「踏まえて」とは?意味や使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

「踏まえて」とは「ある事柄を前提として」「あらかじめ考慮に入れて」という意味です。

何となくのニュアンスで「踏まえて」を使ったことがある人も多いのではないでしょうか。

実は目上の人に対して「踏まえて」を使うと失礼に当たることもあるので、意味や使い方をしっかり抑えておくと役に立ちます。

この記事では「踏まえて」の意味や使い方を、例文付きでわかりやすく解説します。

「踏まえて」の意味

まえて

  1. ある事柄を前提として
  2. あらかじめ考慮に入れて

「踏まえて」は、「ある事柄を前提として」「あらかじめ考慮に入れて」という2つの意味をもちます。

前の言葉に引き続き、結論を述べるために使います。

「踏まえる」の意味

「踏まえて」は、動詞「踏まえる」に接続助詞「て」がついた形です。

「踏まえる」には以下のような意味があります。

まえる

  1. しっかりと足でふみつける
  2. 判断のよりどころにする
  3. あれこれ思案する
  4. 支配下に取り込み、掌握する

「踏まえる」は、①「しっかりと足でふみつける」から転じて②「判断のよりどころにする」という意味ももつようになりました。

「踏まえて」では、②の意味で使われています。

「踏まえて」の表記

「踏まえて」は、「ふまえて」とひらがなで表記することもあります。

しかし、一般的には「踏まえて」と表記します。

「踏まえて」の使い方

「踏まえて」は固い表現なので、ビジネスシーンなどで使われることが多く、日常会話ではほとんど使われません。

「踏まえて」は、「◯◯を踏まえて」の形で使います。

◯◯に入る言葉は以下のようなものがあります。

◯◯を踏まえて
  • 事実を踏まえて
  • 経験を踏まえて
  • 結果を踏まえて
  • 現状を踏まえて
  • 事故を踏まえて
  • 以上を踏まえて
  • 上記を踏まえて

「踏まえて」を使った文章の後には、結論が続きます。

下の例文でも、「踏まえて」の後に結論が続くことがわかります。

例文
  • 裁判員は事実を踏まえて判決を下した。
  • 現状を踏まえて、計画を立てる。
  • 事故を踏まえて、道路の工事を行う。

「踏まえて」は以下のような使い方をします。

  1. 自分の行為に対して使う
  2. 相手の行為に対して使う

それぞれ例文と一緒に見ていきましょう。

使い方①自分の行為に対して使う

「踏まえて」は、自分の行為に対して使うことで、へりくだることができます

例文を見てみましょう。

例文
  1. 部長にいただいたアドバイスを踏まえて、企画書を修正いたしました。
  2. 試合の反省点を踏まえて、ドリブルの練習に励む。
  3. 刑事は現場の状況を踏まえて、近隣の聞き込み調査に向かった。
  4. 以上の意見を踏まえつつ、最終的な決断をするつもりだ。
  5. アンケート結果を踏まえながら、もう一度作り直す。

使い方②相手の行為に対して使う

「踏まえて」は、基本的に相手の行為に対しては使いません

どうしても相手の行為に対して「踏まえて」を使う場合は、以下のような敬語表現にします。

例文
  1. 以上の要点をお踏まえいただきご選択をお願い申し上げます。
  2. 以上の要点をお踏まえになりご選択をお願い申し上げます。
  3. 以上の要点を踏まえましてご選択をお願い申し上げます。

相手に対して使うとき、「踏まえて」は以下のような言葉に言い換えることができます。

  • ご確認のうえ
  • ご注意のうえ
  • ご留意のうえ
目上の人には「踏まえて」を使わない方が無難

目上の人の行為に「踏まえて」を使うと、上から目線に感じられて失礼になることがあります。

そのため、使わないほうが無難です。

×上記を踏まえて、ご返信をお願いいたします。
×これらを踏まえて、意見をいただけますと幸いです。

「踏む」の意味

動詞の「踏む」は「踏まえて」と同じ漢字を使うため、間違われることがよくあります。

「踏む」には以下のような意味があります。

  1. 足で体重をかけて上から押さえる
    例:土足で踏みつける
  2. 交互に足を上げ下げする
    例:地団駄(じだんだ)を踏む
  3. 実際に経験する
    例:場数を踏む
  4. 決まったやり方に従って行う
    例:複雑な手続きを踏む
  5. 前もって見当をつける
    例:値踏みをする

