親が子供を育てるとき、育て方に細心の注意を払うことでしょう。ただし、子供は可愛いものです。つい過保護になってしまうこともあるでしょう。
ここで、「過保護」と似た言葉に、「過干渉」があります。この2つは似た文面で使われることが多いですが、どのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、「過保護」と「過干渉」の違いについて解説します。
結論:性質が違う
それに対して過干渉とは、親が望むことを子供に対して行いすぎてしまうことを指すという違いがあります。
「過保護」をもっと詳しく
過保護とは、対象を過剰に保護しようとする動きのことをいいます。
たとえば、子供が欲しがるものをなんでも買ってあげる、何歳になっても子供のわがままを聞き続けるといった行動は過保護にあたります。親子関係以外にも、恋人同士などで相手のことを心配しすぎることを過保護ということもあります。
子供を甘やかしすぎることに対しては、「甘やかすことで子供が親離れ出来なくなるのではないか」「子供がずっと同じような要求を親にするようになるのではないか」などといった、否定的な意見が多く存在します。
そのため、過保護と聞くと悪い印象を持つ人も一定数います。
しかし、過保護な子育ては完全に悪だということはできません。子育てにおいて子供のお願いを親が聞いてあげることにより、子供は欲求が満たされ、親からの愛情を感じることができます。愛情を感じることは、生育期の子供にとって非常に重要なことです。
また、子供の欲求が満たされることで子供は満足し、同じようなことをあまり望まなくなるという傾向があります。そのため、積極的に親が子供のお願いを聞いてあげることによって、子供の自立を早めることにもつながるのです。
また、子供の欲求に対して親が過保護になるほどの愛情を注ぎきることは出来ないという意見も存在します。このため、過保護になってしまうことはそれほど大きな問題ではないと考えることができます。
「過保護」の使い方の例
- 社会人になってもお年玉をあげるなんて過保護だ。
- 子供のわがままを素直に聞きすぎるのは過保護にあたる。
- 彼は僕のちょっとしたことにもすごく心配するし、過保護のような気がする。
「過干渉」をもっと詳しく
過干渉は、子供が望んでいる訳ではないことを、親がすべきと考えて子供にしすぎてしまうことを指します。子供の交友関係に必要以上に口出しをする、門限を厳しく定めすぎるといったことは過干渉にあたります。
過干渉の問題点として、基本的に親の価値観を子供に押し付けてしまうことになるということが挙げられます。また、過干渉は過保護と違い、完全に子供に対して悪影響を与える行為であると考えられています。
過干渉に陥った親は、子供の行動すべてを管理しようとしてしまいます。実際に行動を管理されていく中で、子供は閉塞感を感じると共に、親の行動から愛情を感じなくなっていきます。
また、過干渉の場合は親が自分で考えて行動してしまうため、子供が自分が直面している状況に対しての解決策を考える機会を奪ってしまいます。
そのため、過干渉を受けている子供は一般的に自立が遅くなる傾向にあります。
そして、過干渉になってしまいがちな親にも傾向があるとされています。過干渉になりがちな親は、教育に熱心であることが多いとされています。教育が行き過ぎてしまい、子供を縛り上げる結果になってしまうのです。
また、教育のつもりで行動をしている場合がほとんどのため、親は自分が過干渉であることに気がつきにくいです。これも過干渉の問題であると考えられています。
過干渉は、人間関係において、一般的な限度を超えて相手に関わろうとすることを指します。たとえば、恋人の交友関係を制限したり、逐一行動を報告させたりする行為は、明らかな「過干渉」であると言えます。
「過干渉」の使い方の例
- 子供のメールを親が盗み見するのは過干渉だ。
- 子供の進路を親が勝手に決めるのは過干渉である。
- 私の行動を逐一チェックしようとするなんで、彼は本当に過干渉だ。
まとめ
以上、この記事では、「過保護」と「過干渉」の違いについて解説しました。
- 過保護:子供が望むことを親が行いすぎてしまうこと
- 過干渉:親が望むことを子供に対して行いすぎてしまうこと
このように、過保護と過干渉には大きな違いがあります。過保護になってしまうのは完全に悪ではありませんが、過干渉にはならないように気をつけていきましょう。