面談と面談には、目的など、4つの違いがあります。
字面や意味が似ていて混同されがちですが、実は明確な違いがあります。
今回は、面談と面接の違いを解説します。
このページの目次
【結論】「面談」と「面接」の4つの違い
面談と面談には以下のような4つの違いがあります。
面談 | 面接 | |
---|---|---|
目的 | 相互理解を深めること | 応募者を選考すること |
特徴 | 双方向の会話 | 一方向の会話 |
内容 | 仕事に対する疑問や不安、キャリアプラン等についての会話 | 採用担当者からの質疑と応募者の自己PR |
形式 | カジュアル面談、リクルーター面談、オファー面談、電話面談、社内面談 | 個人面接、集団面接 |
これから、それぞれの違いについて詳しく見ていきたいと思います。
【1】目的の違い
面談の目的は、企業と応募者が対等な立場で相互理解を深めることです。
面接の目的は、応募者を選考することです。
面談の目的
面談の目的は、企業と応募者が対等な立場で相互理解を深めることです。
これは、採用・入社後のミスマッチを防ぐことに役立ちます。
面接の目的
面接の目的は、応募者を選考することです。
そのため、面接では応募者の資質やスキルをチェックする必要があります。
応募者は、自分が採用基準に達している人物であることを伝えるために、自己アピールを行います。
【2】特徴の違い
面談の特徴は、カジュアルな雰囲気で双方向の会話をすることです。
面接の特徴は、企業側の質問に応募者が回答するという一方向のコミュニケーションになることです。
面談の特徴
面談の目的は、企業と応募者が相互理解を深めることでした。
そのため、カジュアルな雰囲気で双方向の会話をするのが面談の特徴です。
企業の担当者が一方的に話す面接とは異なり、面談では応募者の質問時間も多く取られます。
この時間に、応募者は疑問点や不安に思っていることを解消します。
逆に企業側は、応募者が抱えている悩みや本音を聞き出すことができます。
面接の特徴
面接の目的は、応募者を選考することでした。
企業側の方が応募者より優位な立場にあるため、企業側の質問に応募者が回答するという一方向のコミュニケーションになるのが特徴です。
また選考するという特性上、面接には面談にはない「合否」があります。
【3】内容の違い
面談の内容は、仕事に対する疑問や不安、キャリアプラン等についての会話です。
面接の内容は、採用担当者からの質疑と応募者の自己PRです。
面談の内容
相互理解が目的の面談では、担当者と面談対象者がきちんと向き合う必要があります。
お互いが自己開示をできる雰囲気を作ることが大切で、そのために雑談などを取り入れて話しやすい雰囲気を作る工夫がなされます。
面談の場では、仕事に対する疑問や不安、キャリアプランなどをざっくばらんに話し合います。
面接の内容
選考が目的の面接では、採用担当者は応募者が求める人材であるかを見極める必要があります。
そのため、採用担当者はさまざまな角度から応募者に質問を投げかけ、その回答から企業に合った人材であるかを判断するのです。
応募者は、採用担当に資質のある人材だと認めてもらえるように自己PRを行います。
【4】形式の違い
面談の形式には、カジュアル面談、リクルーター面談、オファー面談、電話面談、社内面談があります。
面談の形式には、個人面接と集団面接があります。
面談の形式
面談には以下のような形式があります。
カジュアル面談
カジュアル面談とは、堅くならずに楽な気持ちでコミュニケーションを取る面談のことで、応募を迷っている人に対して行われます。
まだ応募を迷っている求職者に対して面接前に行われるため、合否に関わるものではありません。
しかし、面談のときの印象がその後の選考時にも影響する可能性もあるため、言葉遣いや振る舞いには注意しましょう。
リクルーター面談
リクルーター面談とは、学生と同じ高校や大学の出身者のリクルーターと呼ばれる社員が行う面談です。
新卒の学生が対象で、面接前に応募者を見極めるために行われます。
リクルーター1人と複数の学生で行われることが多く、堅い雰囲気にならないようカフェなどで実施されます。
オファー面談
オファー面談は、内定が決まった後に行われます。
内定者面談とも呼ばれ、入社するに当たって最終的な労働条件のすり合わせを行うために設けられた面談です。
応募者が入社するにあたって不安に思っていることや、面接の場では確認できなかったことについて話し合うことが目的です。
選考目的ではないため、不明点はこのオファー面談で確実にクリアにしましょう。
電話面談
電話面談は、対面ではなく担当者と1対1で話をする面談です。
