「一衣帯水」の意味とは?使い方から英語や類語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語「一衣帯水いちいたいすい」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「一衣帯水」をざっくり言うと……

読み方一衣帯水いちいたいすい
意味隔たりはあるけれども、非常に近い位置にあること
由来李延寿が書いた『南史』の「陳後主紀」
類義語衣帯一江、衣帯之水、一牛鳴地など
英語訳narrow strip of water(狭い水の帯)、narrow strait(狭い海峡)など

「一衣帯水」の意味をスッキリ理解!

一衣帯水いちいたいすい隔たりはあるけれども、非常に近い位置にあること

「一衣帯水」の意味を詳しく

一衣帯水とは「隔たりはあるけれども、非常に近い位置にあること」を指します。

「衣帯」は服の帯のことを指します。そして、「水」は海や川のことを指します。

つまり、「一衣帯水」は「一筋の帯のような幅の狭い川や海」を表しているのです。狭い川や海によって隔てられた2つの場所は、距離が近いですね。このことから派生して、「非常に近い位置にある」という意味になりました。

「一衣帯水」の使い方

  1. 一衣帯水の隣国なのだから、友好な関係を築くべきである。
  2. 北海道と青森は一衣帯水とは言え、全く異なる文化をもった地域である。

①の例文では、海や川を隔てて非常に近い距離にある国同士であるため、良い関係を保つことが両者への利益になるのだということを説いています。

②の例文では、北海道と青森は、海を隔てて隣の県同士ではあれど、異なる特徴を持っていることを説いています。

「一衣帯水」の由来

一衣帯水は、中国の唐の時代の歴史家である李延寿りえんじゅという人物が書いた、『南史』の「陳後主紀ちんごしゅき」が由来です。

この中で、ある皇帝が、民衆が困窮している国を侵略することで、その民衆を助けた話が描かれています。

その皇帝が「私は、民衆の親の立場にあって、どうしてあんな細い川で隔てられているからと言って、その民を救わないでいられようか。」と言います。これが、一衣帯水の由来です。

「一衣帯水」の類義語

一衣帯水には以下のような類義語があります。

  • 衣帯一江いたいいっこう:非常に親しい関係のこと
  • 衣帯之水いたいのみず:極めて近い関係のこと
  • 一牛鳴地いちぎゅうめいち:一頭の牛の鳴き声が聞こえるほどの近い距離のこと

これらの類義語は、精神的に関係が近いことや、物理的な距離が近いことを示しています。

「一衣帯水」の英語訳

一衣帯水を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • narrow strip of water
    (狭い水の帯)
  • narrow strait
    (狭い海峡)
  • narrow channel
    (狭い水路)

Being separated by a narrow strip of water で、「狭い水の帯によって隔たれていること」という意味になります。

まとめ

以上、この記事では「一衣帯水」について解説しました。

読み方一衣帯水いちいたいすい
意味隔たりはあるけれども、非常に近い位置にあること
由来李延寿が書いた『南史』の「陳後主紀」
類義語衣帯一江、衣帯之水、一牛鳴地など
英語訳narrow strip of water(狭い水の帯)、narrow strait(狭い海峡)など

物理的な距離が近いからといって、精神的な距離も縮まるとは限りません。

しかし同様に、何かによって隔たれているからといって、隣人であることには変わりはないと考えられますね。