとに、例文を見ていきましょう。

使い方①「血のつながりがある家族」の意味

一族郎党は「血のつながりがある家族」という意味で使う場合は、以下のような例文があります。

  1. 正月には一族郎党が祖父の家に集まり宴会をする。
  2. 彼は一族郎党を率いて戦に挑んだ。
  3. 彼は裏切り者として、一族郎党から追われる身となった。
  4. 遠い昔、西を追われたらしい高麗(こま)の豪族の一族郎党大人数が、舟で逃げてきて、ここに上陸した。
    [出典:坂口安吾『曾我の暴れん坊』]

使い方②「血のつながりがない家臣や関係者」の意味

一族郎党は「血のつながりがない家臣や関係者」という意味で使う場合は、以下のような例文があります。

  1. 一族郎党で力を合わせて戦いに勝利した。
  2. 一族郎党を手中に収めれば、天下統一も夢ではないだろう。
  3. 謀反(むほん)が起きないように、一族郎党皆殺しが行われた。
  4. 屋敷の周りは一族郎党でかためられ、逃げ場がない。

使い方③「組織や団体」の意味

一族郎党は「組織や団体」という意味で使う場合は、以下のような例文があります。

  1. 彼は一族郎党を引き連れて訴訟(そしょう)を起こした。
  2. 団体の存続ができないと、一族郎党の生活が危うい。
  3. 歌舞伎役者は一族郎党で、各地を転々としている。

「一族郎党」の類義語

一族郎党には以下のような類義語があります。

  • 一家眷属/一家眷族(いっかけんぞく)
    ①血のつながりがある家族
    ②血のつながりがない家臣や関係者
    ③組織や団体
  • 眷属/眷族(けんぞく)
    ①血のつながりがある家族
    ②家臣
  • 妻子眷属/妻子眷族(さいしけんぞく)
    ①血のつながりがある家族
    ②家臣
  • 親戚眷属/親戚眷族(しんせきけんぞく)
    ①血のつながりがある家族
    ②家臣
  • 親類縁者(しんるいえんじゃ)
    ①血のつながりがある家族
    ②婚姻などにより関係のある親戚
  • 一門(いちもん)
    ①家族や同じ家系の人々
    ②仏教で、同じ宗派の人々
    ③学問・武道・芸能などで、同じ人物を師匠とする人々
    ④大相撲で、力士がつくる集団
  • 一味徒党(いちみととう)
    同じ目的をもつ仲間
    ※主に悪いことが目的

「一族郎党」と「眷属」の違い

一族郎党と眷属は、ほとんど同じ意味です。

しかし、一族郎党よりも眷属のほうが、規模が大きい言葉が前につきやすいです

そのため、一族郎党よりも眷属のほうが、より強い力をもつイメージがあります。

例文
  • 山田家の一族郎党は戦で敗れた。
    「大きな権力を持たない人とつながりがある人々」を表す
  • この神社では狛犬(こまいぬ)を神の御眷属様として祀(まつ)っている。
    「大きな権力を持つ人とつながりがある人々」を表す

眷属は敬う対象であるため、「御眷属様」と敬称で使われることも多いです。

「一族郎党」と「一門」の違い

一族郎党と一門は以下のような違いがあります。

一族郎党一門
意味①血のつながりがある家族
②血のつながりがない家臣や関係者
③組織や団体
①家族や同じ家系の人々
②仏教で、同じ宗派の人々
③学問・武道・芸能などで、同じ人物を師匠とする人々
④大相撲で、力士がつくる集団

一族郎党と一門は、表す分野の範囲が異なります

一族郎党は、家族や家臣など家について表します。

一方、一門は、学問・武道・芸能や大相撲など、文化的なことを表します。

類義語に間違えられやすい語

以下の語は、一族郎党の類義語に間違えられやすいですが、正確には類義語ではありません。

  • 家族/親族
    家臣や部下が含まれないため
  • 一族族誅(いちぞくぞくちゅう)
    「一族族誅」という言葉はない
    ※「族誅」は古代中国の刑罰で、罪人を一族ごと処刑すること。

「一族郎党」の対義語

一族郎党には以下のような対義語があります。

  • 赤の他人
    全く知らない人
  • 一個人(いちこじん/いっこじん)
    ①ひとりの人間
    ②公の立場を離れたひとりの人間

「一族郎党」の英語訳

一族郎党を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • all one’s family and retainers
    (身内や家来の皆)
  • one’s family and followers
    (自分の家族や部下)
  • one’s whole clan
    (一族全体)

“all one’s family and retainers” の “retainer” は、「家来」という意味です。

“one’s family and followers” の “followers” は、「部下」という意味の “follower” の複数系です。

“one’s whole clan” の “clan” は、「一族」という意味です。

「一族郎党」のまとめ

以上、この記事では一族郎党について解説しました。

読み方一族郎党(いちぞくろうとう)
意味血のつながりがある家族
血のつながりがない家臣や関係者
組織や団体
類義語一家眷属
眷属
妻子眷属 など
対義語赤の他人
全く知らない人
英語訳all one’s family and retainers(身内や家来の皆)
one’s family and followers(自分の家族や部下)
one’s whole clan(一族全体)

一族郎党は、血のつながりがあってもなくても、家族のような存在の人々を表す言葉です。

人はひとりでは生きていけませんので、周りの人を大切にしたいですね。

ABOUT US

間山智賀
間山智賀
自称、誤字キラー。 Web記事でも誤字脱字を見逃しません。言葉が大好きです。 大学では言葉遊びについて研究していました。マイブームは日本語ラップを聴くこと。