内定前に行われる場合と、内定後に行われる場合があります。
相手の顔が見えないため、声のトーンや言葉遣いには特に注意する必要があります。
社内面談
社内面談とは、社員のパフォーマンスの最大化を目的とした面談です。
定期的に実施されるものと、不定期に実施されるものがあります。
面接の形式
面談の形式には、個人面接と集団面接があります。
個人面接
個人面接は、応募者1人に対して採用担当者1人もしくは複数人で行います。
中途採用では個人面接が一般的ですが、応募者が多い場合は集団面接になることもあります。
集団面接
一方で集団面接は、複数人の応募者に対して採用担当者1人または複数人で行います。
応募者全員に同じ質問をするパターンと、各応募者に異なる質問をするパターンがあります。
また、グループディスカッションに発展するパターンもあるため、よく準備をして臨むことが大切です。
面接の流れ
面接の流れは以下の通りです。
①面接官の選出
面接官を選ぶときのポイントは、以下の4つです。
- 傾聴力がある
- 真摯な態度で他者と接することができる
- 自社の理念やビジョンを正しく理解している
- 情報の守秘義務を守ることができる
②質疑応答
短い面接の時間で、応募者を評価できるだけの材料を集めるには、以下のような質問をするのが良いでしょう。
- 「当社で活かせる経験やスキルはありますか」(スキル・能力)
- 「これまで困難をどのように乗り換えましたか」(問題解決力)
- 「あなたの長所と短所を教えてください」(価値観)
面談の流れ
面談の流れは以下の通りです。
①アイスブレイク
アイスブレイクの目的は、緊張をほぐしてコミュニケーションをとりやすい雰囲気を作ることです。
アイスブレイクのネタには、天気やニュースなどが挙げられます。
片方だけが話しすぎるのを避けたり、雑談が長くならないように調整するのが大切です。
②自己紹介
アイスブレイクで話しやすい雰囲気になったところで、お互いの紹介を行います。
企業側の担当者の自己紹介後、担当者が自社の説明をするのが無難です。
担当者が応募者の経歴について聞くとき、品定めをするような態度をするのは避けましょう。
③質疑応答
企業側からは、相手の長所を引き出す質問を投げかけるのが良いでしょう。
最後には応募者からの質問時間を設け、即答できない質問に関しては後日メールで回答するなどすると、真摯に向き合う姿勢をアピールできます。
また、面談は面接と違って企業側と応募者が対等な関係にあります。
そのため、応募者は給与や福利厚生面の話など聞きにくいことも堂々と聞くことが可能です。
疑問点を解消し、ギャップをなくすようなコミュニケーションを取りましょう。
④クロージング
最後に、次のアクションへつなげるための案内を行います。
次で会ってもらう予定の社員について話したり、社内見学会やセミナーへ誘うと良いでしょう。
面談終了後には、参加へのお礼と会社のパンフレット、今後のイベントの詳細などをメールで送ると効果的です。
面談のメリット
面談のメリットは以下の通りです。
①ハードルが低い
いきなり面接という形でアプローチするよりも、面談というカジュアルな雰囲気で会話をする機会を設けると、応募者も構えずに参加することができます。
エントリーシートや履歴書を用意する手間が省けるというのも、応募者が気軽に参加できる理由です。
また、現在は人材獲得競争が激化しており、優秀な人材を採用することは困難です。
そのため、一方的に候補者を見定めようとする面接からスタートすることは、採用活動にマッチしていないと言えます。
②会社の知名度が関係ない
応募者は知名度がある企業から情報収集する傾向があるため、知名度の低い企業はその分不利になります。
しかし、面談であれば応募者は気軽に参加できるため、知名度が低い企業にも勝機があります。
③本音で話せる
面接だと本音で話すことができず、企業と就活生のミスマッチが起こる可能性があります。
しかし、面談なら堅苦しい雰囲気にならないため、応募者も考えていることをそのまま話しやすくなります。
「面談」と「面接」の違いのまとめ
以上、この記事では、面談と面接の4つの違いについて解説しました。
面談 | 面接 | |
---|---|---|
目的 | 相互理解を深めること | 応募者を選考すること |
特徴 | 双方向の会話 | 一方向の会話 |
内容 | 仕事に対する疑問や不安、キャリアプラン等についての会話 | 採用担当者からの質疑と応募者の自己PR |
形式 | カジュアル面談、リクルーター面談、オファー面談、電話面談、社内面談 | 個人面接、集団面接 |
両者の違いを理解すれば、面談や面接を実施する側になっても受ける側になっても困らないでしょう。