心理学用語「コントロール幻想」とは?意味と具体例を解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、心理学用語の「コントロール幻想(こんとろーるげんそう)」です。

言葉の意味・具体例・提唱者・英語訳についてわかりやすく解説します。

「コントロール幻想」の意味をスッキリ理解!

コントロール幻想(こんとろーるげんそう):自分の力が及ばない物に対し、自分の力でその物を支配出来ると思い込むこと

「コントロール幻想」の意味を詳しく

コントロール幻想とは、自分の力ではコントロールできない物に対しても、自分が影響を与えることが出来ると思い込むことです。

自分の力が及ばない物に対して、自分が影響を与えられると思い込むことで、自分に都合の良い結果を引き起こせるという錯覚を起こします。

その結果として、客観的な意思決定が出来なくなるという事態を引き起こします。

客観的に物事を判断できなくなることにより、リスクの分析などが出来なくなります。結果として、事故など被害を受けることにもつながります。

「コントロール幻想」の具体例

コントロール幻想の具体例としては、宝くじが挙げられます。宝くじを買う際、今までに当たりが多く出ている店に行って買うということがあります。

宝くじが当たる確率は、どのお店で買った場合でも基本的に変わることはありません。それにも関わらず、今までに当たりが多く出ている店で買うのは、それによって当たる確率をコントロールできると考えるからです。

 

また他にも、ルーレットも例として挙げられます。

ルーレットによるギャンブルの際に、「次は必ず勝てる」と思い込むことがあります。しかし、ルーレットに特別な細工がしてなければ、ギャンブルに勝てる確率は変わりません。

しかし、勝てると思い込むのは、出目をコントロールできると思い込むからです。このようなものが、コントロール幻想の例として挙げられます。

「コントロール幻想」の提唱者

コントロール幻想は、ジェンキンス氏とウォード氏によって、1965年に提唱されました。

彼らは、被験者にスイッチを持たせた状態で、ライトの灯りを点けたり消したりするという実験を行いました。

しかし、実験時、被験者が持っているスイッチと、ライトの灯りが点くことには、何の関連性もありませんでした。

それにも関わらず、被験者は自分たちがスイッチによってライトの灯りを調整している、と思い込んでいることがわかりました。実験結果から、人間のコントロール機能には、思い込みが働くことがあるということが明らかになりました。

 

また、他にも老人ホームである実験が行われました。

実験は、高齢者の部屋の模様替えなど高齢者の生活に介入する、というものです。実験の際、高齢者は2つのグループに分けられました。その2つのグループとは、以下のようになっています。

  1. Aグループ:模様替えの内容について、高齢者自身に選択権が与えられる
  2. Bグループ:模様替えの内容について、高齢者自身に選択権が与えられない
実験後、当事者である高齢者や老人ホームの職員に対して聞き込みを行いました。その結果、Aグループの人の方が、実験後、元気に活動しているということがわかりました。

また、この実験から1年半後であっても実験結果が継続しているということも明らかになっています。つまり、自分が何かをコントロールしていると感じることにより、人体にプラスの影響が出ることが明らかになりました。

「コントロール幻想」の英語訳

コントロール幻想を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Illusion of control bias
    (コントロール幻想バイアス)

コントロール幻想は、この訳のように、コントロール幻想バイアスと呼ばれることもあります。

まとめ

以上、この記事では「コントロール幻想」について解説しました。

読み方コントロール幻想(こんとろーるげんそう)
意味自分の力が及ばない物に対し、自分の力でその物を支配出来ると思い込むこと
提唱者ジェンキンス氏,ウォード氏
英語訳Illusion of control bias(コントロール幻想バイアス)

コントロール幻想とは、自分の思い込みから発生する現象です。客観的判断が出来なくなることにも繋がるので、冷静に物事を判断するように努めていきましょう。