今回ご紹介する言葉は、熟語の「一蹴(いっしゅう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「一蹴」をざっくり言うと……
読み方 | 一蹴(いっしゅう) |
---|---|
意味 | 蹴とばすこと。問題にもせず拒絶すること。簡単に負かすこと。 |
類義語 | 拒否、拒絶、圧勝など |
英語訳 | kick(ける), reject(拒絶する), beat somebody easily(簡単に勝つ) |
「一蹴」の意味をスッキリ理解!
「一蹴」の意味を詳しく
「一蹴」の原義は「けとばすこと」です。「蹴」には「ける」という意味があります。「けとばすこと」から派生し、「一蹴」には二つの意味があります。
まず、「一蹴」は「要求などを問題にもせず拒絶すること」という意味を持ちます。「要求を一蹴する」と言う場合は、単に断るのとは違い、「相手の言い分に少しも耳を傾けずに断る」というニュアンスがあります。
また、戦いにおいて、簡単に相手を負かすことも「一蹴」と表現します。「敵を一蹴した」と言う際は、ほとんど手間をかけずに敵を倒したことを意味します。
「一蹴」の使い方
- 彼が右足で一蹴したボールが、ゴールへと吸い込まれた。
- サッカーを辞めたいとの申し出を父親は一蹴し、もう少し頑張ってほしいと言ってくれた。
- 部のエースである彼は、初戦の相手を一蹴して 2回戦へと駒を進めた。
①では、「ける」という意味で「一蹴」が使われています。②の「一蹴」は、「要求を即座に断る」という意味です。例文からは、そう簡単にサッカーを諦めてほしくないという父親の気持ちが読み取れますね。
③では、「簡単に負かす」という意味で「一蹴」を用いています。
「一蹴」の類義語
一蹴には以下のような類義語があります。
- 拒否:要求や希望に同意せず、断ること
- 拒絶:要求や希望をこばむこと
- 圧勝:他を大きく引き離して勝つこと
- 楽勝:まったく苦戦せずに勝つこと
「拒否」と「拒絶」は、「問題にもせず断る」という意味において「一蹴」と共通しています。
一方、「圧勝」と「楽勝」は、「簡単に負かすこと」を指す点において「一蹴」の類義語と言えます。
「一蹴」の英語訳
一蹴を英語に訳すと、次のような表現になります。
- kick
(ける) - refuse ~ flatly
(きっぱりと断る) - reject
(拒絶する) - beat somebody easily
(簡単に勝つ)
「一蹴」の意味ごとに、英語訳をきちんと使い分けましょう。refuse(断る) に flatly(きっぱりと) がついている理由は、「問題にもせず断る」というニュアンスを出すためです。“reject” の場合は “refuse” よりも強い拒否を意味するため、1語で「一蹴」の英語訳となります。
上記4つの表現を用いた例文は次の通りです。
- The ball he kicked with his right foot hit the goalpost.
(彼が右足で一蹴したボールはゴールポストに当たった) - The reason why he refused my proposal flatly was that it was impractical.
(彼が私の提案を一蹴した理由は、非現実的な内容だったからである) - She rejected a TV appearance offer the other day.
(彼女は先日、テレビ出演の依頼を一蹴した) - The past tennis champion beat a challenger easily.
(テニスの元チャンピオンは、挑戦者を一蹴した)
まとめ
以上、この記事では「一蹴」について解説しました。
読み方 | 一蹴(いっしゅう) |
---|---|
意味 | 蹴とばすこと。問題にもせず拒絶すること。簡単に負かすこと。 |
類義語 | 拒否、拒絶、圧勝など |
英語訳 | kick(ける), reject(拒絶する), beat somebody easily(簡単に勝つ) |
「一蹴」にはさまざまな意味がありますが、主体が強い意志や力を持っているという点は共通しています。状況に合わせて、上手に使い分けましょう。