みなさんの家に印刷機、もしくはコピー機はありますでしょうか。
ある、という人もいれば、ない、という人もいると思いますが、あるととても便利です。
そして、世の中にはいろいろなコピー機や印刷機がありますが、これらの機械が使うインクは大きく2つにわけられます。
それは、「顔料インク」と「染料インク」です。
この2つのインクにはそれぞれどのような特徴があるのでしょうか。
知らないとベストな選択ができませんよね。
そこで、今回は「顔料インク」と「染料インク」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:用紙にしみこむかどうかが違う
一方、「染料インク」は用紙にしみこみます。
つまり、「顔料インク」と「染料インク」では用紙にしみこむかどうかが異なるのです。
「顔料インク」をもっと詳しく
顔料インクは用紙の表面に付着し、あまりしみこみません。
なぜなら、顔料は粒子が大きく、紙の内部まで入り込むことができないからです。
そして、顔料インクは文字を印刷するのに向いていています。そのため、レポートや書類などを頻繁に印刷する人に向いています。
例えば、ビジネスの用途で用いるのに適しているでしょう。
ちなみに、顔料インクはインクの本数が少ないと画質や色の再現性が低くなってしまいますが、中にはインクの搭載本数が多いものもあり、再現性が高い場合もあります。
また、顔料インクはプリンター以外だと塗料や化粧品などで多く用いられています。
ちなみに、現在の顔料は土や鉱物の合成金属化合物や石油化学合成などにより作られている場合が多いです。
そして、顔料は泥絵の具や岩絵の具などとして数万年前もの太古から用いられていました。
その証拠に、世界各地に顔料で描かれた壁画などが残っています。
ここからは顔料インクのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
顔料インクのメリット
顔料インクにはさまざまなメリットが存在します。
まず、顔料インクは用紙表面にインクがしっかり定着するので、いろいろな用紙に美しくプリントすることができます。
次に、プリントしてから安定するまでがはやく、その間の色の差も少ないです。
そのため、印刷した色がどうなっているのかすぐに確認することができます。
また、どんな光源の下でもある程度一定の色が見えるようになっています。
そして、光や水にも強く、水がついてしまってもあまりにじみません。
顔料インクのデメリット
顔料インクにはデメリットも存在します。
まず、顔料インクでは繊細な色まで表現するのは難しいでしょう。
次に、顔料は粒子が大きいため、比較的目詰まりを起こしやすいと言われていました。
ただ、現在では改良が進んでいるため、目詰まりが起こる頻度は少なくなってきており、あまり気にする必要はないでしょう。
また、顔料インクは紙の表面に付着しているため、こすれやはがれに弱いという特徴があります。
「染料インク」をもっと詳しく
染料インクは用紙にしみこみます。
なぜなら、染料の粒子はとても小さいからです。
ちなみに、染料インクを使ったプリンターは日常的な使い勝手がよく、多様性を重視したものが多いです。
そのため、スキャナーやコピー機能を搭載したものやパソコンいらずのダイレクトプリントができるものなどもあります。
そして、染料インクはプリンター以外だと繊維を染めるために用いられています。
ちなみに、染料の歴史は顔料ほどではないにしろ古く、数千年前から使われていました。
藍(あい)や茜(あかね)などの草木の汁液や花などを用いて、衣服の着色のために用いられてきたのです。
ちなみに、現在では天然の染料にかわって合成染料が使われていることが多いでしょう。
ここからは染料インクのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
染料インクのメリット
染料インクのメリットとしてまずあげられるのは発色がクリアで鮮やかなことではないでしょうか。
また、色の再現度も高いです。
そのため、写真印刷に強く、写真などをよく印刷する人には適しています。
また、光沢感を生かしやすいので、光沢紙をよく使う人にも向いています。
そして、染料インクを使ったプリンターは値段が安めであることもメリットのひとつでしょう。
染料インクのデメリット
染料インクのデメリットとしてはまず、インクが乾燥するまでに時間がかかることがあげられるでしょう。
これはインクをしみこませるのでしょうがないことなのですが、プリント直後と乾いた後とでは色の見えかたが異なるので、印刷してすぐに確認することはできません。
また、普通紙だとにじむ可能性があります。
そして、光や水に弱いです。
例えば、水がかかってしまうとにじんでしまい、台無しになってしまうことが多いでしょう。
まとめ
以上、この記事では、「顔料インク」と「染料インク」の違いについて解説しました。
- 顔料インク:用紙の表面に付着し、あまりしみこまない
- 染料インク:用紙にしみこむ
「顔料インク」と「染料インク」にはそれぞれいいところがあるんですね。
自分にあったインクを選んでいきたいものです。