上記のうち、➂「実際に経験する」と④「決まったやり方に従って行う」の意味は、「踏まえて」の意味と混同しやすいです。

「踏まえて」と「踏む」の違い

「踏まえて」と「踏む」は以下のような違いがあります。

踏まえて踏む
意味ある事柄を前提として
あらかじめ考慮に入れて
実際に経験する
決まったやり方に従って行う
ニュアンス考慮する前提それ通りに行うルール

「踏まえて」は、考慮する前提を表すため、すべてその通りには行いません。

「踏む」は、すべてそれ通りに行うルールを表します。

「踏まえて」と「踏む」で混同しやすい表現には、以下のようなものがあります。

  • 手順を踏む
    物事に着手するときの順番を守って行う
  • 手順を踏まえる
    物事に着手するとき、順番をあらかじめ考慮に入れる
  • 場数を踏む
    実際に何度も同じ経験をする
  • 場数を踏まえる
    実際に何度も経験をしたことを考慮に入れる
  • 前例を踏む
    前例に従って行う
  • 前例を踏まえる
    前例を基準にして行う

「踏まえて」の類義語

「踏まえて」の類義語を以下の2つの意味別に見ていきましょう。

「踏まえて」の意味
  1. ある事柄を前提として
  2. あらかじめ考慮に入れて

類義語①「ある事柄を前提として」という意味のもの

「ある事柄を前提として」の意味をもつ類義語は以下のようなものがあります。

  • 前提とする
    ある事柄が成り立つために前置きとなる条件とする
  • 前提として
    ある事物が成り立つために前置きとなる条件として
  • 基づく
    それが基となって起こる。近づく。到達する
  • 基づき
    そこに基礎・根拠を置く。よりどころとする
  • 基づいて
    原因や発端、根拠などがそこにあるさま。よりどころとして
  • 根拠にする
    物事が存在するための理由にする
  • 根拠とする
    物事が存在するための理由とする
  • 根拠として
    物事が存在するための理由として
  • 準じて
    準ずること。準拠すること。則ること

類義語②「あらかじめ考慮に入れて」という意味のもの

「あらかじめ考慮に入れて」の意味をもつ類義語は以下のようなものがあります。

  • 考慮する
    考えの中に含める。配慮する。気を使う
  • 考慮して
    考えの中に含めて。配慮して
  • 注意する
    気をつけて。気をくばって
  • 注意して
    気をつけること。気をくばること
  • 鑑みて(かんがみて)
    見本や手本を元に考えて。他と比べながら考えて
  • 意識して
    物事や状態に気づく。はっきり知る。気にかける
  • 加味(かみ)する
    あるものに、別の要素を付け加えること
  • 念頭に置く
    常に心にかける。いつも忘れないでいる
  • 心に留める
    常に意識し、忘れずにおくこと

「踏まえて」と「鑑みて」の違い

「踏まえて」と「鑑みて」は以下のような違いがあります。

踏まえて鑑みて
意味①ある事柄を前提として
②あらかじめ考慮に入れて
①見本や手本を元に考えて
②他と比べながら考えて
事柄や前例を基準にして考える比較対象として考える

「踏まえて」と「鑑みて」は、事柄や前例をどう考えるかが異なります

例文を見てみましょう。

例文
  1. 昨年の売り上げを踏まえて、今年の売り上げ目標を決めた。
    (昨年の売り上げを基準にして考えて、今年の売り上げ目標を決めた)
  2. 昨年の売り上げを鑑みて、今年の売り上げ目標を当初より引き上げた。
    (昨年の売り上げを比較して考えて、今年の売り上げ目標を決めた)

「踏まえて」は、事柄や前例を基準にして考えます。

「鑑みて」は、事柄や前例を比較対象として考えます。

「踏まえて」の英語訳

「踏まえて」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • based on〜
    (〜を根拠として)
  • considering〜
    (〜を考慮して)
  • on the basis of〜
    (〜に基づいて)
  • in accord with〜
    (〜と一致して)

「踏まえて」のまとめ

以上、この記事では「踏まえて」について解説しました。

読み方踏まえて(ふまえて)
意味①ある事柄を前提として
②あらかじめ考慮に入れて
類義語基づく、鑑みて、念頭に置くなど
英語訳based on〜(〜を根拠として)、considering〜(〜を考慮して)、on the basis of〜(〜に基づいて)など

「踏まえて」は自分の行為にのみ使うことが無難です。

この記事を踏まえて、正しい使い方で「踏まえて」を使ってみてくださいね。

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間山智賀
間山智賀
自称、誤字キラー。 Web記事でも誤字脱字を見逃しません。言葉が大好きです。 大学では言葉遊びについて研究していました。マイブームは日本語ラップを聴くこと。