「異論」と「反論」の違いとは?意味までわかりやすく解説

違いのギモン

「異論」と「反論」は、日常会話でもビジネスシーンでも使われる言葉ですよね。どちらも相手の意見や考えに賛成できない時に使いますが、どのような違いがあるのでしょうか。

この2つの言葉の違いを明確に理解して、正しい場面で使えるようにしましょう。

この記事では、「異論」と「反論」の違いをわかりやすく解説します。

結論:「異論」は異なる意見、「反論」は完全な否定の意見

「異論」は、ある意見に対して別の意見や不満や不服がある時に使いますが、完全否定ではありません

「反論」は、ある意見に対して全く違う意見を述べる時に使うことが一般的で、完全な否定を表します

「異論」をもっと詳しく


「異論」とは、文字通り異なる意見を述べたり、不平・不満を伝える時に使う言葉です。つまり、先の意見とは別の意見を述べるということです。必ずしも完全に否定する立場であるとは限りません。

議論や話し合いの場で、別の意見を提案したり、意見の一部分に対して不平や不満を述べるというイメージで捉えるとわかりやすいです。

類義語として、「異存」や「異議」があります。言い換えの表現も覚えておくといいですね。

「異論」の使い方の例

それでは、「異論」の使い方を例文で確認してみましょう。

  1. 先生の意見に異論を唱える。
  2. 君の意見には何も異論はない。
  3. メールで頂いた提案について、異論ございません。

①では、出された意見についての異なる見解を述べています。完全に反対する立場ではない場面で使われていますね。

②では、言及する部分が何もないことを表現するために「異論」を使っています。

③では、②と同じように賛成という意味で使っていますが、ビジネスシーンではこのような言い回しの方が発言に重みを持たせることができます。

 

「反論」をもっと詳しく


「反論」とは、ある意見に対して全く違う意見を述べる時に使います。つまり、先の意見に対しての完全否定を表現します。

先述した「異論」とはニュアンスが違い、議論や話し合いの場で出された意見に対して真っ向から否定し、違う意見を述べる、というイメージで捉えるとわかりやすいです。

類義語である「反駁(はんばく)」は、反論にさらに反論をする時に使います。

「反論」の使い方の例

それでは、「反論」の使い方を例文で確認してみましょう。

  1. 反論した結果、決定が覆されることとなった。
  2. 批判に対して反論する。
  3. 先輩の意見に反論の余地はなかった。
①では、何らかの意見に言及した結果、決定が変更されています。強い反対を表現する場面で使われていますね。

②では、批判という意見に全く違う意見をぶつけています。①と同じように、強い反対を表現しています。

③の「反論の余地はない」とは、反論しようがない、つまり賛成しているということです。

「異論」と「反論」の英語表現

「異論」と「反論」は日本語だけでなく、英語でもニュアンスの違いがあります。一緒に確認しておきましょう。

「異論」の主な英訳はobjectionです。

例文

I have no objection to it.(私は別に異論はない。)

「反論」の主な英訳はprotestです。

例文

Protest low wages.(低賃金に反論する。)

「異論」と「反論」は英語表現では同じ単語を使うこともできますが、「反論」の方がより強い抗議のニュアンスが含まれています。

まとめ

以上、この記事では、「異論」と「反論」の違いについてわかりやすく解説しました。

  • 異論:異なる意見を述べること、完全否定ではない
  • 反論:全く別の意見を述べること、完全否定

いかがでしたか?どちらの言葉も日常会話やビジネスシーンで正しく使えるように、違いを明確にして覚えておけるといいですね。