「一長一短」の意味とは?読み方は?使い方から英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「一長一短(いっちょういったん)」です。

言葉の意味・使い方・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「一長一短」をざっくり言うと……

読み方一長一短(いっちょういったん)
意味長所があったら、短所もあること
英語訳merits and demerits(メリットとデメリット)

「一長一短」の意味をスッキリ理解!

一長一短(いっちょういったん):長所があったら、短所もあること

「一長一短」の意味を詳しく

「一長一短」は、何か1つでも長所があれば、反対に何か1つ短所があるという意味です。前半部分の「一長」の「一」は単位です。ここでは1つという意味です。

「長」は、長所という意味で使われています。短いものより長いものの方が良いという意味で、「長」という漢字が使われています。そして後半の「一短」という部分は前半部分と逆の意味になっています。

「一」は前半と同じく、1つのという意味ですが、「短」は短所という意味です。それで、「一長一短」とふたつ熟語が組み合わさることで、1つの長所があれば、1つの短所があるという意味になるのです。

裏を返せば、1つの短所があれば1つの長所があるということにもなります。ただ、注意したいのは「一短一長」と言わないことです。

 

「一長一短」を理解しやすい例は、就職活動です。毎年大学生は学部4年生になると、将来働く会社を探すために、就職活動を始めます。就職活動では、自己分析という重要な作業があります。自分の性格を把握して、長所と短所がどこにあるのかをしっかりと知ることが目的です。

多くの人は、自分には長所と短所の両方があることに気がつくのです。人によっては、自分は短所しかないと思っている人もいるかもしれませんが、実際はその人にも長所もしっかりと存在します。例えばある人が口が軽いことや八方美人であることを短所だと思っていたとしましょう。

口が軽いということは、誰かに重要な事実をぺらぺら喋ってしまうことです。話を伝えることができる、自分以外の人がいなければ、口が軽いということにはならないのです。

 

つまり、友達や知り合いの人数が多いことが大前提で、その人たちに何かを喋ることで口が軽いと言われるようになるわけです。

その人は口が軽いかもしれませんが、同時に友達や知り合いもたくさんいて社交性がとても高いのです。さらに、重要なことを喋ってしまうということは、誰とでも打ち解けるのが早いという長所もあります。

このように、1つの長所の裏には1つの短所があり、1つの短所があれば1つの長所があるのです。これが人はみんな「一長一短」であると言われる理由です。意味をしっかりと知っておくと、就職活動や転職活動でも役に立ちます。

「一長一短」の使い方

  1. 人は誰しも一長一短だから落ち込む必要はない。
  2. この最新機種は一長一短だから気をつけた方がいい。
  3. 一長一短をカバーするために、チームを組む。

①は、人の性格について述べた例文です。どんなに完璧と思われる人でも、欠点や短所が存在します。周りの人からは気づかなくても、本人だけ感じているコンプレックスがあるかもしれません。

そして反対に、どんなに性格が悪そうだったり、頭が悪い人であったりとしても長所があるものです。例えばドラえもんに登場するのび太くんは、勉強もスポーツもできません。しかしながら射撃とあやとりの腕前は誰にも負けません。

このように、誰でも特技や長所を持っています。人間はみんな「一長一短」であると言えるでしょう。

 

②は、機械や家電製品に関する例文です。何もかもがバージョンアップして、高機能になっている最新機種だと思って買っても、実は改善ではなく改悪されていることもあります。例えばスマートフォンが良い例としてあげられます。

iPhoneなどの最新機種を購入したとします。新発売になった製品は前機種より薄くなり、軽量化されています。しかしながら、薄く軽量化するには、本体の無駄な部分を捨てなければなりません。

そのためによくバッテリーの部分を小さくして薄く軽量化するのです。バッテリーの部分を軽量化してしまうと、当然重さも軽くなって持ち運びに便利なのですが、バッテリーの減りも早くなってしまいます。

やはり最新機種で全ての機能や性能が良いというわけではなく、悪いところや欠点が存在するのです。まさに「一長一短」ですね。日常生活で買い物をするときにも、「一長一短」を使用する場面があるかもしれないので覚えておくと良いでしょう。

 

③の例文は、チームや組織に関する例文です。先ほど何度か説明した通り、個人は「一長一短」で誰もが得意不得意を持っています。一方チームというのは、グループで行動します。

チームは個人が集まってできるものですので、人数が多く一人ではできなかったことがこなせるようになります。さらにそれだけではなく、個人の長所と短所をチームで活かすことができるのです。

つまり、例文のようにチームを組むことで個人の長所をさらに強くして、短所を他の誰かがカバーするということができるのです。チームを作ることで、「一長一短」の短所を減らすわけです。

 

才能のあるリーダーがいたとしても、その人には苦手なことがあります。例えば、業務に関する技術に長けていても、人の採用や金銭の管理などが苦手な場合です。

そのため、リーダーの他に誰か補佐を行うことで、リーダーの「一長一短」の短所の部分をカバーするのです。これができている組織は良いチームや組織であると言えるでしょう。

組織の戦略や人のマネジメントを考える上でも「一長一短」という四字熟語は大切なのです。ぜひ使い方を覚えて仕事にも役に立てましょう。

「一長一短」の英語訳

「一長一短」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • merits and demerits
    (メリットとデメリット)

「一長一短」が「1つの長所に対して、1つの短所がある」というようになっていましたが、英語の場合は異なっています。複数のsがついていることから、複数の長所に対して複数の短所があるというように理解できます。

日本語の「一長一短」では、たとえ長所や短所が複数あっても、その中から1つだけ取り上げて四字熟語にしています。しかしながら英語の場合は、複数ですので、長所と短所を全体的に表しています。

このあたりに日本語と英語の考え方の違いが現れているのです。ぜひとも参考にして、英作文にも応用すると良いでしょう。特に政治に関する英語では政策の良いところと悪いところを同時に解説するため、頻出です。しっかり理解しておきましょう。

まとめ

以上、この記事では「一長一短」について解説しました。

読み方一長一短(いっちょういったん)
意味長所があったら、短所もあること
英語訳merits and demerits(メリットとデメリット)

「一長一短」は、人の性格を表す四字熟語です。人には誰にでも長所と短所があるという意味ですが、この四字熟語には人を勇気付けてくれる一面もあります。

自分には短所しかないと落ち込んでいる人でも「一長一短」の四字熟語に従えば、きっと自分が気付かなかった長所や特技が見つかります。「一長一短」の意味を知ると心が和らぐので、好きな言葉と言う人も多いです。

ぜひこの記事で意味や使い方を確認して、日常生活でも使用できるようになりましょう。