「関心」と「感心」の違いとは?意味から使い分けまでわかりやすく解説

違いのギモン

「関心」と「感心」は、読み方は同じでも意味が異なる同音異義語の 1つです。皆さまの中にも、使い分けに迷ったことのある方が多いかもしれません。

今回は「関心」と「感心」の違いについて解説します。

結論:「関心」は興味を持つこと、「感心」は感動を覚えること

「関心」とは、あることに対して気がかりになり、興味を持つことを指します。

一方、「感心」とは、心に深く感動を覚えることを指します。

「関心」をもっと詳しく


「関心」とは、ある物事に心を引かれ、興味を持って注意を向けることを指します。

「関心」は、「関心がある」や「関心を引く」などのように、名詞形のみでの用法しかありません。そのため、「かんしんする」という動詞形で「関心」が用いられることはなく、その場合は後に解説する「感心」が用いられます。

「関心」の使い方の例

  1. 海外では日本食に対する関心が高まっている。
  2. 彼は洋楽に無関心のようだ。
  3. いかにして消費者の関心を引くかがビジネスの肝だ。

①は、海外において、日本食が注目の的になっているという意味です。「関心」の度合いが強いことは「関心が高い」と表現します。

②の「無関心」は、関心がないことを指す表現です。なお、「無感心」という表現はないため注意しましょう。

③の「関心を引く」は、対象に注意を引き付けるという意味です。ビジネスの世界では、いかにして消費者の注意を自社に向けるかということが重要な課題となります。

「関心」の類義語

「関心」の類義語を押さえておくと、後に解説する「感心」との違いも明確になるでしょう。「関心」の類義語は、以下の通りです。

「関心」の類義語
  • 興味:ある対象に、面白みを感じること
  • 好奇心:知らないことや珍しい事柄に惹かれる心
「興味」は、対象の中に心惹かれている箇所を細かく見出しているニュアンスを表します。一方、「関心」は、全体的に注意が向けられる様子を指します。

「好奇心」は、特に対象が定まっていなくても、その人の性質を指す言葉として使えます。たとえば、「好奇心が強い人」と言う場合は、未知の物や珍しい何かに対して強い関心を示す人であることを示します。

「感心」をもっと詳しく


「感心」とは、ある物事に対して心に深く感動を覚えることを指します。

「感心」は、「感心する」という動詞形で用いることがほとんどです。ただ、「感心な」という修飾語としての用法もあります。たとえば、「感心な少年だ」と言う場合、ほめたくなるような少年という意味です。

「感心」には、相手を評価するようなニュアンスが含まれているため、目上の人には失礼に聞こえてしまいます。目上の人に感心の気持ちを伝えたい場合は「感服する」という表現が望ましいです。「感服」には尊敬のニュアンスがあります。

さらに、「感心」には、あきれることを意味する逆説的な用法もあります。「ひどすぎて感心する。」という使い方が 1つの例です。

「感心」の使い方の例

  1. 彼の仕事の早さには感心する。
  2. あまりの出来の悪さに感心する。
  3. 若いのに礼儀作法がきちんとしていて、感心な人だ。
②は逆説的な用法です。出来の悪さにあきれていることを表しています。③の「感心な人」は、礼儀作法がきちんとしていて立派な人だという意味です。

「感心」の類義語

「感心」の類義語を押さえておくことで、「関心」との違いもより明確になるでしょう。「感心」の類義語は、以下の通りです。

「感心の類義語」
  • 感動:ある物事に強く心を動かされること
  • 感激:ある物事に素晴らしさを感じ、表に出るほど感情が高まること
  • 感銘:後に忘れることがないほど、心に深く刻み込まれること

「感動」は、対象の良し悪しを判断する前段階で、直接的に心に刺激を受けることを指します。「感心」は、対象の良さを理解した上で心が動かされています。

「感激」は、心が動かされた後、それが表情や声となって表に出てくる場合に使われます。「感激して立ち上がった」などのように、1つの行動を伴うことが多いです。

「感銘」は、「感動」を静かに浸り、深く心に刻み込まれることを指します。

「関心」と「感心」の英語訳

「関心」と「感心」は同音であれど異義語であるため、英語訳は異なります。それぞれの英語訳・例文を見ていきましょう。

「関心」の英語訳
  • concern
    (気がかりなこと、気遣い)
  • interest
    (興味)

concern は、心配事というニュアンスで使われることが多いです。また、interest は、面白いと思う物事への関心を指します。

例文
  • The tax increase is a matter of public concern.
    (消費税の増税は、社会的な関心事だ。)
  • I heard that you have little interest in politics.
    (聞くところによると、君は政治にあまり関心がないようだね。)

①の「関心事」とは、特に気がかりなことを指します。

「感心」の英語訳
  1. admire
    (感心する、ほめる)
  2. admirable
    (称賛に値する、見事な)
例文
  1. I admire that student for his courageous act.
    (その生徒の勇気ある行動に感心する。)
  2. I regarded that boy as an admirable person because he was good-mannered.
    (彼は礼儀作法をわきまえており、感心な少年だと思った。)

①の admire A for B は、BのことでAに感心するという意味です。

まとめ

以上、この記事では、「関心」と「感心」の違いについて解説しました。

  • 関心:心を引かれて興味を持つこと
  • 感心:感動を覚えて誉めるべきだと思うこと

「関心」と「感心」は同音の言葉ですが、意味は明確に異なる言葉です。特に、名詞形で用いるか動詞形で用いるかという点がわかりやすい違いであるため、迷ったらまずは品詞について考えれば間違えることはないでしょう。