今回ご紹介する言葉は、ことわざの「足元を見る(あしもとをみる)」です。
意味、使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「足元を見る」をざっくり言うと……
読み方 | 足元を見る(あしもとをみる) |
---|---|
意味 | 相手の弱みを見つけて、それにつけ込むことのたとえ |
由来 | 江戸時代の籠屋が、お客さんの弱みにつけ込んだことが由来とされている |
類義語 | 足下を見立てる、足下を見て付け上がるなど |
英語訳 | It takes advantage.(足元を見る) |
このページの目次
「足元を見る」の意味をスッキリ理解!
「足元を見る」の意味を詳しく
突然ですが、少し大げさなこの写真を見て下さい。暑い砂漠の中で、水を求めて疲れ果てている状況だと仮定します。
そんな状況の時、彼が水を売っている人を発見したら、彼はどのような行動に出るでしょうか。きっと、必死で買い求めるでしょう。
しかし、いざそこへ行ってみると、商人に500mlの水を1000円で売られたとします。私たち日本人が、日本で500mlの水を買うときは、100円前後ですよね。
こう考えると明らかにぼったくりに感じるでしょう。しかし、水が無く暑い砂漠の中で疲れ果てている彼は、高くてもこの水を購入するしかありません。
これは、商人が彼の弱みにつけ込んで「足元を見ている」状態なのです。
このように、「足元を見る」とは、相手の弱みを見つけて、それにつけ込むことのたとえです。ちなみに、「足元を見る」は、「足許(あしもと)を見る」と書くこともあります。
人は元々、相手の弱みを知りたいという心理を持っています。それは、自覚なしに「人より優位に立っていたい」という願望が誰しもあるからです。ある意味、「足元を見る」とは、人間の心理に基づいた行動なのです。
「足元を見る」の使い方
- 私が新米だと知って、足元を見るような条件ばかり提示される。
- この商談は完全に足元を見られている。
- 上司の苦労を知った上で足元を見るような行動をする。
- 相手の足元を見て、話を進める。
「足元を見る」の由来
「足元を見る」は、江戸時代にできた言葉です。
現代の私たちの交通手段は、バスやタクシー、電車など色々ありますが、江戸時代の主な交通手段は、上記写真にあるような、「籠(かご)」でした。
籠は、現代のタクシーに相当する、お一人様専用の移動手段です。
江戸時代に歩くのに疲れてしまった場合、基本的に籠以外のものはありませんでした。
籠屋(※)は、依頼を受けると、「時価」で武士や町人、旅人などに請求していました。
この時の「時価」は、武士や町人、旅人などの足の疲れ具合をみて決めたと言われています。
つまり、「高いからやっぱり歩こう」と言う考え方にならないように、駆け引きが行われていたのです。
この時、籠屋は武士や町人、旅人などの弱みにつけ込んでいることから、「足元を見る」ということわざができたと言われています。
- 籠屋(※):籠で人を運ぶ商売をする人のこと
「足元を見る」の類義語
「足元を見る」には、以下のような類義語があります。
- 足下につけ入る:相手の弱点につけ入ることの例え
- 足下につけ込む:相手の弱点につけ込むことの例え
- 足下を見立てる:相手の弱点を見ることの例え
- 足下を見て付け上がる:相手の弱点を見て、付け込むことの例え
「足元を見る」の英語訳
「足元を見る」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- It takes advantage.
(足元を見る) - take unfair advantage of
(足元を見る)
まとめ
以上、この記事では「足元を見る」について解説しました。
読み方 | 足元を見る(あしもとをみる) |
---|---|
意味 | 相手の弱みを見つけて、それにつけ込むことのたとえ |
由来 | 江戸時代の籠屋が、お客さんの弱みにつけ込んだことが由来とされている |
類義語 | 足下を見立てる、足下を見て付け上がるなど |
英語訳 | It takes advantage.(足元を見る) |
足元ばかりを見る人は、一緒にいて楽しくないですよね。人の足元を見ずに相手の良いところを見つけられると良いですね。