アイデンティティーとは「自己同一性、国・民族・組織といった集団への帰属意識」という意味です。
ビジネスからカウンセリングまで幅広い分野で使用する単語なので、意味が分からず戸惑ってしまう人もいるでしょう。
そこで今回はアイデンティティーの意味や使い方を丁寧にわかりやすく解説します。
☆「アイデンティティー」をざっくり言うと……
読み方 | アイデンティティー |
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意味 | 自己同一性、国・民族・組織といった集団への帰属意識 |
語源 | 英語の“identity” |
類義語 | 同一性 独自性 一致 など |
関連語 | アイデンティティークライシス ブランドアイデンティティー アイデンティティーカード など |
このページの目次
「アイデンティティー」の意味
自己同一性、国・民族・組織といった集団への帰属意識
例:東京大学の学生であることが、自分のアイデンティティーだ。
アイデンティティーとは、「自己同一性、国・民族・組織といった集団への帰属意識」です。
別の言い方では、時間や環境が変化しても一定であるステータスや、本人であることが確認できるものと定義されています。
つまり、環境や時間が変化したとしても特に変化せず、自分らしく感じることがアイデンティティーです。
たとえば、日本の東京出身の人物がいたとします。
環境や時間が変化しても、この事実は変わりません。
また、自分が「東京出身だ」ということを自覚すると、出身地が自分らしさや価値観の土台になります。
こうした、連続して変わりのない帰属意識をアイデンティティーと言います。
この例の場合であれば、「東京出身」という集団への帰属意識になります。
簡単に言えば、この2点です。
- 自分自身だと表現して言い表せるもの
- 自分が自分自身に対して感じていることや思っていること
分野ごとに詳しく意味を見てみましょう。
心理学での「アイデンティティー」
心理学でアイデンティティーは「自分が自分であると認識すること」「自分が誰なのか知ること」として使用されています。
特に思春期におけるアイデンティティーは、心理学のテーマとなることが多いです。
たとえば、思春期の人々は以下のことで悩んでさまざまな心のトラブルを引き起こします。
- 自分はどういった人間なのか
- 将来やりたいことは何なのか
職業・看護分野での「アイデンティティー」
職業分野では職業アイデンティティーという形で使い、「自分の職業が自分らしさに直結すること」です。
たとえば、自分が弁護士であれば、「弁護士である」ということが「自分が自分らしく感じること」になります。
特に、アイデンティーは看護分野で看護師自身について使うことが多いです。
看護師になるために、看護学生は看護の勉強を行います。
しかし、進学しても看護に興味を持てないなど、看護分野に従事することが自分らしさに直結しないと感じる人が多いです。
IT分野での「アイデンティティー」
IT分野でアイデンティティーは、ユーザーID、ユーザー権限といった個人情報を指します。
「一致」「識別」といった意味でも使用します。
つまり、どのユーザーか個人を特定できるものです。
また、利用者のアイデンティティーに関する情報を編集するツールをアイデンティティ管理システムと言います。
学術分野での「アイデンティティー」
学術分野でアイデンティティーは以下のように定義されています。
- 哲学分野
対象が自身に対して同じであり、一個のものとして存在すること - 理学・社会学・人間学
人が時間や環境を超えて存在し、なおかつ自己を自己として認識すること
「アイデンティティー」の使い方
アイデンティティーは、ビジネスから心理学まで幅広い分野で使用します。
フランクな文章より、少し堅い文章で使用されることが多いです。
特に「アイデンティティを確立する」「アイデンティティを認識する」と言います。
また、実際の例文には以下のようなものがあります。
- 自分のアイデンティティーに悩む。
- 誰よりもアイデンティティーを大切にしたい。
- 自分のアイデンティティーを見つめ直す。
- 日本人としてのアイデンティティーを認識する。
場面ごとに使い方を見てみましょう。
心理学での使い方
心理学でアイデンティティーは以下のように使います。
- 人は一定の成長過程でアイデンティティーを確立する。
- 青年期のアイデンティティーの確立には、トラブルも多い。
職業分野での使い方
職業分野でアイデンティティーは以下のように使います。
- 今の仕事は誇らしくて自分のアイデンティティーに直結する。
- 職業アイデンティティーに悩む人が増えてきた。
IT分野での使い方
IT分野でアイデンティティーは以下のように使います。
- アイデンティティー管理を適切に実行する。
- アイデンティティー情報を第三者に提供する。
学術分野での使い方
学術分野でアイデンティティーは以下のように使います。
- 言語学の観点から、母国語とアイデンティティーの研究をする。
- 民族によってアイデンティティーが異なる。
「アイデンティティー」の語源
アイデンティティーの語源は英語の“identity”で、日本語と意味はほぼ同じです。
また、米国の心理学者、エリク・ホーンブルガー・エリクソン氏(Erik Homburger Erikson)が提唱した概念でもあります。
彼は幼児の心理の研究などを行っており、最初は心理学の言葉として使われていました。
エリクソン氏は乳児期から老年期まで、人のアイデンティティーがどう変容するのか、またそれに伴う心理的な課題についてまとめています。
「アイデンティティー」の類義語
アイデンティティーの類義語や言い換え表現には以下のようなものがあります。
- 同一性
同じであること - 独自性
オリジナルであること - 一致
合う - 身元
誰か特定できるもの - 本質
根本の部分
「アイデンティティー」の関連語
アイデンティティーの関連語には以下のようなものがあります。
- アイデンティティークライシス
自己認識の危機 - ブランドアイデンティティー
企業のイメージ - アイデンティティーカード
身分証明書 - ジェンダーアイデンティティー
性自認のこと - ナショナルアイデンティティー
国民としての自覚 - コーポレートアイデンティティー
企業としての理念やビジョン - ローカルアイデンティティー
地元民としての帰属意識や愛着 - エスニックアイデンティティー
民族としての帰属意識 - アイデンティティーポリティクス
共通の自己認識を持つ集団が行う政治活動 - アイデンティティーセフト
個人情報の泥棒
「アイデンティティー」のまとめ
以上、この記事ではアイデンティティーについて解説しました。
読み方 | アイデンティティー |
---|---|
意味 | 自己同一性、国・民族・組織といった集団への帰属意識 |
語源 | 英語の“identity” |
類義語 | 同一性 独自性 一致 など |
関連語 | アイデンティティークライシス ブランドアイデンティティー アイデンティティーカード など |
アイデンティティーは堅い文章でよく使いますが、日常生活ではあまり使用しません。
そのため、いざ見かけたときに戸惑ってしまうものです。
ぜひ、この記事を参考にして意味や使い方を覚えましょう。