「飽和状態」とは?意味や使い方を例文付きで解説|ビジネスでの意味は?

言葉

飽和状態とは「許容範囲の最大限度に達していること」という意味です。

飽和という言葉は理科の授業で聞いた覚えのある方も多いのではないでしょうか。

しかし、理科の用語なんて忘れてしまいましたよね。

そこで、この記事では飽和状態の使い方を身近な現象と共にわかりやすく解説します。

「飽和状態」をざっくり言うと…
  • 飽和状態の意味は「許容範囲の最大限度に達していること
  • 飽和状態のよくある言い回しは「飽和状態にある」「飽和状態になる」など
  • 飽和状態の類義語は「最大限」「上限」「極度」など
  • 飽和状態の対義語は「不飽和状態」「不足」「ゆとりがある」など
  • 飽和状態の英語訳は「saturation」「red ocean

☆「飽和状態」をざっくり言うと……

読み方飽和状態(ほうわじょうたい)
意味許容範囲の最大限度に達していること
語源「飽和」と「状態」から
類義語最大限
上限
極度 など
対義語不飽和状態
不足
ゆとりがある など
英語訳saturation(飽和、飽和状態)

「飽和状態」の意味

飽和状態ほうわじょうたい

許容範囲の最大限度に達していること

飽和状態とは、「これ以上の余地がないほどにいっぱいの状態であること」を意味します。

持つことのできる量が決まっているものに対して使われる言葉です。

「いっぱいいっぱいである」「限界寸前である」というニュアンスで理解できます。

 

たとえば、コップには水を入れることができます。

コップに水が入る最大の量、つまり許容範囲いっぱいまで水で満たされている状態を飽和状態と言います。

理科の用語としてだけでなく、市場やビジネスの場でも使われます。

許容範囲を超えた場合

許容範囲ぴったりではなく、最大限度を超えてしまった場合でも、飽和状態と言います。

コップでたとえると、水を入れすぎてこぼれている場合でも、コップは飽和状態にあると表現できます。

化学・理科における飽和状態の意味

化学・理科における飽和状態は「ある物質が他の物質に限界まで溶けていること」を意味します。

たとえば、水に塩を溶かすことができますが、ある程度塩を入れるとそれ以上溶けなくなります。

この状態にある水と塩を指して飽和状態と表現します。

水などの液体だけでなく、気体である空気に水が溶けている場合や、固体である金属に酸素が溶けている場合にも使われます。

飽和水蒸気量

「空気が限界まで水を含んでいる状態」の水の量を飽和水蒸気量と言います。

この量を100%として、実際に含まれている水蒸気量をパーセンテージで表したものが湿度となっています。

市場・ビジネスにおける飽和状態の意味

市場やビジネスにおける飽和状態は、「ものや人などが有り余っていること」を意味します。

「市場が飽和状態」でその市場に属する企業の数が多く、新規参入が難しい状態を指します。

また、仕事や職業に対しては、求人数より求職者数が多い「人が余っている状態」という意味で飽和状態が使われます。

「飽和状態」の使い方

飽和状態は、理科の授業やビジネスシーンで使われることが多いです。

具体的には、以下のような言い回しで用いられることが多いです。

飽和状態のよく使われる言い回し
  • 飽和状態にある
  • 飽和状態になる
  • 飽和状態に達する
  • すでに飽和状態

以下で、各分野における飽和状態の使い方を説明します。

化学・理科における飽和状態の使い方

  1. まず、飽和状態にある食塩水を作製してください。
  2. 飽和状態になると、溶けていた物質が結晶となって出てくる。

①の飽和状態は「水に食塩を限界まで溶かしている状態」を意味します。

②は「ある物質が他の物質に限界まで溶けていること」という意味で飽和状態が使われています。

市場・ビジネスにおける飽和状態の使い方

  1. 飲料業界は大きな企業が複数あり飽和状態となっているため、新規参入が難しい。
  2. 不景気によって求人が減ったため、求職者が飽和状態となった。

①の飽和状態は「その市場に属する企業の数が多く、新規参入が難しい状態」を意味します。

②は「人が余っている状態」という意味で飽和状態が使われています。

「飽和状態」の語源

飽和状態は「飽和」と「状態」という熟語が組み合わさってできています。

それぞれの熟語の意味を以下にまとめました。

  • 飽和
    最大限まで満たされた状態であること
  • 状態
    人や物事の、ある時点でのありさまのこと

「飽和状態」の類義語

飽和状態には以下のような類義語があります。

  • 最大限
    ある範囲で一番大きい度合いであること
  • 上限
    ある物事においての上の方の限界
  • 極度
    それ以上はないこと
  • いっぱいいっぱい
    少しもゆとりがないこと
  • 余裕がない
    ゆとりがないこと
  • 限界状態
    これ以上はできないという状態
  • ダブつき状態
    ものが多くて余っている状態
  • 満杯
    容器に中身がいっぱいに入っていること

「飽和状態」の対義語

飽和状態には以下のような対義語があります。

  • 不飽和状態
    飽和まで達していない状態
  • 不足
    物事が足りていないこと
  • ゆとりがある
    余裕があってきつくないこと
  • 欠落
    物事のある部分が抜けていること
  • 余裕がある
    限度までにゆとりがあること
  • 不備
    完全ではなく、抜けていることがあること
  • 不完全
    欠けていたり、十分でないところがあったりして、完全でないこと
  • 欠陥
    欠けて足りないもの

「飽和状態」の英語訳

飽和状態を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • saturation
    (飽和、飽和状態)
  • red ocean
    (飽和状態)

「飽和状態」のまとめ

以上、この記事では「飽和状態」について解説しました。

読み方飽和状態(ほうわじょうたい)
意味許容範囲の最大限度に達していること
語源「飽和」と「状態」から
類義語最大限
上限
極度 など
対義語不飽和状態
不足
ゆとりがある など
英語訳saturation(飽和、飽和状態)

飽和状態は理科の用語でありながら、ビジネスシーンなどでも使われるようになった言葉です。

意味をしっかりと理解して使いこなしましょう。

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シェスカ
公的文章に詳しい大学院生。 学術論文や特許の執筆を得意としています。 スッキリではその知識を活かし、専門用語の解説を担当しています。