今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「一生懸命(いっしょうけんめい)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「一生懸命」をざっくり言うと……
読み方 | 一生懸命(いっしょうけんめい) |
---|---|
意味 | 命がけで、真剣に物事に取り組む様子 |
由来 | 幕府から与えられた土地を守る「一所懸命」 |
類義語 | 一心不乱 |
英語訳 | hard(熱心な) |
「一生懸命」の意味をスッキリ理解!
「一生懸命」の意味を詳しく
「一生懸命」とは、命をかけて頑張ることです。
「懸命」とは、字の通り「命をかけるほど必死になって努力する」という意味です。
「一生懸命」はもともと誤用で、「一所懸命」が正しい言葉遣いでした。ただし、「一生懸命」も、完全に間違いとは言えないほど一般化しています。
話し言葉では「一生懸命」でも違和感がありませんが、フォーマルな文章を書くときには「一所懸命」を使いましょう。
「一生懸命」の使い方
- みんなの期待に応えられるように、一生懸命頑張ります。
- 一生懸命頑張ってきたのに、結局成果は出なかった。
上記の例文のように、「一生懸命」は、ややくだけた表現が許容される場面で使われます。
①の例文では、「一生懸命」という言葉で、「頑張る」という意思を強調しています。「精一杯頑張る」というニュアンスになります。
②の例文では、ただ頑張ったのではなく、必死にやったのだということを強調するために「一生懸命」という言葉が使われています。
これらの例文のように、「一生懸命」は、「一つのことに必死に取り組む」というニュアンスのある「一所懸命」に比べ、少し具体性に欠ける言い回しになります。
「一生懸命」の由来
「一生懸命」は、もともと「一所懸命」という言葉でした。
「一所懸命」は、鎌倉時代に生まれた言葉だと言われており、幕府から賜った土地を懸命に守ることが由来しています。
「一所」の「いっしょ」という音と、「いっしょう」という音は非常によく似ています。「懸命」という言葉のイメージが「一生」という言葉を連想させることもあり、勘違いしてしまうのは自然な流れです。
現代語において「一所」という言葉は馴染みが薄く、わかりやすい「一生懸命」の方がよく使われるようになったのです。
「一生懸命」の類義語
一生懸命には以下のような類義語があります。
- 一心不乱:他のことは気にかけず、一つのことに集中すること
「一心不乱」は、一つのことに集中し、他のことは気に留めない様子を表す四字熟語です。
「一生懸命」は「一生懸命頑張る」「一生懸命努力する」といった言い回しでよく使われるのに対し、「一心不乱」はあまりそのような使われ方をしません。
ただ一つのことに集中するのが「一心不乱」、一つのことであるかに構わず、とにかく頑張るのが「一生懸命」と使い分けることができます。
「一生懸命」の英語訳
一生懸命を英語に訳すと、次のような表現になります。
- hard
(熱心な) - for dear life
(命がけで) - eagerness
(熱心)
「一生懸命」を英語で表す言葉にはhardがあります。この場合のhardは「固い」という意味ではなく、「熱心な」という意味になります。
hardはよく使われる単語である分、「一生懸命」よりも少し言葉の重みが軽い印象があります。しかし、「一生懸命」も軽いニュアンスで使われることもあり、言葉のバランス面ではそこまで大きく変わりません。
動詞の後にhardをつけると、「一生懸命〇〇する」となります。たとえば、 “practice hard” であれば、「一生懸命練習する」という意味になります。
さらに「必死に努力している」という意味を強調したい場合には、 “for dear life” を使うこともできます。
eagernessにも、hardと似たニュアンスがあります。ただし、hardが形容詞や副詞として機能するのに対し、eagernessは名詞なので注意しましょう。
“with eagerness” を使い「熱心に取り組む」という意味の文章を作ることができます。
まとめ
以上、この記事では「一生懸命」について解説しました。
読み方 | 一生懸命(いっしょうけんめい) |
---|---|
意味 | 命がけで、真剣に物事に取り組む様子 |
由来 | 幕府から与えられた土地を守る「一所懸命」 |
類義語 | 一心不乱 |
英語訳 | hard(熱心な) |
「一生懸命」は一般的になっており、非常によく使われる言葉です。もともとの言葉である「一所懸命」とセットで覚えましょう。