故事成語「堅き氷は霜を履むより至る」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「堅き氷は霜を履むより至る(かたきこおりはしもをふむよりいたる)」です。

言葉の意味・例文・由来・英語訳について、わかりやすく解説します。

☆「堅き氷は霜を履むより至る」をざっくり言うと……

読み方堅き氷は霜を履むより至る(かたきこおりはしもをふむよりいたる)
意味予兆があったら、それに対しすぐに準備・対処するべきだ
由来中国、儒教の経典『易経』より
英語訳Small problem leads to big problem someday.

「堅き氷は霜を履むより至る」の意味

堅き氷は霜を履むより至る(かたきこおりはしもをふむよりいたる)何事に対しても、予兆があったらすぐに準備に取りかかるべきである

「堅き氷は霜を履むより至る」の意味を詳しく


「堅き氷は霜を履むより至る」とは、秋になって、朝に霜を踏むようになると、どんどん寒さが増し、完全に冬が来て道や水面に堅い氷が張るようになることを表しています。

そこから、兆候を見たら、早く準備・対処した方が良いという意味になりました。

また、小さなわざわいが原因で、大きなわざわいに繋がることがあるという意味で使われることもあります。

小さなきっかけが、良くも悪くも大きく広がり、様々なものに影響を与えるということです。

 

「霜を履みて堅氷至る」「霜を見て氷を知る」などのように表されることもあります。意味は同じです。

「堅き氷は霜を履むより至る」の例文

「堅き氷は霜を履むより至る」は、文章中では以下のように使われます。

  1. 堅き氷は霜を履むより至ると言うから、不正は小さいうちに取り締まらなければいけない。
  2. あんな小さな事件が、後に大きな問題になるなんて予想外だ。堅き氷は霜を履むより至るだ。

小さな問題を軽視しないというのは、どのような場面でも非常に重要なことです。

「堅き氷は霜を履むより至る」の由来

中国の本である『易経』が由来になっています。

以下は、元になった文とその現代語訳です。

霜を履みて堅氷至る

象に曰く、霜を履みて堅氷とは、陰の始めて凝るなり

その道を馴致すれば、堅氷に至るなり

秋になり、霜が下り始めると、やがて冬になり氷が張るようになる。

運が悪い時の何気ない言動・行動がいつのまにか大きな問題になることもある。

小さな問題でも放置すればやがて硬い氷のように大きくなるのだ。

ここから、「堅き氷は霜を履むより至る」は、小さな問題でも、それを見つけた場合には、大事になる前に、すぐに対処し備えるべきであるという意味の故事成語になりました。

儒教には、五つの経典(※1)があり、五経と呼ばれています。『易経』はそのうちのひとつです。他には『詩経』『書経』『礼経』『春秋』があります。

  • (※1)経典:宗教の中の、守るべき事柄や神の教えが書かれている本。キリスト教の聖書など。

「堅き氷は霜を履むより至る」の英語訳

「堅き氷は霜を履むより至る」は、英語では以下のように表されます。

  • Small problem leads to big problem someday.
    (小さな問題はいずれ大きな問題につながる)

まとめ

以上、この記事では「堅き氷は霜を履むより至る」について解説しました。

読み方堅き氷は霜を履むより至る(かたきこおりはしもをふむよりいたる)
意味予兆があったら、それに対しすぐに準備・対処するべきだ
由来中国、儒教の経典『易経』より
英語訳Small problem leads to big problem someday.

様々な場面で、教訓として使われる故事成語です。覚えておくと役に立つかもしれません。