今回ご紹介する言葉は、ことわざの「一難(いちなん)去ってまた一難」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「一難去ってまた一難」をざっくり言うと……
読み方 | 一難(いちなん)去ってまた一難 |
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意味 | 1つの災難を何とか切り抜けた後、すぐにまた別の災難に見舞われること |
類義語 | 虎口を逃れて竜穴に入る、火避けて水に陥る、追っ手を防げば搦め手へ回るなど |
英語訳 | Jump out of the frying pan into the fire.(フライパンから飛び出て、火に入る。) |
このページの目次
「一難去ってまた一難」の意味をスッキリ理解!
「一難去ってまた一難」の意味を詳しく
「一難去ってまた一難」は、1つの災難をなんとか切り抜けたと思ったら、また別の災難に襲われるという意味のことわざです。立て続けに災難に見舞われた時に使用します。
このことわざの「一難」は、「1つの災難」「1つの困難」と言い換えることができます。地震・洪水などの天災だけでなく、トラブル全般を指します。
例えば、「学校で好きな女の子に振られた後に、先生に怒られた。」というように、人間関係上のトラブルにも使用することが出来ます。
同じ意味で、「一難去ればまた一難」「一難去れば一難来る」と表現することもできます。しかし、「一難過ぎてまた一難」「一難過ぎればまた一難」という表現はないので、注意しましょう。
「一難去ってまた一難」の使い方
- やっと課長の説教から逃れることが出来たと思ったら、今度は後輩が取引先でやらかした。一難去ってまた一難か。
- 6カ月に及ぶ入院生活が終わり、ついに退院した。しかし、病院から出た途端、暴走したトラックが僕の方に突っ込んできた。まさに一難去ってまた一難だった。
- 嫌いな先輩に駅でばったり出くわし、1時間話さなければならなかった。さらに、進路を急に変更した台風の影響で、電車が緊急停車した。今日は一難去ってまた一難だ。
「一難去ってまた一難」は、例文のように、トラブルが立て続けに起きた時に幅広く使うことができます。「去って」とあるように、1つの災難が終わった後に別の災難に見舞われることがポイントです。
「一難去ってまた一難」の類義語
「一難去ってまた一難」には以下のような類義語があります。
- 虎口(ここう)を逃れて竜穴(りゅうけつ)に入(い)る:次々に災難に遭うこと
- 火避けて水に陥る:1つの災難を避けた後に、別の災難に遭うこと
- 追っ手を防げば搦(から)め手へ回る:1つの災難を避けた後に、別の災難に遭うこと
- 前門の虎、後門の狼:次々に災難に遭うこと
- 前虎後狼(ぜんここうろう):次々に災難に遭うこと
- 禍(わざわい)去って禍また至る:1つの災難を避けた後に、別の災難に遭うこと
「前門の虎、後門の狼」を四字熟語にしたのが、「前虎後狼」です。表門で虎の攻撃を防いだ後に、裏門から狼が襲ってくる、という状況を表しています。
また、以下のような表現も類義語に当たります。
- 踏んだり蹴ったり
- 泣き面に蜂
- 傷口に塩
これらの表現は、主に不幸なことが起こっている最中に、別の不幸なことが起こった時に使います。一方、「一難去ってまた一難」は、1つ目の災難を乗り越えた後に2つ目の災難に遭う、というニュアンスになります。
「一難去ってまた一難」の英語訳
「一難去ってまた一難」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Jump out of the frying pan into the fire.
(フライパンから飛び出て、火に入る。) - To take one foot out of the mire and put in the other.
(片足をぬかるみから出し、片足をぬかるみに踏み入れる。) - If the Bermudas let you pass, you must beware of Hatteras.
(もしバミューダ諸島を通過したら、ハッテラス岬に気をつけなければならない。) - One disaster after another.
(災害が次から次へとやって来る。)
まとめ
以上、この記事では「一難去ってまた一難」について解説しました。
読み方 | 一難(いちなん)去ってまた一難 |
---|---|
意味 | 1つの災難を何とか切り抜けた後、すぐにまた別の災難に見舞われること |
類義語 | 虎口を逃れて竜穴に入る、火避けて水に陥る、追っ手を防げば搦め手へ回るなど |
英語訳 | Jump out of the frying pan into the fire.(フライパンから飛び出て、火に入る。) |
良いことが続くことがあれば、悪いことが続くこともあります。もちろん、災難が続くことも、長い人生の中で何度もあるでしょう。
「一難去ってまた一難」の状況に陥っても、めげずに頑張ることが大切です。