日本では、多くの職場で「ホウ・レン・ソウ」という合言葉が重要視されています。
「ホウ・レン・ソウ」とは「報告・連絡・相談」の略です。3つとも大切とは分かっていても、それぞれにどのような区別があるのか分からないと感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、「報告」「連絡」「相談」の違いを詳しく解説します。
結論:情報を伝える相手と、伝えることの内容が違う
- 報告:部下が上司に、仕事の進み具合や自身の気づきを伝えること
- 連絡:同僚どうしで、事実を共有すること
- 相談:自分では判断できないことについて、上司や同僚に助言を求めること
「報告」を詳しく解説
「報告」は、部下が上司に対して、仕事に関する情報を伝えることです。「報告」で伝達される情報には、以下の2種類があります。
①仕事の現状や結果
部下が、上司から指示を受けて仕事を進めているとします。その仕事の進み具合は、こまめに上司に伝える必要がありますね。
また、途中で問題が発生した場合も、上司に速やかに伝達しなくてはなりません。さらに、仕事を進める途中段階だけではなく、仕事が終わったことも上司に伝えます。
このように、 “仕事の進捗(しんちょく)状況” が、「報告」で伝達される1つ目の情報なのです。
②自分が仕事中に発見したこと
仕事をしていて、重要なことに気づいたとします。それが上司に伝えた方が良いようなことであれば、誰かから指示がなかったとしても速やかに伝える必要がありますね。
このように、仕事中に気づいた点を上司に自発的に伝えに行くことも「報告」といえるのです。
「連絡」を詳しく解説
「報告」が部下から上司に行うものであるのに対し、「連絡」は同僚どうしが行う作業です。
それでは、「連絡」ではどのような情報を伝え合うのでしょうか。それは、自分の意見を交えない、純粋な情報のみです。
つまり、「連絡」とは、同僚のあいだで事実のみを共有することなのです。
「相談」を詳しく解説
仕事中、対処の方法に困るような問題が起きたとします。
このような場合、どのように対応すれば良いのかを周囲の人に聞きますね。これが「相談」です。
つまり、「相談」とは、自分では対処しきれない問題について、職場の人々にアドバイスを求めることなのです。
なお、すでに解説したように、「報告」は部下が上司に対して行うものです。また、「連絡」は同僚どうしが行うものでしたね。
しかし、「相談」は、部下が上司に行う場合もあれば、同僚どうしが行う場合もあります。
まとめ
以上、この記事では、「報告」「連絡」「相談」の違いについて解説しました。あらためて、三者の違いをおさらいしましょう。
- 報告:部下が上司に、仕事の進み具合や自身の気づきを伝えること
- 連絡:同僚どうしで、事実を共有すること
- 相談:自分では判断できないことについて、上司や同僚に助言を求めること
◉参考文献:今井繁之(2006)『これだけはおさえておきたい ホウ・レン・ソウの基本』日本能率協会マネジメントセンター.