故事成語「命は鴻毛よりも軽し」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「命は鴻毛よりも軽し(いのちはこうもうよりもかるし)」です。

「命は鴻毛よりも軽し」の意味、例文、由来、類義語、対義語についてわかりやすく解説します。

☆「命は鴻毛よりも軽し」をざっくり言うと……

読み方命は鴻毛よりも軽し(いのちはこうもうよりもかるし)
意味国家や君主のために命を捨てることは少しも惜しくないということ
由来『報任少卿書』の中に出てくる「人固より一死有り、或いは太山より重く、或いは鴻毛より軽し、用の趨むく所異なればなり」という表現から
類義語死は鴻毛より軽し、命は義に縁りて軽し、命より名を惜しむ
対義語命あっての物種、命に過ぎたる宝なし

「命は鴻毛よりも軽し」の意味をスッキリ理解!

命は鴻毛よりも軽し(いのちはこうもうよりもかるし):国家や君主のために命を捨てることは少しも惜しくないということ

「命は鴻毛よりも軽し」の意味を詳しく

「命は鴻毛よりも軽し」とは、国家や君主のために命を捨てることは少しも惜しくないということです。

ちなみに、「鴻毛」とは水鳥の一種である鴻(おおとり)の羽毛です。きわめて軽いもののたとえになっています。

「命は鴻毛よりも軽し」の例文

  1. 命は鴻毛よりも軽しだ。今こそ命を捨ててでも敵を討つべきである。
  2. 命は鴻毛よりも軽しだ。親の仇のためならば、自分の命でさえも惜しくない。
  3. 命は鴻毛よりも軽しとは言うが、今はまさにその言葉がぴったりな状況だ。

「命は鴻毛よりも軽し」の由来

「命は鴻毛よりも軽し」の出典は司馬遷(しばせん)の『報任少卿書』という詩です。

この詩の中に「人固(もと)より一死(いっし)有り、或(ある)いは太山(たいざん)より重く、或(ある)いは鴻毛より軽し、用の趨(おも)むく所異なればなり」という表現が出てきます。

この表現は「人は最後には死ぬものだが、命は重要視して犬死をしないようにすべき場合と、潔く死ぬべき場合とがある。その判断は義のためになるかどうかによって決めるべきである」という意味を表しています。

「命は鴻毛よりも軽し」の類義語

「命は鴻毛よりも軽し」には以下のような類義語があります。

  • 死は鴻毛より軽し(しはこうもうよりかるし)
  • 命は義に縁りて軽し(いのちはぎによりてかるし)
  • 命より名を惜しむ

「命は鴻毛よりも軽し」の対義語

「命は鴻毛よりも軽し」には以下のような対義語があります。

まとめ

以上、この記事では「命は鴻毛よりも軽し」について解説しました。

読み方命は鴻毛よりも軽し(いのちはこうもうよりもかるし)
意味国家や君主のために命を捨てることは少しも惜しくないということ
由来『報任少卿書』の中に出てくる「人固より一死有り、或いは太山より重く、或いは鴻毛より軽し、用の趨むく所異なればなり」という表現から
類義語死は鴻毛より軽し、命は義に縁りて軽し、命より名を惜しむ
対義語命あっての物種、命に過ぎたる宝なし

「命は鴻毛よりも軽し」はとても軍国主義的な言葉ですよね。

現在使われることはあまりないかもしれません。

しかし、昔の文章などで登場したときはきちんと意味を把握しておきたいものですね。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。