みなさんも生きていれば一回くらい「怪我」をしてしまったことがあると思います。「怪我」は痛いですが、人生にはつきものですよね。
ところで、「怪我」をしてしまったことを「傷ができてしまった」ということもあります。
「怪我」と「傷」は同じような使われ方をしますよね。
では、この2つの言葉の違いは何なのでしょうか。「傷」は軽いもので、「怪我」は比較的重いものを指すのだ、と考える人もいますが、それは間違いです。
今回は正しい「傷」と「怪我」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:ニュアンスが違う
一方、「怪我」は傷を負う過程までを含む言葉です。
「傷」をもっと詳しく
傷は負傷した場所を直接的に表現した言葉です。
具体的には、皮ふや肉が切れたり破れたりすることやその部分のことを表しています。
損傷した場所を表す時に多く使われる傾向があります。
また、それに限らず、5つほど意味があります。
まず1つめは精神的な痛手のことです。
次に、2つめはモノの裂け目やかけた部分のことです。例えば、「バッグに傷がついた」などと言いますよね。
また、3つめは欠点のことです。日本には「玉にきず」という言葉がありますよね。
そして、4つめは不名誉という意味です。
また、5つめはこころがうけた痛みのことです。
そんな傷の語源には諸説あります。
一説によると傷という言葉は「切る」、「刻む」などから転じたと言われています。
「怪我」をもっと詳しく
怪我は傷を負う過程までを含む言葉です。
そして、他にも過失や欠点、偶然や不測の事態のことを表す時にも使われます。
この言葉は傷を負うことを表す時に多く使われる傾向があります。
そんな怪我の語源にも諸説があります。
一説によると怪我という言葉は「穢れる(けがれる)」「穢る」の語幹がもとになっていると言われています。
そして、本来は「思わぬ事態」「過去」「不測の結果」のことを表していました。
このことから、怪我はやがて「あやまって傷を負うことや思いがけず傷つくこと」を意味するようになりました。つまり、傷を負う過程までを含むのが怪我なのです。
そして、現在では「あやまって」「思わず」の意味が薄れて、傷と同じような意味で使われるようになりました。
ただ、怪我の「あやまって」や「思わず」のようなニュアンスは現在でも残っています。
例えば、「怪我の功名」や「下手に手を出すと怪我をする」などという言葉の中で使われている怪我は「あやまち」や「不測の事態」のことを表しています。
まとめ
以上、この記事では、「傷」と「怪我」の違いについて解説しました。
- 傷:負傷した場所を直接的に表現した言葉
- 怪我:傷を負う過程までを含む言葉
このように、「傷」と「怪我」とでは微妙にニュアンスが違います。ただ、日常生活でこの使い分けを意識することはあまりないと思うので、雑学程度に覚えておけばいいと思います。