私たちの体内から分泌されるホルモンには、非常に多くの種類があります。
名前は聞いたことがあるけれど詳しくは忘れてしまった、どの場合にどのようなホルモンが働いているかわからない、というものも多いと思います。
今回は、中でもよく聞く、「ドーパミン」と「アドレナリン」という2つの似たホルモンとその違いについて説明します。
このページの目次
結論:「ドーパミン」は幸福感を、「アドレナリン」はやる気を出す
「ドーパミン」が分泌されると人は幸福感を感じ、「アドレナリン」が分泌されるとやる気を感じます。
そして、2つは全く別の物質ではなく、「ドーパミン」が変化したものが「アドレナリン」であるという関係にあります。
そもそもホルモンって何?
ホルモンとは、体の機能を調整するために様々な命令を伝える物質です。
ホルモンによって命令が出される機能の1つに自律神経があります。
自律神経は更に交感神経と副交感神経という2種類に分かれており、交感神経は興奮・緊張している時、副交感神経はリラックスしているときに優位になります。
ドーパミンとアドレナリンは、両方とも交感神経が優位な時に出されるホルモンです。
「ドーパミン」について詳しく
ドーパミンとは快感・幸福感を感じさせるホルモンで、見返りを得られる事柄を達成したときに分泌されます。
実際にはまだ達成されていなくても、見返りを得られることを明確に思い描けたときにも分泌されます。
例えば下のような場合です。
- 試験に合格したとき
- 大きな仕事が終わりそうなとき
目標を達成するとドーパミンによる気持ちよさを感じることができるので、また頑張ろうという気持ちになり、意欲がわきます。
このようなことから、ドーパミンはハッピーホルモンと呼ばれることもあります。
しかし、仕事が終わりそうなときにドーパミンによって幸福感を得てしまっては、最後まで頑張れませんよね。
そこでアドレナリンの出番です。
「アドレナリン」について詳しく
アドレナリンはやる気を引き起こすホルモンで、興奮・緊張している時に分泌されます。
アドレナリンは具体的に下のような作用を持ちます。
- 心拍数・血圧の上昇
- 筋肉増強
- 脂肪の分解促進
- 末梢血管の収縮
また、アドレナリンはドーパミンが変化したものなので、ドーパミンが分泌された後は自動的にアドレナリンも発生し、幸福感がやる気へと繋がる仕組みになっています。
勉強や仕事が辛くてもこのアドレナリンがあることで、最後まで頑張れるのです。
おまけ:「ドーパミン」が不足・過剰状態になるとどうなる?
ここまでで説明したように、ドーパミンは幸福感をもたらす重要なホルモンです。
したがって、分泌量が適切でないと体に悪影響が出てしまいます。
不足した場合
やる気の顕著な低下(無気力・鬱)が起きます。
精神面にとどまらず、肉体機能も低下してしまいます。
パーキンソン病という、手足の関節が固くなるなどの症状が出る病気もドーパミンの不足によるものです。
過剰に分泌された場合
幻覚や妄想(統合失調症・強迫性障害)を引き起こします。
また過食症状が出る場合もあります。
脳内が常時興奮状態になってしまうため、冷静さの欠如などに繋がります。
まとめ
- ドーパミン:目標を達成したとき幸福感を与える
- アドレナリン:目標を達成するためにやる気を出させる
どちらも、精神面を健康に保つために非常に重要なホルモンです。
分泌のメカニズムを知ることで自分のやる気スイッチを操れるようになり、より効率的に頑張ることができるかもしれませんね。